バイオアベイラビリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/16 14:48 UTC 版)
バイオアベイラビリティ(英: bioavailability)または生物学的利用能(せいぶつがくてきりようのう)もしくは生体利用率とは、薬剤学において、服用した薬物が全身循環に到達する割合をあらわす定数である。定義上、薬物が静脈内に投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%となる。一方、薬物がそれ以外の経路(例えば経口摂取)により投与される場合は、全身循環に到達するまでに不十分な吸収と初回通過効果を受けるため、そのバイオアベイラビリティは減少する事になる。静脈内投与以外の経路で投与する際、投薬量の計算にバイオアベイラビリティを考慮する必要がある事から、バイオアベイラビリティは薬物動態学において必須のツールである。
定義
薬理学
薬理学においてバイオアベイラビリティF は、投与された薬物量 DOSE のうち、未変化体のまま全身循環に到達した薬物量 XB の割合で示される[1]。
バイオアベイラビリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)
「薬物動態学」の記事における「バイオアベイラビリティ」の解説
薬物の吸収の指標としてはバイオアベイラビリティ(bioavailability)が知られている。血管外に投与された薬物はいったん全身循環血中に入り作用部位に到達する。そのため、循環血中の薬物濃度(血中薬物濃度)が薬物の作用を反映すると考えられる。血管外に投与された薬物は吸収されて血中に入るが、投与された薬物の全てが血中に入るわけではないことから、投与された薬物のどのくらいの割合が全身循環血中に到達したかが、薬物の効果を考える上で重要となる。この血管外投与された薬物が全身循環血中に入る割合をバイオアベイラビリティ(生体内利用率)という。静脈注射した場合、定義上バイオアベイラビリティは1になる。 またバイオアベイラビリティは生物学的同等性を示す時に用いられることがある。2つの医薬品が同等であると確認する方法のひとつは2つの医薬品の有効性や安全性を確かめることである。このことを治療学的同等性という。もう一つの同等性を確認する方法は2つの医薬品間でバイオアベイラビリティの量と速度が等しい場合に「生物学的同等性を示している」という。生物学的同等性が得られていれば新規医薬品の有効性や安全性は新たに臨床試験を実施しなくとも、「既存の医薬品と治療学的に同等であるとみなすことができる」と考えることが科学的かつ合理的であるとされている。既存製剤の処方や含量を変更する場合、剤形を変更する場合、後発医薬品などについて生物学的同等性試験についてガイドラインが出されている。
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「バイオアベイラビリティ」の例文・使い方・用例・文例
- バイオアベイラビリティーは薬の開発で用いられる用語である。
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