TALISとは? わかりやすく解説

タリス【TALIS】


国際教員指導環境調査

(TALIS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 02:37 UTC 版)

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国際教員指導環境調査(こくさいきょういんしどうかんきょうちょうさ、英語:Teaching and Learning International Survey,TALIS)とは、経済協力開発機構(OECD)による学校と教員に関する国際調査[1]。2008年に第一回調査、2013年に第二回調査、2018年に第3回調査が実施された。日本は第二回から参加しており、調査結果で、日本の教員の勤務時間が参加国のなかで最長であったことから、学校における働き方改革につながっていった[2]。

第二回TALIS(2013)

OECDは2008年に第一回Teaching and Learning International Survey(TALIS、国際教員指導環境調査)を実施したが、日本は参加しなかった。2013年、OECDによる第二回TALISに日本は初めて参加した[1]。参加国は34か国で、ドイツ、中国、台湾、ロシア、インド、インドネシア、スイス、サウジアラビア、トルコ、アフリカ諸国などは参加していない。日本では10,863校の中学校、289,125人の教員が対象となり、うち標本抽出で192校、192人の校長および3484人の教員から有効回答を得た[1]。

TALIS(2013)では全般的に、参加国と比べて日本は、授業時間が短く、会議・事務時間・課外活動など学業教育以外の時間が長く、また有資格教員や特別支援能力・職業教育を行う教員が不足していた[1]。

  • 1週間あたり平均勤務時間の合計は参加国平均38.3時間であったのに対して、日本は53.9時間で参加国最長であり、日本に続いてカナダのアルバータ州(地域参加)が48.2時間、シンガポールが47.6 時間、イングランドが45.9時間で、参加国最短はイタリアの29.4時間だった[1]。
  • 授業時間は参加国平均19.3時間であったのに対して、日本は17.7時間と短かった(アメリカ参考データでは26.8時間、アルバータ州26.4時間、フィンランド20.6時間)[1]。
  • 職員会議(学内での同僚との共同作業や話し合い)は参加国平均2.9時間であったのに対して、日本は3.9時間、学校運営に関する時間も参加国平均1.6時間であったのに対して日本は3時間で、書類作成など事務時間も参加国平均2.9時間であったのに対して日本は5.5時間と、課外活動(部活動など)も参加国平均2.1時間であったのに対して日本は7.7時間で、それぞれ参加国最長だった[1]。
  • 労働環境以外では、女性教員の割合が参加国平均68%であるのに対して日本は39%にとどまった。
  • 平均教員数は参加国平均45人に対して日本は24人にとどまった。
  • 学級あたり生徒数は参加国平均24人に対して日本は31人だった。
  • 有資格教員不足は参加国平均38.4%に対して日本は79.7%、特別支援能力を持つ教員不足は参加国平均48%に対して日本は76%、職業教育を行う教員不足は参加国平均19.3%に対して日本は37.3%であり、資格・特別支援能力・職業教育を行う教員の不足率はいずれも参加国最低値だった。
  • 一方、日本は、教員の初任者研修、メンター指導を受けている割合や、他校見学の割合が高かった[1]。
TALIS(2013)「教員の仕事時間」(単位は残業等含む一週間あたり時間)[1]
合計 授業 授業準備 職員会議※ 採点添削 生徒指導 学校運営 事務 保護者との連絡連携 課外活動(部活動など) その他の業務
参加国平均 38.3 19.3 7.1 2.9 4.9 2.2 1.6 2.9 1.6 2.1 2
日本 53.9 17.7 8.7 3.9 4.6 2.7 3 5.5 1.3 7.7 2.9
アルバータ州 48.2 26.4 7.5 3 5.5 2.7 2.2 3.2 1.7 3.6 1.9
シンガポール 47.6 17.1 8.4 3.6 8.7 2.6 1.9 5.3 1.6 3.4 2.7
イングランド 45.9 19.6 7.8 3.3 6.1 1.7 2.2 4 1.6 2.2 2.3
マレーシア 45.1 省略 ※
アメリカ※ 44.8 26.8 7.2 3 4.9 2.4 1.6 3.3 1.6 3.6 7
ポルトガル 44.7 20.8 省略
オーストラリア 42.7 18.6 省略
スウェーデン 42.4 17.6 6.7 3.5 4.7 2.7 0.8 4.5 1.8 0.4 1.7
デンマーク 40 18.9 7.9 3.3 3.5 1.5 0.9 2 1.8 0.9 2.3
韓国 37 18.8 7.7 3.2 3.9 4.1 2.2 6 2.1 2.7 2.6
フランス 36.5 18.6 7.5 1.9 5.6 1.2 0.7 1.3 1 1 1.1
オランダ 35.6 16.9 5.1 3.1 4.2 2.1 1.3 2.2 1.3 1.3 2.5
フィンランド 31.6 20.6 4.8 1.9 3.1 1 0.4 1.3 1.2 0.6 1
イタリア 29.4 17.3 5 3.1 4.2 1 1 1.8 1.4 0.8 0.7
※「職員会議」とは「学内での同僚との共同作業や話し合い」を指す。空欄値は省略につき原表を参照。数値の太字強調はこの抄出表のなかでの最低値と最高値。抄出表以外のデータは原表を参照。日本の値が平均値よりも大差ない場合は強調しなかった。
※アメリカは回答率がガイドラインに達しなかったので参考データとして記載[1]。

