摩擦抵抗
流れのなかにある物体の表面と流体の間に生じる、摩擦応力の流れの方向への成分の総和。粘性のある流体が運動するとき、物体の表面と流体の間の境界層に速度勾配が発生し、運動量の損失に伴い、単位面積当たり、粘性率と速度勾配の積に比例する摩擦力が生じる。レイノルズ数が増加して境界層内の流れが層流から乱流に変わると、速度勾配が大きくなり摩擦抵抗も増大する。空気や水などの流体が管内を流れるときも同様で、管壁との間に形成される速度勾配によって摩擦抵抗が生じる。
参照 境界層、圧力抵抗摩擦抵抗
流体中を運動する物体または、流れのなかに置かれた物体に働く抵抗のうち、物体表面の摩擦応力の合力として得られる抵抗力をいう。物体が粘性をもつため粘性抵抗ともいう。遅い流れでは、摩擦抵抗は圧力抵抗と同じ大きさで、摩擦抵抗と圧力抵抗は流体の流速に比例する。また流体の大きい流れでは、普通の物体では圧力抵抗に比較して摩擦抵抗は非常に小さい。流線形の物体では抵抗はほとんど摩擦抵抗だけである。とくに流体との境界層が層流の場合は、乱流の場合と比較して抵抗は小さい。
まさつていこう 摩擦抵抗 frictional resistance
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