新羅楽とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 新羅楽の意味・解説 

しらぎ‐がく【羅楽】

読み方:しらぎがく

三韓楽の一。上代新羅から日本に伝来した楽舞楽器新羅琴・笛などを用いたが、平安時代高麗楽(こまがく)に編入された。


新羅楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/20 01:44 UTC 版)

新羅楽(しらぎがく)は、中国大陸から伝来したもののうち、朝鮮新羅を経由して日本に伝わった雅楽である。当初は、新羅楽、百済楽などのように、細かく分かれていたが、その後、大陸から伝来したもののうち、朝鮮を経由してきたもの、およびそのスタイルにならって日本で新作された雅楽の総称「高麗楽」としてまとめられた[1]

歴史

「新羅楽」という言葉自体が登場するのは、『日本書紀』の天武天皇12年(683年)1月の以下である[2]

是の日に、小墾田儛(をはりだのまひ)及び高麗(こま)百済・新羅、三国(みつのくに)の楽(うたまひ)を庭(おほば)の中に奏(つかへまつ)る。

『日本書紀』の允恭天皇42年(推定453年)1月、天皇の崩御の際に、新羅の王が知らせを聞いて驚き愁いて、調の船多数と様々な楽人を貢上した、難波津に到着した際には、素服を着て、御調を捧げて、種々の楽器を備えて、難波から京に至るまでに慟哭し、舞って歌ったりした[3]

新羅琴横笛(新羅笛)などの楽器を使用したもので、正倉院御物の中に、新羅琴とその琴柱が保存されている。

楽師の数は職員令17では4人、『令集解』に引用されている雅楽大属尾張浄足説では、儛師・琴師各1名ずつ、令集解所収の職員令17の弘仁10年12月21日(ユリウス暦819年1月11日)の太政官符によると、各1名ずつに減らされたという。『類聚三代格』所収の斉衡2年12月21日(ユリウス暦856年2月1日)の太政官符では、儛師を停止し、かわりに五節儛師が設置されている[4]

続日本紀』によると、天平3年(731年)6月に「雅楽寮の雑楽生の員を定む」とあり、これにより楽生の数が決められている。それによると、新羅楽は4人であるが[5]、養老令では20人となっている。その内訳は嘉祥元年(848年)9月の格では琴生・儛生各10人。同年のうちにこれを各2人ずつとしている[4]

天平12年(744年)12月には聖武天皇美濃国不破郡の不破頓宮に行幸しており、帰りに美濃国府に立ち寄っているが、そこで夕方に飛騨楽と新羅楽を演奏させた、とある[6]。『続日本紀』には、霊亀元年7月に新羅人74家を美濃国に移籍し、席田郡を建てたともあり[7]、美濃国には新羅人が多く居住していたからである。

新羅楽は、平安時代には高麗楽百済楽とともに、左右両部制の右方高麗楽に吸収され、新羅琴・新羅笛などの楽器もやがて廃れた。

脚注

  1. ^ マイペディア高麗楽』 - コトバンク
  2. ^ 『日本書紀』巻第二十九・天武天皇下・十二年正月十八日条
  3. ^ 『日本書紀』巻第十三・允恭天皇四十二年正月十四日条
  4. ^ a b 『続日本紀 2』岩波書店〈新日本古典文学大系13〉、1990年、548頁。 
  5. ^ 『続日本紀』巻第十一・聖武天皇・天平三年六月二十九日条
  6. ^ 『続日本紀』巻第十三・聖武天皇・天平十二年十二月四日条
  7. ^ 『続日本紀』巻第六・元明天皇・霊亀十二年七月二十七日条

参考文献

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「新羅楽」の関連用語

1
楽生 デジタル大辞泉
92% |||||

2
新羅琴 デジタル大辞泉
72% |||||


4
12% |||||

5
12% |||||

6
12% |||||

7
10% |||||

8
10% |||||

9
10% |||||

10
8% |||||

新羅楽のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



新羅楽のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの新羅楽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS