スペクトル系列
スペクトル系列(スペクトルけいれつ、英: Spectral sequence)とは、ホモロジー代数学や代数的位相幾何学で用いられる、ホモロジー群を逐次近似により計算する方法のことである。スペクトル系列は完全系列の一般化であり、ジャン・ルレイによって初めて用いられたとき[1]から、特に代数的位相幾何学、代数幾何学、ホモロジー代数学といった分野において重要な計算ツールとなっている。
発見と歴史
ジャン・ルレイは代数的位相幾何学の研究の過程で層の概念を導入し、そして層係数コホモロジーを計算する問題に向き合うことになった。層係数コホモロジーを計算するために、ルレイは現在ルレイ・スペクトル系列と呼ばれている計算手法を編み出した。これは、層のコホモロジー群と、その層の順像(押し出しとも呼ばれる)のコホモロジー群とを、無限回の計算過程を通じて関係付けるものである。ルレイは、順像のコホモロジー群は自然に鎖複体となることに気づき、したがってコホモロジーのコホモロジーを取れることに気付いた。これは元の層のコホモロジーにはなっていないが、ある意味ではそれに一歩近づいたものになっている。そして、コホモロジーのコホモロジーがまた鎖複体になるので、これのコホモロジーをまた取ることができ、この計算をずっと繰り返すことができる。この計算ステップを無限回繰り返した後の極限が、元の層のコホモロジー群と本質的に同じものとなっている。
ルレイの計算手法が幅広い状況に適用できることはすぐに明らかとなった。ファイブレーションのような幾何学的な状況や、導来関手が関係する代数学的な状況で、複数の(コ)ホモロジー群を婉曲的にではあるが関係付けてくれるスペクトル系列が数多く発見された。導来圏の導入によりその理論的な重要性は減ったが、今でもスペクトル系列はもっとも有効な計算ツールであり続けている。たとえスペクトル系列に計算不可能な項が多く含まれている状況であったとしても、スペクトル系列は有効に使うことのできる計算ツールである。
その反面、スペクトル系列は膨大な情報を持っているがゆえに会得や使用に困難が伴う。スペクトル系列が持っている情報は、3次元の格子状にアーベル群もしくは環上の加群を配置したものとなっていることが多い。最も取り扱いが簡単なスペクトル系列は、最終的には潰れる(collapse)、つまり列を進めてみてもそれ以上なんの情報も得られなくなるものである。このような場合でなくとも、種々のトリックを用いてスペクトル系列から有用な情報を引き出せることが多い。
形式的定義
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定義
環上の加群のようなアーベル圏を一つ固定する。コホモロジー的なスペクトル系列とは、一つの非負整数 2重次数つきのスペクトル系列は膨大な量の把握すべきデータを持つが、これを視覚的に捉えるために広く使われている表示方法がある。r、p、q を2重次数つきスペクトル系列の3つの添字とする。r ごとに、方眼紙が1枚あると想像しよう。このシートの上で、p は水平方向、q は垂直方向の位置を表しているとしよう。そして、各マス目に対象 スペクトル系列を作るための最も強力な方法は、ウィリアム・マッセイによる完全対を使う方法である。完全対は特に代数的位相幾何学の分野でよく使われ、他の作り方が知られていないスペクトル系列が多く存在する。実際、全ての知られているスペクトル系列は完全対から作ることができる[要出典]。にもかかわらず、(完全対は)抽象代数学ではあまり人気がなく、その分野ではほとんどのスペクトル系列はフィルターつき複体から得られている。完全対を定義するために、アーベル圏を1つとる。先程と同じく、応用上は大抵の場合環上の2重次数つき加群の圏である。完全対 とは、対象 A と C の対と、この対象間の3つの準同型: f : A → A, g : A → C and h : C → A であって、次の完全性の条件を満たすものを言う:
このデータを単に (A, C, f, g, h) と表す。完全対は三角形の絵で表現することが多い。A を補助的なデータとして使い、E0 項が C であるようなスペクトル系列を作ろう。
スペクトル系列の次のシートに行くために、導来対(derived couple)をまず作る。次の記号を準備する:
定義からすぐに (A', C', f', g', h') が完全対となることが分かる。C' をスペクトル系列の E1 項とする。この操作を繰り返して完全対の列 (A(n), C(n), f(n), g(n), h(n)) が得られ、C(n) を En 項とし、dn を g(n) o h(n) と置くことで、求めるスペクトル系列になる。
この方法で作られるスペクトル系列
フィルターつき複体のスペクトル系列
