アイルランド王立外科医学院
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アイルランド王立外科医学院 | |
---|---|
大学設置 | 1784年 |
創立 | 1446年 |
学校種別 | 私立 |
本部所在地 |
ダブリン2区セント・スティーブンス・グリーン公園 北緯53度20分20.27秒 西経6度15分42.53秒 / 北緯53.3389639度 西経6.2618139度座標: 北緯53度20分20.27秒 西経6度15分42.53秒 / 北緯53.3389639度 西経6.2618139度 |
キャンパス |
セント・スティーブンス・グリーン ヨーク通り |
学部 |
医学部 薬学部 理学療法学部 国際臨床薬学部 |
研究科 |
医学研究科 看護助産研究科 歯学研究科 スポーツ・運動医学研究科 放射線研究科 |
ウェブサイト |
rcsi |
本項では以下、アイルランド王立外科医学院を指して「RCSI」という表記に統一する。
概要
大学全体
RCSIは、アイルランド島全体で外科の診療科を担当する専門職協会と教育機関であり、2020年現在アイルランドで唯一の私立大学である[1]。私立大学とはいえ、他の国立大学と学費はほぼ変化しない[2]。また、アイルランド国立大学の「認可カレッジ(Recognised College)」である[3]。イギリスとアイルランドの4つの相互に認められた王立外科医学院の間であり、また60カ国から3,000人以上の学生と今ではアイルランド最大の医学部が組み込まれている。2019年からは大学として認可され、アイルランド初の私立大学となった。RCSIの本キャンパスはダブリンのセント・スティーブンス・グリーン公園にあり、1784年に王室の勅許を受けている。
名称
アイルランド王立外科医学院は歴史的経緯を踏まえ、イングランド王立外科医師会(日本語訳)との整合性を合わせて訳せば「アイルランド王立外科医師会付属外科学院」となる。
アイルランドはかつて大英帝国の一部だった歴史から、RCSIのように今でも「王立」を名乗る組織がある。実際RCSIは私立大学だが、アイルランド国立大学(NUI)により「NUI基準を満たしているRTCs」の一つと認定されている「認可カレッジ(Recognised College)」なので、「国立」の名称が誤って使われることがある。なお、認可カレッジの学位は、NUIから発行される[3]。現在は学生の75%は欧州連合外から来た学生(大半がマレーシアや北米)であり、60カ国に上る。
モットー
RCSIのモットーである 「Consilio Manuque(奨学金と器用さ)」は、フランスの外科医大学への敬意から採用されたものである[4][5]。フランスの王立外科医学院の前身であるサン・コートとサン・ダミアンの兄弟団にて使用されていた。
大学評価
大学評価の世界的指標の一つである、クアクアレリ・シモンズによる「QS世界大学ランキング 2021」(2020年)の医学ランキングでは世界第201~250位台である[6]。
また、タイムズ・ハイアー・エデュケーションの『THE世界大学ランキング 2020』(2019年)では、世界第201~250位台、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド国立大学ダブリン校)と並び国内第2位である。また、同年のインパクトランキングの「良好な健康と幸福」のカテゴリーで世界第1位である[7]。
入学試験
中央出願局(CAO)は、RCSIに代わり、アイルランド、イギリス、欧州連合および欧州自由貿易連合の学部課程の出願を担当している。学部課程への入学の決定は、CAOに合格受験者に通知を出すよう指示するRCSIによって行われている。大学への入学は専ら学力に基づいている。大学には最低限の入学要件があり、英語またはアイルランド語の合格最低点と数学の合格最低点が必要である。数学の高レベル試験で40%を超えると総合点数に25点加算される[8]。また、医学部では卒業試験のほか、保健師入学試験(HPAT)を受ける必要がある[9]。
また、個々の学部にはさらに入学要件があり、一定の総合点数(625満点中)を超える必要がある。例えば、2019年の薬学部は、合格最低総合点数は555点である[10]。アイルランドのリービング・サーティフィケートのみならず、イギリスの一般教育修了上級レベル、フランスのバカロレアなどの欧州連合の試験や国際バカロレアなどでも出願はできる[11]。欧州連合の国民または居住者ではない出願者には、異なる出願手順が適用される。
大学院への入学は、RCSIが直接担当する。
日本を含む欧州外の入学基準
国際バカロレア、一般教育修了上級レベルなどの受験者で最低入学条件を満たすならば、直接入学できる。ただし、入学を保証するものではなく、優れた試験結果を保有している受験者を順に定員を埋める。また、上記以外であればパスウェイプログラム(進学準備コース)も用意されている[12]。
沿革
ギルド
