VMware ESXi
VMware ESXiとは、コンピュータの仮想化を実現する「VMware」シリーズのソフトウェアのうち、仮想化OS(ハイパーバイザ)として提供されている「VMware ESX」の無償版製品の名称である。
VMware ESXiは、有償製品であるVMware ESXから、サービスコンソールと呼ばれる管理用の環境を取り除いた簡易版の製品となっている。サービスコンソールが除かれたことでソフトウェアのサイズは大幅に削減されており、また、機能がシンプルな分だけセキュリティ性能も優れているとされる。
VMware ESXiは無償で提供されているが、60日を超えて利用する場合はユーザー登録を行う必要がある。
参照リンク
VMware vSphere Hypervisor (ESXi) - (VMware)
| 仮想化技術: | ハイパーバイザ VMware VMware ESX VMware ESXi VMware vSphere |
| 技術・開発: | ホストOS フェアシェアスケジューリング |
VMware ESXi
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/06 22:15 UTC 版)
| 開発者 | VMware (2023年11月以降はブロードコム) |
|---|---|
| 初版 | 2001年(ESX Server)[1] |
| 最新安定版 | ESXi 8.0 Update 3k(Build 25595708) ESX 9.1.0.0200(9.1の更新版・Build 25557999) / 2026年7月29日(8.0 Update 3k) 2026年7月13日(ESX 9.1.0.0200)[2] |
| プラットフォーム | x86-64[3] |
| カーネル種別 | VMkernel(独自カーネル)[4] |
| ライセンス | プロプライエタリ |
| ウェブサイト | www |
VMware ESXi(ヴイエムウェア・イーエスエックスアイ)は、VMwareが開発した、1台の物理サーバの上で複数の仮想的なコンピュータ(仮想マシン)を同時に動かすための基盤ソフトウェアである。1台のサーバに何台分ものサーバの役割を持たせられるため、サーバの台数や電力を抑えられる[5]。このような役割のソフトウェアをハイパーバイザと呼ぶ。ESXiは、オペレーティングシステム(OS)の上で動くアプリケーションではない。サーバのハードウェアに直接インストールして動かす「ベアメタル型」のハイパーバイザである[5][1]。それぞれの仮想マシンの中では、WindowsやLinuxなどのOSが独立して動作する[5]。
2001年に「ESX Server」として登場した[1]。2007年には、管理用のOS(サービスコンソール)を取り除いて軽量化した「ESX Server 3i」が発表され、同年12月に「ESXi」の名称になった[6][7]。以後、サービスコンソールを持つ従来型のESXとESXiが並行して提供されたが、2011年のバージョン5.0からはESXiだけになった[8][2]。ESXiはサーバ仮想化製品群「VMware vSphere」の中核であり、ESXiをインストールした複数のサーバ(ESXiホスト)をまとめて管理するvCenter Serverと組み合わせて使われることが多い[9]。2023年11月にVMwareがブロードコムの傘下に入った後は、統合基盤「VMware Cloud Foundation」(VCF)と「VMware vSphere Foundation」(VVF)の構成要素として提供されている[10][11]。VCFはvSphereにvSANやNSXなどを組み合わせた製品、VVFはvSphereを中心とした製品である[10]。2025年6月のバージョン9.0以降、公式文書では「VMware ESX」と表記されている[12]。
2026年9月時点の最新版は、8系がESXi 8.0 Update 3k(2026年7月29日)、9系がESX 9.1(2026年5月12日出荷)である[2]。8.0 Update 3までの版には、機能を制限した無償版も用意されている[13][14]。
名称
「ESX」は「Elastic Sky X」の略である。VMwareの開発者向け文書の用語集には、ESXiを「Elastic Sky X(ESX)を、データセンターで仮想マシンを動かすためのベアメタルサーバ向けに削ぎ落としたもの」と説明する記述がある[15]。ESXiは、2007年9月にサーバ機器へ組み込んで提供することを前提とした軽量版「ESX Server 3i」として発表された製品の系譜にあり、同年12月には「ESXi」の名称で発表された[6][7]。2010年のバージョン4.1を最後に、サービスコンソールを持つ従来型のESXは提供を終え、以後の主要リリースはESXiだけになった[8]。