スペクトル系列の極めて典型的な例はフィルターつきの双対鎖複体から得られる。これは、双対鎖複体 C• であって、全ての整数 p に対して部分複体 FpC• が定義されており、境界写像はフィルトレーションと両立している、つまり d(FpCn) ⊆ FpCn+1 が成り立つものである。(現実の例では p は上か下かどちらか片方で有界であることが多い。)フィルトレーションは減少している、つまり FpC• ⊇ Fp+1C• と仮定する。双対鎖複体の項に対応する数字は n で表すことにする。あとではさらに、フィルトレーションはハウスドルフ(分離的とも言う)、つまり FpC• の全ての共通部分をとるとゼロであり、フィルトレーションは覆い尽くしている(exhaustive)、つまり FpC• の全ての和集合をとると鎖複体 C• 全体となることを仮定する。
フィルトレーションは0への近さを測るものとして便利である。p が大きくなるにつれて、FpC• はゼロに近づいていく。このフィルトレーションから、あとのシートに行けば行くほどコバウンダリとコサイクルが元の複体のコバウンダリとコサイクルに近づいていくスペクトル系列が作れる。このスペクトル系列は、フィルター次数 p と補充次数(complementary degree)q = n − p で2重に次数づけられたものである。(補充次数は全次数 n よりも便利な添字であることが多い。例えば、あとで説明する2重複体のスペクトル系列の場合にそうである。)
このスペクトル系列を手作業で作ってみよう。C• は単一の次数づけとフィルトレーションしか持たないので、まず2重次数つき対象を C• から作る。第2の次数を得るために、フィルトレーションに随伴する次数つき対象を次のようにとる。
やや奇妙な書き方をしたが、こう書いた理由はあとで E1 を作るときに分かる。境界写像はフィルトレーションと両立すると仮定しているので、E0 は2重次数つき対象になっており、E0 上に自然な2重次数つき境界写像 d0 が存在する。E1 を得るために E0 のホモロジーをとる。
と は、以下の写像
の における像としてかけることに注意する。これを使うと
となる。 は微分するとフィルトレーションのレベルが1つ上がるような要素全体になっており、 は微分するとフィルトレーションのレベルが0だけ上がるような要素全体の像になっている。これから、 は微分するとフィルトレーションのレベルが r 上がるような要素全体、 は微分するとフィルトレーションのレベルが r-1 だけ上がるような要素全体の像となることが推測できる。言い換えると、作ろうとしているスペクトル系列の項は
と書けるはずで、さらに関係式
を満たすはずである。このようになるためには、各 Er 上の微分 dr であって、それによるホモロジーが上記の Er+1 と同型になるものを見つけなければならない。その微分
は、 で定義されている元々の微分 d を部分対象 に制限することで得られる。
この微分が先程の性質を持つこと、すなわち Er のこの微分によるホモロジーが Er+1 となることは簡単に確かめられる。これで求めるスペクトル系列が得られた。残念なことに、この微分は明示的とは言い難い。この微分を決定するか、何かそれに代わる方法を見つけることが、スペクトル系列の適用を成功させるために必要なことの1つである。
応用
- 混合ホッジ構造の構築に使うことができる[11]
フィルターつき複体から作られるスペクトル系列
- ホッジ・ド・ラーム・スペクトル系列
- 2重複体のスペクトル系列
2重複体のスペクトル系列
もう一つの典型的なスペクトル系列は2重複体のスペクトル系列である。2重複体(double complex)とは、全ての整数 i と j を添え字に持つ対象 Ci,j の集まりと、2つの微分 d I と d II の組を合わせたものである。d I は i を減少させ、d II は j を減少させるものとする。さらに、 微分は反可換(anticommute)、つまり d I d II + d II d I = 0 とする。目標は、2つのホモロジーのホモロジー、 と を比較することである。このために、2重複体に2つの異なる方法でフィルトレーションをいれる。次がそのフィルトレーションである:
これを前節の例にあてはめスペクトル系列を作ってみよう。まず、全複体(total complex)T(C•,•) を、n 次の項が であり、微分は d I + d II で定義された複体とする。d I と d II は反可換な微分であることから、これは複体になっている。Ci,j の2つのフィルトレーションから、この全複体の2つのフィルトレーション
が得られる。このフィルトレーションのスペクトル系列からホモロジーのホモロジーについての情報が得られることを示すために、T(C•,•) のフィルトレーション I についてのスペクトル系列の E0、E1、E2 項を調べる。E0 項は簡単で、
となっている。ここで、n = p + q である。
E1 項を明らかにするためには、E0 での d I + d II を決定する必要がある。微分の次数は n に関して −1 であるから、次の写像