中世以来、外科手術は理容師 - 外科医のギルド(当時は聖マグダラのマリアのギルドとしても知られていた)によって許可されていた。ギルドの礼拝堂は、キリスト教会大聖堂にあった。3年間の徒弟と2年間の修士によって得られていた。実際には、外科医学院は1828年まで資格を持った外科医への見習いの義務期間を維持していた。
1446年には、ヘンリー6世の勅令により聖メアリー・マグデレーヌのギルドが法人化され、イギリスやアイルランドで最初の医療法人となった[13]。
外科医学院へ向けて
1765年にリムリック出身の外科医シルベスター・オハロランは、1255年にルイ9世の王室憲章によって創設された外科医の養成と規制を目的として、フランスの外科医を規制していたパリの聖コスメカレッジに倣い、外科医学院を設立することを提案した[15]。ダブリン外科医協会は、1780年にエセックス通り(現在のパーラメント通り)のエレファント・パブリック・ハウスで設立された。ダブリン大学トリニティ・カレッジでは1847年まで外科を教えていなかったため、アイルランドには外科に特化した学校が全くなかった[16]。
標準化された外科教育を提供することに重点を置いた独立した組織を持つことが、この協会の目標の一つとなり、王立憲章を求め、1781年には理容師とは別に法人化されるようにとの嘆願書をアイルランド総督に提出した。待ちに待った憲章は、1784年2月11日にジョージ3世によって承認された。初代学長のサミュエル・クロッカー・キングと初代外科教授のウィリアム・ディーズを含む統治体は、3月2日にロタンダ病院の役員室で初めて会合を開いた。当時から入学や雇用が宗派的な理由で差別されていなかった。創設者であるシルベスター・オハロランとウィリアム・ディースの2人と、最初の57人の学長のうち11人はカトリック教徒だった。1856年からカトリック大学が授与している医学資格も認めており、それが卒業証書に正当性を与えていた。最初の受験は、1784年8月だった[5]。
ヨーク通り
ヨーク通りの角にある現在の場所は、1805年9月に買収され、1809年にはグラバーズ横丁の土地が追加で購入された。以前はクエーカーの埋葬地として使われていた。1810年3月に完成した[5]。
1844年にヴィクトリア女王によって補足的な憲章が与えられ、医学生は開業資格者とフェローに分けられた。当初、医師は外科医と並んで訓練を受けた。1886年に統合され、医学部が設置された。この歴史の結果、医学部の卒業生は、現在でも2つの王立学院から開業資格を授与されているほか、アイルランド国立大学から医学学士、産科学士の学位を授与されている[5]。
20世紀
1916年のイースター蜂起の間、セント・スティーブンス・グリーン公園の本キャンパスは、マイケル・マリンとコンスタンツ・マルキエビッチに率いられたアイルランド市民軍に占領された。降伏した後、二人は裁判にかけられ、死刑を宣告された。マリンは処刑されたが、マルキエビッチは女性だったために減刑された。
RCSIは4年間の大学院入学を提供する最初の医学校だった。現在は廃止されている科目は次の通り:論理学(1852年 - 1862年)、軍事外科(1851年 - 1860年)、植物学(1792年 - 1889年)、衛生学または政治医学(1841年 - 1921年、その後、医療法学と統合)。
1980年代以降、ダブリンのボーモント病院は、医療訓練のための本大学病院としている。他の付属病院には、コノリー病院、王立ビクトリア眼科耳鼻咽喉科病院[17]、セント・ジョセフ病院などの大学病院があり、現在では保健サービス委員会(HSE)の病院管理機構の中にRCSI病院グループがある[18]。
21世紀
2007年にRCSIは、ヘルスケアにおける個人の生活の質の測定について、日本で3回講演会を行った。東京大学、京都大学、新潟大学で開催され、それぞれ主要な学術・医療機関から80名の参加者が集まった。日本国政府の資金援助を受けて、国立病院機構新潟病院の院長および神経内科の中島孝が企画したものである[19][20]。
2010年には、アイリス・マクガバンがRCSIの学長になり、王立医学院で世界初の女性学長となった[21][22]。
2017年、RCSIは本キャンパスにハイテク施設を開館した。ヨーロッパで最も先進的な臨床医療シミュレーションセンターとされている[23]。2018年のアイルランド建築賞(RIAI)でアイルランドの最も評価されている建物に選ばれた[24]。
2019年の資格・質保証(教育)(修正)法により、RCSIはアイルランド初の私立大学として認可された[1]。これにより、アイルランドで私立大学の設立が可能になった[25]。
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- 1 アイルランド王立外科医学院とは
- 2 アイルランド王立外科医学院の概要
- 3 キャンパス
- 4 学生生活
- 5 参考文献
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