エチレン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/18 07:03 UTC 版)
エチレン | |
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エテン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 74-85-1 |
KEGG | C06547 |
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特性 | |
化学式 | C2H4 |
モル質量 | 28.0 g mol-1 |
外観 | 無色気体(常温常圧) |
相対蒸気密度 | 0.98 |
融点 |
−169.2 °C, 104 K, -273 °F |
沸点 |
−104 °C, 169 K, -155 °F |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
構造
エチレンの炭素‐炭素間の二重結合はσ結合とπ結合からなる。sp2混成した電子が正面から結合し、σ結合を作る。また、混成していないp軌道の電子が側面から結合を作る事によって生じるのがπ結合である。σ結合は切れにくい強い結合であるのに対し、π結合は切れやすい結合である。エチレンは二重結合を持つので、エタンのように炭素鎖を回転をすることは出来ない。そのため、1,2-ジクロロエチレンなどのエチレン誘導体はシス-トランス異性体を生じうる。
エチレンは平面構造を取り、二つの炭素原子がsp2混成軌道を取るため、すべての結合角は約120゚である。
性質と反応
かすかに甘い臭気を有する無色の気体で、強力な酸化剤と反応しやすく、また引火しやすい。
チーグラー・ナッタ触媒で重合するとポリエチレンになる。反応性が高く、様々な化合物の原料として用いられている。例えばアセチレンはエチレンをハロゲンと反応させて1,2-ジハロエタンを作り、水酸化カリウムでハロエテン、水素化アルミニウムリチウムで還元して作られる。エタノールを 160–170 ℃ 程度で脱水して得ることも出来る(分子内脱水)。
水和
水和反応によりエタノールが生成されるが、高温高圧環境[2]が必要である。工業的な合成アルコール(エタノール)の生産方法のひとつである[3]。
- 直接水和法
- 間接水和法
工業的製法
工業的には、日本ではナフサを主とする炭化水素を水蒸気と混合して800-900℃程度の高温で熱分解し、生成物を蒸留分離してエチレンを生産する。この生産設備はエチレンプラントと呼ばれ、石油化学工場の中核設備である。
工業製品としてエチレンの2016年度日本国内生産量は 6,278,821 t、工業消費量は 1,344,762 t である[4]。
一方中東、アメリカでは天然ガスに含まれるエタンを熱分解する方法が進んでいる。
- ^ “ETHYLENE”. 2023年6月20日閲覧。
- ^ 久郷昌夫, 栗林浩、「エチレンの水和によるエタノールの合成に関する研究 冷エチレン注入式固定床反応器」 『化学工学』 1967 年 31 巻 9 号 p. 928-929,a1, doi:10.1252/kakoronbunshu1953.31.928, 化学工学会
- ^ 合成アルコールの製造方法 日本合成アルコール株式会社
- ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編
- ^ “高等学校の有機化学の誤りを正す アセチレンからエチレンへ”. 香川高等専門学校. 2022年12月19日閲覧。
- ^ 兵藤宏、「エチレン生合成の調節」『化学と生物』 1984年 22巻 5号 p.339-344, doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.22.339
- ^ a b 管野浩編 『雑学おもしろ事典』 p.32 日東書院 1991年
- ^ 地理 統計要覧 2014年版 ISBN 978-4-8176-0382-1 P,100
- ^ “エチレン生産設備、集約向け動く各社 人口減で需要低迷・中国では増強:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2024年6月18日閲覧。
エチレンと同じ種類の言葉
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