TALエフェクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 23:42 UTC 版)
「DNA結合ドメイン」の記事における「TALエフェクター」の解説
TALエフェクターは、キサントモナス属の植物病原細菌に見られ、細菌の毒性や増殖を促進するために、宿主植物の遺伝子発現の調節に関与する。複数の33-35残基のタンデム反復配列のある中央領域が1つあり、この領域は、TALエフェクター結合部位にある単一のDNA塩基をコードする 。このタンデム反復配列内で、DNA塩基と直接相互作用するのは残基13のみでありこれが配列特異性を決定するが、他の残基はDNA骨格と相互作用してDNAとの結合を安定化する。各反復配列は一対のαヘリックスの形をとるが、反復配列で構成されたアレイ全体は右巻きのスーパーヘリックスを形成し、DNA二重らせんを包み込む。このアレイはDNA結合時に収縮することが示されており、TALエフェクターの反復配列アレイにある唯一のN末端からDNAのチミン認識を始めてDNAの収縮を行うというDNA認識メカニズムが提案されている。植物病原細菌のRalstonia solanacearum、真菌内部共生菌Burkholderia rhizoxinica および未同定の海洋微生物2種でTALエフェクター関連タンパク質が発見されている。これらのグループ間において、反復配列アレイの構造とDNA結合領域の配列情報は保存されており、総じてTALE様タンパク質と呼ばれている。
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