2025年6月のバージョン9.0以降、ブロードコムの公式文書やリリースノートは、このハイパーバイザを再び「VMware ESX」と表記している[12][2][11]。本記事では、8系までの版と2025年以前の資料が用いる「ESXi」で表記を統一する。
| 名称 | 時期 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ESX Server | 2001年 - 2008年 | 初代の名称。サービスコンソールを持つ。3.5まで | [1][16] |
| ESX | 2009年 - 2010年 | 4.0・4.1の名称。従来型の最後の系列 | [17][8] |
| ESX Server 3i | 2007年 | サービスコンソールを持たない組み込み向けの版として発表 | [6] |
| ESXi | 2007年 - (8系) | 3iの系譜。3.5から8.0まで | [7][2] |
| VMware ESX | 2025年 - | 9.0以降の公式表記 | [12][2] |
| VMware vSphere Hypervisor | 2010年 - | 無償版の名称(2008年からは単体のESXiとして無償提供) | [8][18][7] |
概要
ESXiは、1台の物理サーバを複数の仮想マシンで分け合って使うためのソフトウェアである。利用者はESXiをサーバに直接インストールし、その上に仮想マシンを作って、仮想マシンごとにOSとアプリケーションを動かす。サーバを集約して台数や電力を抑えたり、必要なときにすぐ新しい仮想マシンを用意したりできる[5]。
ハイパーバイザの2つの型
仮想マシンを作って管理するソフトウェアをハイパーバイザと呼ぶ。ハイパーバイザには、物理サーバに直接インストールする「ベアメタル型」(タイプ1)と、すでに動いているOS(ホストOS)の上でアプリケーションとして動かす「ホスト型」(タイプ2)の2種類がある[5][19]。ESXiはベアメタル型で、OSを介さずにハードウェアを直接制御する[1]。ベアメタル型はデータセンターのサーバ仮想化に、ホスト型は開発や検証の用途に使われることが多い[5]。
ESXiとvCenter Serverの関係
ESXiをインストールしたサーバを「ESXiホスト」と呼ぶ。ESXiホストは単体でも仮想マシンの作成や起動・停止ができ、ブラウザから使う管理画面「VMware Host Client」で操作する[20]。複数のESXiホストをまとめて扱うときは、管理サーバであるvCenter Serverを別に用意する[9]。稼働中の仮想マシンを別のホストへ止めずに移す「vMotion」は、vCenter Serverと組み合わせたときに使える[18][14]。ESXiとvCenter Server、およびそれらの上で動く機能群をまとめた製品名が「VMware vSphere」である[9]。
歴史
ESXiの歴史は大きく4つの時期に分けられる。第1は、Linuxベースの管理用のOS(サービスコンソール)を内蔵した初代「ESX」の時代(2001年 - 2010年)である。第2は、サービスコンソールを取り除いたESXiが登場し、従来型のESXと並行して提供された移行期(2007年 - 2011年)である。第3は、ESXiだけになり、1〜2年ごとに主要版を重ねた時期(2012年 - 2022年)である。第4は、ブロードコムによる買収後にVCFの構成要素となり、「ESX」の名称に戻った時期(2023年 - )である。
ESXの時代(2001年 - 2010年)
VMwareは2001年、ハードウェア上で直接動作するサーバ向けハイパーバイザ「ESX Server」を発売した[1][6]。当時のESXは、Red Hat Enterprise Linuxを基にしたサービスコンソールを内蔵し、管理者の操作やサードパーティ製の管理エージェントはこの上で動く構造だった[21]。2007年12月には、ESX Server 3.5と管理ソフトウェアVirtualCenter 2.5を含む、当時の製品群「VMware Infrastructure 3」の更新版が出荷された[16]。
ESXiへの移行(2007年 - 2011年)
