Ω Ωの概要

Ω

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 12:44 UTC 版)

ギリシア文字
Αα アルファ Νν ニュー
Ββ ベータ Ξξ クサイ
Γγ ガンマ Οο オミクロン
Δδ デルタ Ππ パイ
Εε エプシロン Ρρ ロー
Ζζ ゼータ Σσς シグマ
Ηη イータ Ττ タウ
Θθ シータ Υυ ウプシロン
Ιι イオタ Φφ ファイ
Κκ カッパ Χχ カイ
Λλ ラムダ Ψψ プサイ
Μμ ミュー Ωω オメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

キリル文字Ѡ(現在は使われていない)はこの文字を起源とする。また、「⍜」(Οの下に横棒)という書体もよく使われる。

起源

この文字はフェニキア文字には由来せず、長く広い円唇後舌半広母音/ɔː/を表すために考案された。古い時代にはこの音は短母音とおなじくο(オミクロン)によって表されていたが[1]、東イオニア地方では短い「ε」と長い「η」を区別したのにならって、後に長母音のための専用の文字を作った。文字の字形は「Ο」の変形により、地方によっては「」のように書かれた[2]。イオニア式アルファベットは紀元前5世紀以降にギリシア世界全体の標準として使われるようになった。

古代での文字名称は単に(オー)と言ったが、西暦2-3世紀に母音の長短の区別が失われると、短い「Ο」と長い「Ω」を区別するため、前者を「小さなオ」(ὂ μικρόν) すなわち「オミクロン」、後者を「大きなオ」(ὦ μέγα) すなわち「オメガ」と呼んで区別した[3]

文法書によってはこの文字の発音を「オーメガ」とするものもあるが、歴史的経緯を考えれば適切とはいえない[4]

象徴としての用法

最後の文字であることから最終・究極の意味で用いられる。

  • アルファからオメガまで(最初から最後まで)
  • 「私はアルファでありオメガである」は、新約聖書ヨハネの黙示録第22章13節の言葉。これはヨハネに世界終末の光景を幻視させた存在の表明である。一般的な解釈はギリシャアルファベットの最初と最後から、私は(森羅万象総ての)始まりと終わりであると言い換えれる。これは暗に私は総てを始め、終えることの出来る神であるとの表明と捉えられている。

記号としての用法


  1. ^ Allen (1987) p.79
  2. ^ Allen (1987) p.90
  3. ^ Allen (1987) pp.172-173
  4. ^ 田中利光『新ギリシャ語入門』大修館書店、1994年9月、p.5。ISBN 4-469-21191-5


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