カンボジアの鉄道 車両

カンボジアの鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 23:51 UTC 版)

車両

蒸気機関車

動態保存の蒸気機関車が1両 (231-501) あり、不定期に運行が行われている。また136-106がプノンペン駅で静態保存されている。

車番 製造年 メーカー名 軸配置 備考
136-106 2-6-2(1C1) プノンペン駅で静態保存
231-501 1939年 フランス製 4-6-2(2C1) 動態保存

ディーゼル機関車

ディーゼル機関車に関しては7形式がある。

  • BB1000形1968年フランス製セミセンターキャブの4軸機関車で、4両が在籍。予備車となっている。
  • BB1010形1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で4両が在籍する。現行[いつ?]の主力機関車として用いられている。
  • BB1050形1958年フランス製箱型18m級機であり、6両が在籍する。車軸は4軸である。内戦中は装甲板が取り付けられていた。予備車となっており殆ど運用されない。
  • BB1060形は2005年中華人民共和国製で、最新鋭であるがあまり運用されていない。
  • Bde400形は9両あるが、殆ど形式消滅状態となっている
  • Bde410形は2両が導入されている。1993年チェコスロバキア製のセミセンターキャブ機で、旅客ではこの機関車が多く用いられる。
  • YDM4型(en)は、2016年にインド鉄道からマレー鉄道へ貸し出されたインド鉄道YDM4型の一部が、2019年5月にカンボジアに導入されたもので、10両が在籍している[19][注釈 1]。形式名はインド鉄道時代のものを、車番はマレー鉄道時代のものをそれぞれそのまま継承している。2020年現在主に貨物用機関車として運用されている。
プノンペン駅にて貨車の入れ替え作業を行うYDM4型6428号機
形式 車番 製造年 メーカー名 軸配置 備考
BB1000 BB1001-BB1005 1965年 フランス・アルストーム B0-B0
BB1010 BB1010-BB1014 1992年 チェコスロバキア・ČKDプラハチェコ語版 B0-B0 Ç
BB1050 BB1051-BB1056 1969年 フランス・アルストーム製 B0-B0 箱型18 メートル級機
BB1060 2005年 中華人民共和国
Bde400 フランス・アルストーム製 形式消滅状態
Bde410 1993年 チェコスロバキア・ČKDプラハ製
YDM4 6xxx[注釈 2] 1961年 アメリカ・Alco, カナダ・MLW, インド・BLW(en) C0-C0 インド鉄道からマレー鉄道を経てカンボジアに入線

気動車

長らく3両編成2本のZZ800形のみが用いられていたが、2018年9月に空港シャトル路線向けにメキシコ製のAS1000形が[21]、翌2019年4月にはタイから4両(40,45,1035,1038)の気動車(RHN型)が導入されている[22][23]

また、キハ183系11両を購入しており、2024年4月には函館港から輸出されている[24]

形式 車番 製造年 メーカー名 備考
ZZ800 6両 1969年 ドイツ デュワグ[25] ZZ802・804 - 806は客車に改装[25]
RHN 4両 1971年 日本 日立製作所 2019年、タイ国鉄より譲渡
AS1000 3両 2018年 メキシコ フェロビアス・デル・バヒオ(Ferrovías del Bajio)製[26] 2018年の新規導入後、主力車両となる
キハ183 11両 2024年 日本 新潟鐵工所富士重工業日立製作所 現地での呼称は2024年6月5日時点では不明

客車

かつて、客車は多くが非常に荒廃しており、窓ガラスは殆どなく、座席もかなりの部分が失われていた。屋根に穴が開いている車両や、中には床板が抜け落ちて走行中に地面が見える車両もあるなど、非常に危険な状況であった。現在は改修工事が施され、内外装ともに更新され冷房装置も設置された。また座席はロングシートとボックスシートが混在する。