2007年9月10日、VMwareはサーバ機器に組み込んで提供することを前提とした軽量版「ESX Server 3i」を発表し、同じ週のVMworld 2007(サンフランシスコ)で披露した。3iはサービスコンソールを含まない32MBのソフトウェアで、Dell、富士通、HP、IBM、NECなどのサーバに組み込まれる計画だった[6]。同年12月に発表されたESXi 3.5は、サービスコンソールを取り除いてハイパーバイザだけにした構成で、VMwareはその大きさを従来のESXの5%未満と説明した[7][1]。VMwareは、構成要素が少ないほど適用すべきパッチが少なくなり、管理が簡単になることを移行の理由として挙げていた[1]。2008年7月28日には、単体のESXiが無償で提供されるようになった[7]。
2009年5月21日、VMwareは製品群の名称を「VMware Infrastructure」から「VMware vSphere」に改め、ESX 4.0とESXi 4.0を含むvSphere 4を出荷した[17][9]。バージョン4.0からは64ビットのx86プロセッサだけに対応する[22]。2010年7月13日のvSphere 4.1では、無償版の名称が「VMware vSphere Hypervisor」に変わるとともに、この版がESXとESXiの両方を含む最後のリリースになると告知された[8][18][21]。vSphere 5.0は2011年7月に発表され、同年8月24日に出荷された[23][2]。この版から、ハイパーバイザはESXiだけになった[8]。
機能拡張の時代(2012年 - 2022年)
vSphere 5以降、ESXiはおおむね1〜2年ごとに主要版を重ねた。2015年のvSphere 6では、離れたデータセンター間でのvMotionと、複数の仮想CPUを持つ仮想マシンのフォールトトレランスに対応した[24]。フォールトトレランスは、同じ仮想マシンの複製を別のホストで同時に動かし、ホストが停止しても処理を途切れさせない機能である[25]。2016年のvSphere 6.5では、HTML5ベースの管理画面と、プログラムから操作するためのREST APIが加わった[26]。2020年4月2日に出荷されたvSphere 7は、コンテナ管理基盤のKubernetesをESXi上で直接動かせるようにした版で、Linux向けドライバを流用するための互換層(vmklinux)はこの版で廃止された[27][28]。同年10月には、Armプロセッサ向けのESXiが、VMwareが初期段階のソフトウェアを利用者に試してもらう制度「Fling」の1つ「ESXi-Arm Fling」として公開された[29]。2022年10月11日出荷のvSphere 8では、ネットワークなどの処理を専用プロセッサ(DPU)に肩代わりさせる仕組みが導入された(後述)[30][31]。
ブロードコム買収後(2023年 - )
2023年11月22日(米国時間)、ブロードコムによるVMwareの買収が完了した[32]。同年12月には製品体系がVCFとVVFの2つに整理された(後述)[10]。無償版は2024年2月に提供が終わり、2025年4月10日に再び提供された(後述)[33][34]。2025年6月17日に出荷されたVCF 9.0では、構成要素としてのハイパーバイザは「VMware ESX 9.0」と表記された[11][12]。2026年5月12日にはESX 9.1が出荷された[2][35]。
主要版の年表
| 年月日 | 版 | 主な事項 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2001年 | ESX Server | ベアメタル型ハイパーバイザとして登場 | [1] |
| 2007年9月10日(発表) | ESX Server 3i | サービスコンソールを持たない組み込み向けの版 | [6] |
| 2007年12月11日 | ESX Server 3.5 | VMware Infrastructure 3の更新版。同月にESXiを発表 | [16][7] |
| 2008年7月28日 | ESXi(単体版) | 単体のESXiを無償提供 | [7] |
| 2009年5月21日 | ESX / ESXi 4.0 | 製品群の名称がvSphereに | [17][9] |
| 2010年7月13日 | ESX / ESXi 4.1 | 従来型ESXを含む最後の版 | [8] |
| 2011年8月24日 | ESXi 5.0 | ESXiに一本化 | [2] |
