VAD離脱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 20:51 UTC 版)
患者の心機能が回復して自己心の拍動のみで循環を保つことが可能となった場合は、VADを心臓から取り外す(離脱)ことができる。離脱の可否の判断は、ヘパリン投与後にVADポンプの駆動を停止して心エコーや肺動脈カテーテルで心機能を見る検査(オフテスト、off-pump test)による。離脱基準としてはベルリングループの基準が一般的で、心エコー上左室駆出率(英語版)(EF)≧45%、左室拡張末期径(LVDd)≦55mmで離脱可能と判断する。ただしこの基準を満たさなくても、EF≧30%、LVDd≦65mmに加えて、VADのポンプ停止下にEFの低下や肺動脈楔入圧(英語版)の上昇を認めないという拡大基準も提唱されている。また、ベルリングループのようにVAD管理に精通したスタッフが多くいる施設の基準を経験の乏しい施設でそのまま適用するのは困難な場合もあり、それを考慮したより詳細なフローチャートがピッツバーグのグループから提案されている。 離脱手術の際には、術中に改めてポンプ停止状態での心機能に問題ないことを確認してから、送脱血カニューレを除去しポンプを摘出する。心尖部カフは柔らかければカフを残して心尖部を縫合閉鎖する。カフが固くて閉鎖できない場合は人工心肺による体外循環下にカフを摘出するか、あるいはカフにフェルト製プラグを挿入して閉鎖する方法もある。カフを縫合せずプラグを挿入して閉鎖した場合は、再度心不全が増悪した場合にカフを再使用できる。
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