クラミジア【(ラテン)Chlamydia】
クラミジア[Chlamydia]
1)核酸としてDNAとRNAの両方を持つ、
2)細胞壁を持つ、
3)二分裂によって増殖する、
4)化学療法剤に感受性を持つなどからリケッチアと共に細菌に分離される微生物である。
一方で、5)生きている細胞の中でなければ増殖できないという ウイルスに近い性質も持っている。
ヒトに病原性のあるクラミジアは現在次の3群に分類される。
Ⅰ:トラコーマ・クラミジア(C. trachomatis);トラコーマや非りん菌性尿道炎、封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫症などを起こす、
Ⅱ:オウム病クラミジア(C. psittaci);オウム病を起こす、
Ⅲ:肺炎クラミジア(C. pneumoniae);肺炎様の急性呼吸器感染症や中耳炎などを起こす。
性器クラミジア感染症
(chlamydia から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/16 03:41 UTC 版)
性器クラミジア感染症(せいきクラミジアかんせんしょう)は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の一種により生じる性感染症 (STD)。性器クラミジアでは男性では尿道に膿みや性器の痒みや痛みを生じるものの、5割無症状又は軽度で感染を拡大させることがある。女性ではおりものが増えたり、性器から異臭がするくらいで8割は本人的に無症状に感じることもあり無自覚で感染させる。咽喉への感染(喉クラミジア)では、喉が痛くなり痰が増えたりするが無症状の場合もある。クラミジアは無症状や苦痛が淋病など他の性病に比べると軽いために治療せずに放置する者もいるが、男女とも不妊、男性は排尿痛や膿又は尿道分泌液、女性は子宮頸管炎・子宮内膜症の原因となったりする。性病で最も感染者が多く、二番目に多く症状が似ているが重いことで知られる淋病と並び、知名度のある性感染症である、[1][2][3]。感染経路は、キス、コンドームを用いないオーラルセックス又はアナルセックスを含む互いの粘膜が触れる性行為の他、クラミジアに感染している母親からの母子感染もある。治療にはクラミジアに有効な抗生物質を、駆除に必要な量、日数で用いられる。2012年から日本でも検査が可能になったため、知名度は低いが、クラミジア又は淋病と似た症状なのに陰性の場合は、クラミジアと判別困難であるマイコプラズマ又はウレアプラズマ(性器又はのどに感染し、潜伏期間は1〜5週間)の可能性が高い。こちらも放っておくと悪化、炎症を起こし、不妊の原因もなる[2][4][5][6]。
- ^ “性器クラミジア感染症について - 保健福祉部感染症対策局感染症対策課”. www.pref.hokkaido.lg.jp. 2022年1月14日閲覧。
- ^ a b “淋菌感染症(淋病)、クラミジア感染症、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症について | みうら泌尿器科クリニック”. muc-kobe.jp. 2022年1月14日閲覧。
- ^ 性感染症 診断・治療ガイドライン 2016, p. 51.
- ^ “マイコプラズマ・ウレアプラズマについて|性病専門のあおぞらクリニック新橋院・新宿院”. 2022年1月14日閲覧。
- ^ “マイコプラズマ・ウレアプラズマ|東京・銀座の性感染症内科|銀座ヒカリクリニック”. www.ginza-hikari.jp. 2022年1月14日閲覧。
- ^ “マイコプラズマ/ウレアプラズマ|山の手クリニック”. 山の手クリニック. 2022年1月14日閲覧。
- ^ a b 今井博久、高校生のクラミジア感染症の蔓延状況と予防対策 日化療会誌 55 (2): 135-142, 2007
- ^ a b c d 全国の妊婦32.6万例の大規模調査で判明 妊婦の2.4%に性器クラミジア感染症 日経メディカルオンライン 記事:2015年4月13日 閲覧:2015年9月15日
- ^ 全国の都道府県別流行状況(性器クラミジア感染症) 広島市 健康福祉局 衛生研究所
- ^ 熊本悦明、南邦宏、若者を性感染症から守る 若い女性における性感染症の大流行―クラミジア感染症を中心に 公衆衛生 72巻 6号(2007) pp. 436-443
- ^ 緑川昌子ほか、クラミジア直腸炎の1例 消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy Vol.42 (1993) p.289-292
- ^ 尾崎慎治ほか、クラミジア感染による急性腹膜炎5例 日本臨床外科学会雑誌 Vol.63 (2002) No.3 P737-741
- ^ 永松健ほか、近年の子宮外妊娠の原因疾患としてのクラミジア感染について 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 Vol.17 (2001) No.2 P31-34
- ^ 徳田倫章ほか、男性不妊症におけるクラミジア感染症 血清抗クラミジア抗体検査の有用性 日本泌尿器科学会雑誌 Vol.90 (1999) No.6 P608-613
- ^ 性感染症 診断・治療ガイドライン 2016, p. 91.
- ^ HIV・性感染症に関する検査・相談のための保健所マップ(東京都保健福祉局)
- ^ 性感染症 診断・治療ガイドライン 2016, p. 61.
- ^ 性感染症 診断・治療ガイドライン 2016, p. 37.
- 1 性器クラミジア感染症とは
- 2 性器クラミジア感染症の概要
- 3 治療
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