| 2012年9月10日 | ESXi 5.1 | [2] | |
| 2013年9月22日 | ESXi 5.5 | [2] | |
| 2015年3月12日 | ESXi 6.0 | 長距離vMotionなど | [2][24] |
| 2016年11月15日 | ESXi 6.5 | HTML5管理画面・REST API・セキュアブート | [2][26][36] |
| 2018年4月17日 | ESXi 6.7 | TPM 2.0対応 | [2][37][38] |
| 2020年4月2日 | ESXi 7.0 | Kubernetes対応・vmklinux廃止 | [27][28] |
| 2022年10月11日 | ESXi 8.0 | DPU対応 | [30] |
| 2025年4月10日 | ESXi 8.0 Update 3e | 無償版を再提供 | [39][14] |
| 2025年6月17日 | ESX 9.0 | VCF 9.0の構成要素・「ESX」表記 | [2][11] |
| 2026年5月12日 | ESX 9.1 | VCF 9.1の構成要素 | [2][35] |
アーキテクチャ
ESXiは、独自のカーネル(OSの中核となるプログラム)「VMkernel」を中心に、ハードウェアを動かすデバイスドライバと、管理用のインタフェースから構成される。ESXiは土台にLinuxなどの汎用のOSを持たず、VMkernelがハードウェアを直接制御する[4][1]。これに対し、KVMは、Linuxカーネルに組み込まれる形で動くハイパーバイザである[19]。
VMkernel
VMkernelはESXiの中核をなすカーネルで、ESXiでは管理機能もこのカーネルに直接組み込まれている[1]。ESXiの文字でコマンドを打ち込む操作画面(シェル)はUnix系OSのものに似ているが、VMwareは、その下で動いているのはLinuxカーネルではなくVMkernelであると説明している[4]。インプレスの技術解説記事(2011年)によると、初代ESXではプログラムの約9割をサービスコンソールのRed Hat Enterprise Linuxが占めているといわれた。これを取り除いたESXi 4.1のプログラムは約100MBになった[21]。
デバイスドライバ
ネットワークカードやストレージ装置を動かすドライバには、長らくLinux向けのドライバを流用するための互換層「vmklinux」が使われていた。vSphere 7.0でこの互換層は廃止され、ESXi専用に書かれた「ネイティブドライバ」だけが使えるようになった[27]。
管理インタフェース
ESXiホストには3つの操作手段がある。1つ目は、サーバに直接つないだ画面で文字メニューから操作する「Direct Console User Interface」(DCUI)である[40]。2つ目は限定的なコマンド操作のための「ESXi Shell」、3つ目はブラウザから使う管理画面「VMware Host Client」である[41][20]。ESXi ShellはDCUIから有効にでき、暗号化した遠隔操作の通信手段(SSH)で離れた場所から使うこともできる[41]。複数のホストをまとめて管理するときは、vCenter Serverの管理画面(vSphere Client)から操作する[9]。
主な機能
ESXiが単体で提供する機能は、対応するハードウェアの上での仮想マシンの実行、仮想ディスクを保存するストレージ、仮想マシンをネットワークにつなぐ仮想スイッチ、起動時の保護に大別できる。複数のホストをまたぐ機能は、vCenter Serverと組み合わせて使う。
対応ハードウェア
ESXiは64ビットのx86プロセッサを搭載したサーバで動作する。ESXi 8.0の場合、2コア以上のCPU、8GB以上のメモリ、32GB以上の起動ディスクを必要とする[3]。64ビットの仮想マシンを動かすには、CPUのハードウェア仮想化支援機能(Intel VT-xまたはAMD RVI)を有効にしておく[3]。Arm版は2020年10月に「ESXi-Arm Fling」として公開され、Raspberry Pi 4などで試用できるようになった[29]。2022年のvSphere 8からは「vSphere Distributed Services Engine」が使える。これは、ネットワークやストレージの処理をサーバのCPUから専用プロセッサ(DPU、Data Processing Unit。SmartNICとも呼ばれる)に肩代わりさせる仕組みである[31][42]。
