偏相関係数の検定
例題:
「標本の大きさが 24 で,3 個の変数を固定したとき,変数 X と変数 Y の偏相関係数は 0.263 であった。母偏相関係数が 0 であるかどうか検定しなさい。」
検定手順:
以下の検定は,ピアソンの積率相関係数に基づく偏相関係数,および,スピアマンの順位相関係数に基づく偏順位相関係数の場合に適用できる。
ケンドールの順位相関係数に基づく偏順位相関係数については,その標本分布が明らかになっていないので,検定はできない。
- 前提
- 標本の大きさ(データの組数)を n,固定する変数の個数を q,標本偏相関係数を r(xy)q とする(このような偏相関係数を「q 次のオーダーの偏相関係数」という)。
例題では,n = 24,q = 3,r(xy)q = 0.263 である。
- 次式で検定統計量 t0 を計算する。
例題では,t0 = 1.18822074 となる。
- t0 は,自由度が n - q - 2 の t 分布に従う。
例題では,自由度は 19 になる。
- 有意確率を P = Pr{|t|≧ t0}とする。
t 分布表,またはt 分布の両側確率の計算を参照すること。
例題では,自由度 19 の t 分布において,Pr{|t|≧ 2.093}= 0.05 であるから,P = Pr{|t|≧ 1.18822074}> 0.05 である(正確な有意確率:P = 0.24938747)。
- 帰無仮説の採否を決める。
例題では,有意水準 5% で検定を行うとすれば(α = 0.05),P > α であるから,帰無仮説を採択する。すなわち,「母偏相関係数が 0 ででないとはいえない」。
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