アルコPA アルコPAの概要

アルコPA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 00:46 UTC 版)

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アルコPA
基本情報
製造所 アメリカン・ロコモティブ (アルコ)
ゼネラル・エレクトリック
製造年 1946年 - 1953年
製造数 297両
主要諸元
軸配置 A1A-A1A
長さ 20.02 m
機関車重量 138.8 t
動力伝達方式 電気式
機関 ALCO244型 1基(V型16気筒4行程・175.051cc・1000rpm)
発電機 直流発電機
主電動機 直流電動機
最高速度 188 km/h
出力 2,000 - 2,250馬力
(1,490 - 1,680 kW)
引張力 226.86 kN
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外見は同時期に製造されたアルコFAとほぼ同様のキャブ・ユニットと呼ばれる箱形車体であり、片運転台のAユニット(PA)と運転台のないBユニット(PB)がある。デザインはGEのレイ・パテン(Ray Patten)による。

解説

正式なバリエーションは2つあり、出力2,000馬力(1,500kW)のPA-1/PB-1、同2,250馬力(1680kW)のPA-2/PB-2に分けられる。メーカーによる正式名称ではない俗称として、PA-2/PB-2のエンジンを2,400馬力(1,800kW)のものに換装したものをPA-3/PB-3と呼ぶことがある。PA-3/PB-3は、内的にはターボチャージャーを水冷化するなど原動機周辺に手を加え、外観では、運転室側窓に「アイ・ブロー」と呼ばれた飾り帯がないことと、ラジエターシャッター後部に舷窓があることが特徴である。

後期に製造されたPA-2は水冷ターボチャージャーを装備しているが、とくに独立した形式とはなっていない。代わりに、従来形式をメンテナンスする時等に、同様の装備になるように改造をしている。

本シリーズのバリエーションは以下の通りである。

形式 設計記号 搭載エンジン 出力(馬力) 両数 製造期間
PA-1 DL-304 244 2000 32 1946年6月 - 1948年12月
PB-1 DL-305 244 2000 18 1946年6月 - 1948年12月
PA-1 DL-304A 244 2000 58 1946年11月 - 1949年8月
PB-1 DL-305A 244 2000 19 1946年11月 - 1949年8月
PA-1 DL-304B 244 2000 77 1948年3月 - 1949年12月
PB-1 DL-305B 244 2000 4 1949年1月 - 1949年8月
PA-2 DL-304C 244 2250 54 1950年3月 - 1952年9月
PB-1 DL-305C 244 2250 5 1950年3月 - 1952年4月
PA-1 DL-304D 244 2250 27 1953年5月 - 1953年12月
PB-1 DL-305D 244 C 3 1953年5月

FAシリーズをPAシリーズとともに特徴づけるのは、長く直線的な前頭部に長方形のフィルターを備え、その中にヘッドライトを収めたスタイルである。スリット形状のグリル、運転席側窓から流線型に下部へとカーブした飾り帯も特徴的である。

PAシリーズも含め、デザインとしてはフェアバンクス・モースエリービルトの強い影響下にある。エリービルトはアルコのパートナーでもあるGEが製造したもので、前述のとおり、FAのデザインはそのGEのデザイナーであるレイ・パテンによる。そのため多くの人が、エリービルトのデザインから直線を強調し、より力強い外観にしたものがFAシリーズのデザインとなったと信じている。

本シリーズが搭載している244型ディーゼルエンジンは信頼性に欠け、FAとPAでGM-EMDが席巻しているディーゼル機関車市場に割り込むことができなかった。GEとの協業が終了したのも、エンジンの信頼性の低さが原因であった。アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(ATSF)に納めた3両(ロードナンバー51L、51A、51B)は1954年8月にEMD 567系エンジンに換装され、出力は1,750馬力(1305kW)となった[要出典]

PA-2・PB-2で採用された新型の251型エンジンは大きく進化しており信頼性も向上したが、時既に遅く、アルコが失ったシェアを奪い返すまでには至らなかった。251型エンジンが広く使用されるようになったころ、GEは自社で開発したU25Bでディーゼル機関車市場に乗り込んでいた。GEは機関車メーカーとしてアルコに取って代わり、アルコは1969年に市場から撤退することになった。

特記事項のある車両

PAシリーズの第一号は、アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(ATSF)の51号として納められた。この車両は、同時にアルコの製造番号75,000番の機関車でもあった。

PA-1はアメリカン・フリーダム・トレインを牽引した。この車両はアルコの所有で、ロードナンバーはアメリカ建国の年である1776とした。側面にはアメリカの国鳥であるのエンブレムが付けられている。製造は前述のATSF51号より11ヶ月遅いが、製造番号は74,696である。これはPAシリーズの第一号にキリのよい番号を付与した結果である。




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