ストレージ
ESXiは、仮想マシンの仮想ディスクなどを保存する領域を「データストア」として扱う。ディスクをブロック単位で読み書きするストレージ(ブロックストレージ)上のデータストアには、仮想マシンの保存に最適化した専用のファイルシステム「VMFS」(Virtual Machine File System)を使う。VMFSはクラスタファイルシステムで、複数のESXiホストが同じデータストアに同時にアクセスできる。この性質が、ホスト間で仮想マシンを移動する機能の土台になっている[43]。ESXi 8.0が対応するのはVMFS5とVMFS6である[43]。分散ストレージ機能「vSAN」は、ESXiのカーネル層に組み込まれている[37][2]。
ネットワーク
仮想マシンは、ESXiの中にソフトウェアで作られた「仮想スイッチ」を通して外部のネットワークとつながる。1台のホストの中で完結する「vSphere標準スイッチ」は物理的なイーサネットスイッチとほぼ同じように動作し、どの仮想マシンがどのポートにつながっているかを把握して通信を振り分ける[44]。複数のホストにまたがる「vSphere分散スイッチ」はvCenter Server上で設定し、その設定が各ホストに配られる[44]。
起動時の保護
ESXiはvSphere 6.5以降、サーバのファームウェアで有効にしたUEFIセキュアブートに対応し、起動時に読み込むソフトウェアが改変されていないことを検証する[36]。vSphere 6.7以降はセキュリティ用のチップであるTPM 2.0に対応し、ホストの正当性を外部に証明(アテステーション)できる[38]。
vCenter Serverと組み合わせて使う機能
複数のESXiホストをvCenter Serverで管理すると、ホストをまたぐ機能を使える。代表例は、稼働中の仮想マシンを別のホストへ止めずに移す「vMotion」(ライブマイグレーション)と、ホストが停止したときに仮想マシンを別のホストで再起動する「vSphere HA」である[18][45]。詳細はvCenter Serverを参照。
提供形態とライセンス
ESXiは、有償のvSphere製品(8系)またはVVF・VCF(9系)の一部として、あるいは機能を制限した無償版として入手できる。サーバメーカーが組み込んで出荷する形態と、大手クラウド事業者のサーバ上で動かす形態もある。
エディション
ESXiは単体の製品としてではなく、vSphereを機能の範囲で分けた製品の種類(エディション)や、VCFやVVFの一部として提供される。2023年11月にブロードコムがVMwareを買収した。同年12月、製品体系は「VMware Cloud Foundation」(VCF)と「VMware vSphere Foundation」(VVF)の2つを中心に整理された[10]。永続ライセンス(買い切り型の利用権)の新規販売は終了し、サブスクリプション(期間契約)方式に一本化された[46]。単体エディションの「vSphere Standard」と「vSphere Enterprise Plus」は8.0 Update 3までの版に限られる。9.0以降の機能は、VVFまたはVCFの一部としてだけ利用できる[13]。
無償版
機能を制限した無償版は、2008年7月に単体のESXiとして提供が始まり、2010年に「VMware vSphere Hypervisor」と名称を改めた[7][18]。ブロードコムは2024年2月にこの無償版の提供を終えたが、2025年4月10日に公開したESXi 8.0 Update 3eで再び無償の「VMware vSphere Hypervisor 8」を提供した[33][34][14]。無償版のソフトウェア自体は有償版と同じで、適用するライセンスの種類だけが異なる。vCenter Serverによる一括管理には対応せず、各ホストをVMware Host Clientで個別に管理し、仮想マシン1台あたりの仮想CPUは8個までに制限される[14][34]。9.0以降の版に無償版はなく、無償で利用できるのは8.0 Update 3までである[12][13]。
サーバへの組み込み
ESXiは当初から、サーバメーカーが自社製品に組み込んで出荷する形態を想定して設計された。2007年の発表時点でDell、富士通、HP、IBM、NECなどが組み込みを表明し、2008年にはこれらのメーカーがESXiを組み込んだサーバを提供していた[6][7]。組み込み版はディスクを持たないサーバでも使えるように、USBメモリやSDカードにESXiを収めて起動する[21]。