貨車

有蓋車、タンク車、コンテナ車[27]などの貨車が在籍している。


  1. ^ a b “鉄路で⾏くカンボジア 存在感増す中国”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2018年2月15日) 
  2. ^ a b “中国、カンボジア鉄道建設の覚書調印”. AFPBB News (クリエイティヴ・リンク). (2017年5月19日). https://www.afpbb.com/articles/-/3128842 
  3. ^ a b “タイ・カンボジア間、鉄道開通45年ぶり 域内分業活発に”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2019年4月22日) 
  4. ^ Cambodia opens Thai border rail link”. レールウェイ・ガゼット・インターナショナル (2018年4月5日). 2018年4月8日閲覧。
  5. ^ 1ST INTERNATIONAL TRAIN TO CAMBODIA FROM THAILAND ON 18 OCTOBER 2021”. RailTravel Station (2021年10月19日). 20122-04-29閲覧。
  6. ^ 柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』京都大学学術出版会、2010年。ISBN 978-4-87698-848-8 
  7. ^ “焦点:カンボジアに「第2のマカオ」誕⽣か、中国投資が加速”. ロイター通信 (ロイター). (2017年12月31日) 
  8. ^ “Villagers protest new commuter rail project”. The Phonom Penh Post. (2017年7月19日). https://www.phnompenhpost.com/national/villagers-protest-new-commuter-rail-project 
  9. ^ “Minister assures locals rail won’t disrupt lives”. The Phonom Penh Post. (2017年7月24日). https://www.phnompenhpost.com/national/minister-assures-locals-rail-wont-disrupt-lives 
  10. ^ a b “A ride to the airport on Phnom Penh’s latest mode of public transport” (英語). The Phnom Penh Post. (2018年4月10日). https://www.phnompenhpost.com/business/ride-airport-phnom-penhs-latest-mode-public-transport 
  11. ^ a b “Airport train gives inaugural ride” (英語). Khmer Times. (2018年4月11日). https://www.khmertimeskh.com/50301682/airport-train-gives-inaugural-ride/ 
  12. ^ “Airport shuttle train service may be temporarily halted”. Khmer Times. (2020年7月9日). https://www.khmertimeskh.com/742998/airport-shuttle-train-service-may-be-temporarily-halted/ 
  13. ^ “Airport rail system off track for now”. Khmer Times. (2020年12月8日). https://www.khmertimeskh.com/50790570/airport-rail-system-off-track-for-now/ 
  14. ^ “ロイヤル鉄道、プノンペン~シアヌークビル間を結ぶ旅客鉄道、4月運行”. カンボジア ビジネスパートナーズ. (2016年3月3日). http://business-partners.asia/cambodia/20160303/ 
  15. ^ “カンボジア、旅客列⾞が14年ぶり復活…でも期間限定 260キロを8時間以上で⾛⾏”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2016年4月9日) 
  16. ^ “タイ、カンボジア間の国際鉄道が近く開通 物流やアクセス向上に期待”. SankeiBIZ. (2019年1月22日). https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190122/mcb1901220500007-n1.htm 
  17. ^ Phnom Penh Airport Railway Track Being Removed After Numerous Accidents”. 2021年4月12日閲覧。
  18. ^ Royal Railway Cambodia - Facebook
  19. ^ IRCON YDM4 6000 SERIES LOCOMOTIVE・ROYAL RAILWAY CAMBODIA”. RailTravel Station. 2023年1月20日閲覧。
  20. ^ KTM YDM4 LOCOMOTIVE・DIESEL LOCOMOTIVE WORKS(DLW)”. RailTravel Station. 2023年1月20日閲覧。
  21. ^ “9月にメキシコ製鉄道車両が到着 ”. カンボジア: CAMODIA BUSINESS PARTNERS. (2018年7月19日). http://business-partners.asia/cambodia/syakai-20180719-train/ 
  22. ^ “タイ・カンボジア間の線路接続、道路橋開通”. newsclip.be. (2019年4月22日). http://www.newsclip.be/article/2019/04/22/39542.html 
  23. ^ “Cambodia, Thailand join railroad networks, open cross-border bridge” (英語). Khmer Times. (2019年4月23日). https://www.khmertimeskh.com/50597004/cambodia-thailand-join-railroad-networks-open-cross-border-bridge/ 
  24. ^ “引退のキハ183系、残り11両はカンボジアへ 函館港から15日輸出”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2024年4月11日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/999315/ 2024年4月12日閲覧。 ※会員記事のため、全文の閲覧は会員登録が必要
  25. ^ a b [1]
  26. ^ [2]
  27. ^ カンボジア国における物流の現況と課題” (PDF). JICA (2021年4月13日). 2023年1月20日閲覧。
  28. ^ カンボジア・インフラマップ(日本貿易振興機構プノンペン事務所)2012年3月 (PDF, 250.28 KiB)
  29. ^ a b Rail revival to replace bamboo trains”. レールウェイ・ガゼット・インターナショナル (2010年10月22日). 2010年10月23日閲覧。
  30. ^ カンボジアの投資環境” (PDF) (2010年5月24日). 2010年10月23日閲覧。
  1. ^ 完全に譲渡されたのかいわゆる又貸し状態になっているのかは不明。
  2. ^ 6343, 6428, 6535, 6546, 6561, 6633, 6635, 6657, 6663, 6697の10両[20]





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