やじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 06:28 UTC 版)
スポーツにおけるやじ
2013年1月3日、イタリア北部で行われたサッカー親善試合で、黒人選手ケヴィン=プリンス・ボアテングに対し相手チーム側スタンドの若者グループが人種差別的なやじを飛ばした。ボアテングはこれに腹を立て試合を途中放棄、チームメートも同調して退場した。検察当局は、人種的憎悪を扇動した容疑で若者グループの刑事訴追手続きを進めることとした。イタリア・サッカー連盟は、独自調査を実施すると発表した[25]。
日本では、コロナ禍明けで野球試合観戦でも声出し解禁された。阪神タイガースの試合では誹謗中傷ヤジや侮辱的替え歌が問題になっている[9]。落合博満は、昔はユーモアあるヤジが結構あったこと、昔も一般人によるヤジはキツい内容だったこと、観戦客同士が警察沙汰なっていたことなどを振りかえっている[26]。
舞台芸術におけるやじ
オペラでは、アリアの後に拍手や歓呼を受ける場合があるものの、演奏や演技の進行中に観客が声や音を発することは基本的に許されない[27]。
2006年12月10日、ミラノ・スカラ座でジュゼッペ・ヴェルディ作『アイーダ』の公演中、主演テノール歌手ロベルト・アラーニャが最初のアリアを終えると、天井桟敷席から「恥を知れ」といったやじが飛び始めた。アラーニャはこれに憤り、本番中にもかかわらず、こぶしを振り上げ舞台袖に姿を消してしまった。すぐにジーンズ姿の代役が登場し歌い始めたが、スカラ座で歌手が公演を途中で放棄した初めてのできごととなった[28]。
歌舞伎の上演中の掛け声「大向う」は、日本伝統芸能独特の風習であるが、練達が求められ、他の観客にやじや雑音と思われるようなものは歓迎されない[27]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d 闘いかたの流儀: 野坂昭如政治白書 - 33ページ 野坂昭如 1984
- ^ a b “「野次」と「罵声」の違い”. Mainichi Daily News. (2014年7月28日) 2020年9月1日閲覧。
- ^ や‐じ【野次/弥次】 デジタル大辞泉
- ^ やじ・る【野次る/弥次る】 デジタル大辞泉
- ^ a b c “怒号と罵声で荒れる通常国会”. EnterpriseZine. 2022年6月12日閲覧。
- ^ “大観小観 2022年6月15日(水)”. 伊勢新聞 (2022年6月15日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ 「田中角栄の「経営術教科書」」,小林吉弥, 2016年8月8日,主婦の友社
- ^ 「政界往来 第31巻第5-8号」p157,1965年,政界往来社
- ^ a b “阪神 声出し応援解禁早々 異例の注意喚起「『誹謗中傷ヤジ』、『侮辱的な替え歌』は絶対にお止め頂きますようお願いいたします」”. デイリースポーツ online (2023年12月9日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ “首相のヤジ―敵意むき出し華もなし”. 朝日新聞 (2015年2月22日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ “三木武吉、執念の新党結成構想”. 朝日新聞デジタル. 2023年12月9日閲覧。
- ^ “都議よりさらに酷い国会議員のお下劣ヤジ”. フライデー (2014年7月8日). 2016年4月10日閲覧。
- ^ 『三宅久之の書けなかった特ダネ 昭和?平成政治、25の真実』p181-183
- ^ “オバマ大統領にやじの共和党議員にけん責決議、米下院”. AFP (2009年9月16日). 2015年2月23日閲覧。
- ^ “松本内閣府副大臣が辞表=本会議場のやじに批判”. 時事通信 (2018年1月26日). 2018年1月26日閲覧。
- ^ “副大臣「何人死んだ」米軍事故 志位質問に暴言ヤジ”. しんぶん赤旗 (2018年1月26日). 2018年1月26日閲覧。
- ^ “「日教組!」安倍首相が突然ヤジ 衆院予算委、自民委員長も困惑”. withnews (2015年2月19日). 2015年2月23日閲覧。
- ^ “民主議員へのヤジ理由、首相「正確性欠く」と訂正”. TBSニュース (2015年2月23日). 2015年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月23日閲覧。
- ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2019年7月13日). “首相演説で妨害相次ぐ 聴衆に被害 公選法に抵触も”. 産経ニュース. 2022年7月10日閲覧。
- ^ 地方選挙の記錄 p10.東京都選挙管理委員会 - 1975
- ^ a b c d e “演説にヤジ・抗議だめ? 「聞く権利をふみにじる」「有権者による意思表示」”. 朝日新聞デジタル. 2022年6月12日閲覧。
- ^ “「戦う政治家」安倍氏の首相退任後も中傷続々…批判が先鋭化・演説を妨害”. 読売新聞オンライン (2022年7月9日). 2022年7月10日閲覧。
- ^ “「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁”. 産経新聞. (2023年6月22日) 2023年6月22日閲覧。
- ^ “ヤジ排除訴訟、二審も北海道に賠償命令 原告1人の請求は棄却”. 朝日新聞. (2023年6月22日) 2023年6月22日閲覧。
- ^ 「イタリア:サッカー選手に人種差別的やじ 非難の声広がる」『毎日新聞』2013年1月6日
- ^ “落合博満氏、現役時代の「ヤジ」について振り返る「結構ユーモアがあって」も移籍時には「きついヤジ多かった」”. スポーツ報知 (2023年10月8日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ a b “歌舞伎の掛け声「大向こう」、飛び入りしていい?”. 日本経済新聞 (2013年2月9日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ 「ヤジに怒った主演歌手、ミラノ『スカラ座』を途中退場」『読売新聞』2006年12月12日
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