第三回TALIS(2018)

2018年のTALIS第3回調査では48か国が参加したが、ドイツ、中国(上海は参加)、前回参加したマレーシアは参加していない[3]。

TALIS(2018)でも、中学校では、1週間あたり平均勤務時間の合計は参加国平均38.3時間に対して、日本は56時間で参加国最長であった。第二回2013が53.9時間だったので、増加したことになる。また、小学校でも54.4時間で参加国最長であった[3]。

  • 前回同様、女性教員の割合が参加国最低だった[3]。
  • 職員会議はカザフスタンが参加国最長の4.3時間で、日本は二番目に長く3.6時間だった(前回より0.3時間減)。
  • 学校運営に関する時間も参加国平均1.6時間であったのに対して日本は2.9時間で参加国最長だった。最短はフィンランドの0.3時間だった。
  • 事務時間(書類作成など)も参加国平均2.7時間であったのに対して日本は中学5.6時間で参加国最長だった。最短はフィンランドの1.1時間だった。
  • 課外活動(部活動など)も参加国平均1.9時間であったのに対して日本は中学7.5時間と参加国最長だった。最短はスウェーデンとフィンランドの0.4時間だった。
  • 一方、新項目「職能開発」では、日本は最短の0.6時間だった。
TALIS(2018)「中学校教員の仕事時間」(単位は残業等含む一週間あたり時間)[3]
合計 授業 授業準備 職員会議 採点添削 生徒指導 学校運営 事務 職能開発 保護者との連絡連携 課外活動(部活動など) その他の業務
参加国平均 38.3 20.3 6.8 2.8 4.5 2.4 1.6 2.7 2 1.6 1.9 2.1
日本 56 18 8.5 3.6 4.4 2.3 2.9 5.6 0.6 1.2 7.5 2.8
カザフスタン 48.8 15.1 9.1 4.3 4.8 3.5 2.5 3.2 3.2 2.5 3.1 2.2
アルバータ州 47 27.2 7.3 2.6 5 2.3 1.8 2.4 1.5 1.4 2.7 0.7
イングランド 46.9 20.1 7.4 3 6.2 2.5 2 3.8 1 1.5 1.7 2.2
アメリカ 46.2 28.1 7.2 3.5 5.3 3.4 1.7 2.6 1.7 1.6 3 7.1
シンガポール 45.7 17.9 7.2 3.1 7.5 2.4 1.4 3.8 1.8 1.3 2.7 8.2
スウェーデン 42.3 18.6 6.5 3.3 4.1 2.2 0.9 3.2 1.1 1.5 0.4 1.9
ポルトガル 39.6 20.1 省略 ※
デンマーク 38.9 19.4 7 3 2.5 1.5 0.7 1.7 0.8 1.4 0.9 2.3
フランス 37.3 18.3 7 2.1 4.7 1.2 0.7 1.4 0.8 1.1 1 1.8
オーストラリア 37.2 19.2 省略
オランダ 36.4 17.4 4.9 3 3.7 2.5 1 2.4 1.9 1.5 0.9 2
韓国 34 18.1 6.3 2.5 2.9 3.7 1.7 5.4 2.6 1.6 2 1.8
フィンランド 33.3 20.7 4.9 2.1 2.9 1 0.3 1.1 0.8 1.2 0.4 0.9
イタリア 30 16.8 5.1 3.2 3.7 1.4 1.1 1.9 1.8 1.2 1 0.9

※ 合計勤務時間順。空欄値は省略につき原表を参照。数値の太字強調はこの抄出表のなかでの最低値と最高値。抄出表以外のデータは原表を参照。日本の値が平均値よりも大差ない場合は強調しなかった。

脚注

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出典

参考文献

『国際教員指導環境調査』 - コトバンク

関連項目



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