mtDNAの塩基対数と形状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:24 UTC 版)
「ミトコンドリア」の記事における「mtDNAの塩基対数と形状」の解説
最も小さなmtDNAを持つ生物はアピコンプレックス門の原虫で、大きさわずか6 kbの線状ゲノムである。電子伝達系に関わる3つのタンパク質遺伝子と、断片化されたリボソームRNA遺伝子群のみが存在している。逆に最も大きなmtDNAは、マスクメロンの持つ2400 kbという巨大なゲノムである。ただし遺伝子数は比較的多いものの、それでも100弱に過ぎず、大量の反復配列やグループ2イントロンなどの非遺伝子領域が大部分を占める。 ヒトを含む多細胞動物のmtDNAはいずれも比較的似通っており、長さ16 kb前後の単一の環状DNAで構成されている。遺伝子は37あり、その内訳は、呼吸鎖複合体とATP合成酵素のサブユニットが13、tRNAが22、rRNAが2である。 遺伝子地図などでは、mtDNAが環状に表現される事例が多い。しかし物理的に環状のmtDNAを持つ生物はごく一部に限られ、多くの生物では環状の基本構造からトイレットペーパーを引き出すかのように連続的に複製されており、その結果mtDNAの大部分は、基本単位が何度も繰り返す線状反復構造を有している。また少数派ではあるものの、常に線状のmtDNAを持つ生物も存在している。
※この「mtDNAの塩基対数と形状」の解説は、「ミトコンドリア」の解説の一部です。
「mtDNAの塩基対数と形状」を含む「ミトコンドリア」の記事については、「ミトコンドリア」の概要を参照ください。
- mtDNAの塩基対数と形状のページへのリンク