競争排除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 01:56 UTC 版)
棲み分けは微小な環境差を使い分けることで2種が共存する仕組みであるが、共存するためにはそのような環境の差が存在する必要があるとも見える。逆に、共存しているよく似た2種は、環境に対する要求に何らかの差を持っているはずだとも言える。 一般に同じ資源(餌や営巣のための場所など)を必要とする生物同士は、一か所に長期間共存することはできないと言われる。1つのニッチを複数の種が共有することはできないため、その環境によって適応した種が生存し、環境への適応という点で劣る種は排除されてゆく。この過程ないし現象を競争排除といい、競争排除が起こるメカニズムのことを競争排除則(ガウゼの法則)という。 この現象が進行する様子は、具体的には帰化生物が進入した場合に見られる。 通常、ある生態系の中の構成員は、長い年月を経る間にそのあたりの調節が働いて(うまく行かなかった種は絶滅したはず)、現在見るものはそれぞれが異なったニッチを占めており、安定した状態にあると考えられる。しかし、外部からある生物が持ち込まれた場合、多くはその生物が進入しようとするニッチにすでに住んでいる在来種との間で衝突が起きる。よそから入ったものの方が強く(適応度が高く)生息域を広げると、在来種が圧迫されてゆくのがはっきり分かることが多い。 このような競争の結果、餌の食い分けや棲み分けが起こって両者の共存(ニッチ分化)が可能になることもある。たとえば、北アメリカに生息するアメリカザリガニ(Orconectes属)のO. immunisとO.virilisは、それぞれ単独で生息する環境では両者とも川底に石が多い環境を好むが、両者が同所的に生息している場合はO. immunisが泥底に生息場所を移すことで共存を実現している。 また、昼行性のワシ・タカと夜行性のフクロウは共通の餌を昼と夜で食い分けることにより、共存を実現している。すなわち、時間的なニッチにおいて棲み分けがなされているのである。 しかし、在来種が絶滅する可能性が常にあり、これを予測することは困難であるため、生態系や種の保全という観点からは外来生物の侵入は防ぐべきであるとされる。
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