パブリッククラウド上のESXi
ESXiは利用者自身のデータセンターだけでなく、大手クラウド事業者が提供する専用サーバの上でも動く。「VMware Cloud on AWS」は、Amazon Web Services(AWS)とVMwareが2016年10月に共同で発表し、2017年8月に提供が始まったサービスである[47][48]。AWSのベアメタルサーバ上で、vSphere、vSAN、ネットワーク仮想化ソフトウェアのNSXを動かす[47]。同様のサービスは他の大手クラウド事業者にもある。Microsoft Azureの「Azure VMware Solution」、Google Cloudの「Google Cloud VMware Engine」、Oracle Cloudの「Oracle Cloud VMware Solution」である[49][50][51]。2025年8月には、AWS自身が提供する「Amazon Elastic VMware Service」が一般提供された[52]。
市場と競合
サーバ仮想化のハイパーバイザには、ESXiのほかにマイクロソフトのHyper-V、Linuxカーネルに組み込まれたKVM、Xen、仮想マシンとコンテナを1つの管理画面で扱うオープンソースの「Proxmox VE」などがある[53][19][54][33]。IDC Japanの調査によると、2013年の国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場(有償のハイパーバイザ製品の市場)は444億7,000万円で、VMwareが約9割のシェアを持っていた[55]。
日本での展開
日本では、日本法人のヴイエムウェアが新版の発表や説明会を開いてきた。2011年7月のvSphere 5、2018年4月のvSphere 6.7、2025年6月のVCF 9.0は、いずれも日本法人が国内向けに発表している[56][37][57]。サーバメーカーも自社製品で対応した。富士通は2019年4月、vSphere 6.7で仮想化した基幹システム向けに長期のサポートサービスを始めた[58]。日立製作所は2026年9月時点で、サーバ「HA8000V」にvSANを組み合わせたハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品を提供している[59]。ブロードコムの技術文書には日本語版があり、9.0の導入手順書は「ESX のインストールとセットアップ」の題名で公開されている[60]。
関連製品
- vCenter Server - 複数のESXiホストと仮想マシンを一括管理する管理サーバ[9]
- VMware vSphere - ESXiとvCenter Serverを中心とするサーバ仮想化製品群の名称[9]
- vSAN - ESXiのカーネル層に組み込まれた分散ストレージ機能[37][2]
- VMware NSX - ネットワーク仮想化ソフトウェア。VCFではESX、vCenter、vSANと並ぶ構成要素[11]
- VMware Cloud Foundation - ESXi(9.0以降はESXと表記)、vCenter、vSAN、NSXなどを統合したプライベートクラウド基盤[11]
- VMware Workstation・VMware Fusion - パソコン上で使うホスト型ハイパーバイザ
関連項目
脚注
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- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 “Build numbers and versions of VMware ESXi/ESX” (英語). Broadcom. 2026年9月6日閲覧。
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- ↑ “ESX のインストールとセットアップ”. Broadcom TechDocs. Broadcom. 2026年9月6日閲覧。
外部リンク
- VMware vSphere(ブロードコム・製品ページ)
- ESX のインストールとセットアップ(Broadcom TechDocs日本語版)
- Build numbers and versions of VMware ESXi/ESX(ブロードコム ナレッジベース)
- VMware_ESXiのページへのリンク