MVNO(仮想移動体通信事業者)
自前の携帯電話網をもたず、他社の回線を借りて携帯電話サービスを提供する事業者のことをMVNO(仮想移動体通信事業者)といいます。Mobile Virtual Network Operatorの略称です。事実上の3社寡占状態になっている携帯電話市場を活性化するため、総務省が参入促進を強力に後押しする姿勢を鮮明にしたことや、13年ぶりに携帯電話市場に新規参入したイー・モバイルがMVNOとの連携重視の戦略を打ち出したことで、流れは加速される方向にあります。
ここへきてMVNOの参入は相次いでいます。NECビッグローブやニフティなどISP(インターネット・サービス・プロバイダー)大手5社は、イー・モバイルの実質親会社であるイー・アクセスと「MVNOコンソーシアム」を結成。トップバッターとして、ビッグローブが12月13日から携帯電話サービスに参入しました。
ウォルト・ディズニー・ジャパンとソフトバンクモバイルによるMVNO連携からも目が離せません。ウォルト・ディズニー・ジャパンは2008年春の商用化を目指し、独自の携帯電話端末の開発やディズニーならではのコンテンツの提供を検討しています。インターネットイニシアティブ(IIJ)もNTTドコモと提携して08年初頭から法人向けに携帯電話サービスを始める準備を進めています。
MVNOの参入を促進することは、地域特性にあった多様な携帯電話サービスを可能にすることにもなります。各地に「おらがまち」のMVNOが誕生し、固有のコンテンツを提供できれば、きめ細かな住民サービスや災害・観光情報などの提供が可能になるかもしれません。地方分権や地域再生の流れにも沿ったものといえます。
ただ参入促進はそう容易ではなさそうです。MVNOへの新規参入が活発化すると、回線の逼迫状態が強まり、サービスの品質に問題が生じかねないからです。このため回線を保有する携帯電話事業者からは、回線の貸与に慎重な声も聞かれます。
(掲載日:2007/12/13)
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