スリランカの仏教 スリランカの仏教の概要

スリランカの仏教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/16 05:59 UTC 版)

スリランカの仏教徒
Weliwita Sri Saranankara Thero
Migettuwatte Gunananda Thera
Hikkaduwe Sri Sumangala Thera
Palane Vajiragnana Thero
Brahmachari Walisinghe Harischandra
Don Baron Jayatilaka
Nissanka Wijeyeratne
Pradeep Nilanga Dela
総信者数
14,222,844 (70.2%) in 2012[1]
信者の多い地域
スリランカの州
西部州 4,288,797
南部州 2,334,535
北西部州 1,754,424
中部州 1,665,465
サバラガムワ州 1,647,462
宗派
仏教
言語
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南伝仏教とも呼ばれるスリランカの仏教は、分別説部赤銅鍱部)の流れを汲み、パーリ語経典を奉じる上座部仏教と称する仏教であり、シンハラ人を中心に信仰を集める。ミャンマータイなど東南アジアに広まった上座部仏教は、このスリランカの仏教が起源である。

比丘サンガのシステムが堅持されており、出家者は比丘の戒律(具足戒)を守り、瞑想修行を通じて、涅槃への到達を目指す。北伝仏教の大乗仏教側からは、個人の覚りを優先する小乗仏教と呼ばれることもあったが、この語は蔑称である。

7歳を過ぎれば誰でも出家ができるが、多くの者は10歳前後に得度式を受けて剃髪し、十戒を授かってサーマネラ(沙弥)という見習僧になり、指導僧について修行して10年ほどたつと、ウパサンパダー(具足戒)を受けて正式な僧侶比丘)になり、227戒の遵守が義務付けられる。出家そのものは誰にでも可能だが、シャム派は教団への加入をゴイガマ(農民)カーストに限定している[3]

一般の者(在家)は、不殺生(生き物を殺さない)、不窃盗(与えられないものをもらわない)、不邪淫(みだらな行為をしない)、不妄語(嘘をつかない)、不飲酒(酒類を飲まない)の五戒(パンチャ・シーラ)を守り、比丘サンガに帰依して、食事や日用品を寄進する布施(ダーナ)を通して功徳(ピン)を積む。一般の人々は、功徳積み(ピンカマ)によって、来世でよりよい地位に生まれ変わると信じている。


  1. ^ a b A3 : Population by religion according to districts, 2012. Census of Population & Housing, 2011 (Department of Census & Statistics, Sri Lanka). http://www.statistics.gov.lk/PopHouSat/CPH2011/index.php?fileName=pop43&gp=Activities&tpl=3. 
  2. ^ a b c d 川島耕司、「現代スリランカにおける仏教ナショナリズムとキリスト教」『国士舘大学政治研究』 2010年 1巻, ISSN 1884-6963, 国士舘大学政経学部附属政治研究所
  3. ^ 橘堂正弘 (1995). “スリランカ仏教教団のカースト問題 : Udarata Amarapura Mahanikayaの場合”. パーリ学仏教文化学 (パーリ学仏教文化学会) 8: 27-44. doi:10.20769/jpbs.8.0_27. 
  4. ^ 地球の歩き方スリランカ 2005-2006年版』ダイヤモンド社、2005年。 
  5. ^ J.A.T.D. Nishantha(にしゃんた)、「スリランカ内戦と解決のための日本の役割」『山口県立大学国際文化学部紀要』 2007年 13巻 p.87-92, 山口県立大学
  6. ^ 上座部 常用経典集 - 序説・パリッタと儀礼”. 真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺. 2012年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月7日閲覧。
  7. ^ 日・月食の記号論」『法政大学教養部紀要. 社会科学編』 1987年 63巻 p.1-66, hdl:10114/4389, 法政大学教養部
  8. ^ a b 現代スリランカ仏教の仏教教団 - 橘堂正弘
  9. ^ King Mahasena”. Mahavamsa. Ceylon Government. 2008年9月12日閲覧。
  10. ^ CHAPTER IV THE POLONNARUWA KINGS,1070-1215”. A SHORT HISTORY OF LANKA. Ceylon Government. 2012年6月13日閲覧。
  11. ^ 杉本良男、「儀礼の受難 : 楞伽島綺談」 『国立民族学博物館研究報告』 2003年 27巻 4号 p.618-681, doi:10.15021/00004031, 国立民族学博物館
  12. ^ 川島耕司、「文明化への眼差し : アナガーリカ・ダルマパーラとキリスト教」『国立民族学博物館調査報告』 2006年 62巻 p.353-370, doi:10.15021/00001581, 国立民族学博物館
  13. ^ 川島耕司、「植民地下スリランカにおけるミッションと反キリスト教運動」『国立民族博物館調査報告』 2002年 31巻 p.151-183, doi:10.15021/00002014
  14. ^ a b 外務省スリランカ内戦の終結~シンハラ人とタミル人の和解に向けて わかる!国際情勢 Vol.40
  15. ^ Up to 100,000 killed in Sri Lanka's civil war: UN” (英語). ABC News (2009年5月20日). 2019年7月30日閲覧。
  16. ^ Religiously motivated conflicts in Sri Lanka publisher=Religious Tolerance” (2003年3月11日). 2013年5月7日閲覧。
  17. ^ 中韓を知りすぎた男 - スリランカの国内事情” (2006年10月26日). 2013年5月7日閲覧。
  18. ^ Telegraph - Sri Lanka's Buddhist monks are intent on war” (2007年6月17日). 2013年5月7日閲覧。
  19. ^ Boyle urges divestment-disinvestment campaign against "apartheid" Sri Lanka” (英語). 2019年7月30日閲覧。
  20. ^ Francis Boyle[1]The Rights of Tamils on the island of Sri Lanka under International Law and Practice


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