がある。 これから、E0 の微分は d I + d II から誘導される写像 Cp,q → Cp,q−1 であることがわかる。しかし、この写像と d I の次数は異なっているので、d I は E0 上でゼロでなければならない。これは、微分が d II と一致していることを意味しているので、
となる。E2 を明らかにするためには、
を決定する必要がある。E1 はちょうど d II についてのホモロジーだったので、d II は E1 上でゼロになっている。したがって、
である。もう一方のフィルトレーションを使うと、同様の E2 項を持つ異なるスペクトル系列
が得られる。あとはこの2つのスペクトル系列の関係がわかればよい。r が大きくなると、この2つのスペクトル系列は有用な比較ができるほど十分に似てくることがわかる。
収束・退化・収束先
一番はじめに議論した最も簡単な例(鎖複体のスペクトル系列)では、1以上の r に対してスペクトル系列は停止した。このような状況ではシートの列の極限というものを合理的に考えることができる。0番目のシートの後には何も起こらないので、極限のシート E∞ とは E1 と思えば良い。
一般的な状況でも、シートの極限が存在することが多く、そして常に興味深いものになっている。この点が、スペクトル系列が強力な計算手法である理由の1つである。スペクトル系列 が に収束する、あるいは近づいていく(abuts to)[訳語疑問点]とは、ある r(p, q) が存在して、全ての r ≥ r(p, q) に対し微分 と が零写像になっていることを言う。このとき、大きな r に対して必然的に は と同型である。このような状況を
という記号で表す。この p はフィルトレーションの添字を表現している。この表記法を使うとき、矢印の左側には、ほとんどのスペクトル系列で最も意味のある項 を書くことが多く、また右側は収束先(abutment)[訳語疑問点]と呼ばれる。
ほとんどのスペクトル系列において、 項は自然には2重次数つきの対象にはなっていない。その代わり、 項には自然なフィルトレーション があることが多い。この状況では、 とセットする。この場合でも収束を先ほどと同様に定義するが、この場合には
と表記し、これで p + q = n の場合には が に収束していることを意味するものとする。
収束を決定できる最も簡単な状況は、スペクトル系列が退化するときである。スペクトル系列がシート r で退化するとは、任意の s ≥ r に対して微分 ds が零写像であることを言う。これは Er ≅ Er+1 ≅ Er+2 ≅ ... であることを意味する。特に、Er は E∞ と同型になる。これは、最初にあげたフィルター無しの鎖複体の自明な例(鎖複体のスペクトル系列)で起きてたことである。あのスペクトル系列は1番目のシートで退化した。一般に、2重次数つきのスペクトル系列は、水平もしくは垂直な帯状領城の外でゼロならば退化する。先の方のシートでは、微分はその帯状領域の外の対象に対しての射か、もしくは外の対象からの射になるからである。
また、ある p0 未満の全ての p と、ある q0 未満の全ての q に対して が消えているなら、スペクトル系列は収束する。p0 と q0 を0で取ることができるとき、第1象限スペクトル系列(first-quadrant spectral sequence)と呼ばれる。対象の、ゼロでない領域の境界からの距離は一定であることから、このようなスペクトル系列が収束することが分かる。結果的に、p と q を固定すると、後の方のシートでは微分は常に からゼロ対象への写像であるか、もしくはゼロ対象から来る写像になる。より視覚的に、微分は項がゼロではない象限を去っていく、と言ってもいい。ただし、微分が全て同時にゼロにならないこともあるので、このスペクトル系列は必ずしも退化しない。同様に、ある p0 より大きい全ての p と、ある q0 より大きい全ての q に対して が消えているなら、そのスペクトル系列は収束する。
スペクトル系列の5項完全系列は、ある低次数の項と E∞ の項を関係付ける。
次の文献も参照のこと: ボードマン、Conditionally Convergent Spectral Sequences
退化の例
フィルターつき複体のスペクトル系列(続き)
包含関係の鎖(chain)
を考える。下記のように置くと、何が起きるか考える。
がこのスペクトル系列の収束先(abutment)の自然な候補である。収束は自動的には従わないが、それでも多くの場合に収束する。特に、フィルトレーションが有限で、ちょうど r 個の非自明なステップからなる場合には、スペクトル系列は r 番目のシートの後で退化する。また、複体とフィルトレーションがともに下、もしくは上に有界ならば、収束する。
考えているスペクトル系列の収束先(abutment)をより詳細に記述するために、次の表示
を考える。この表示から について何が言えるか考えるために、フィルトレーションは分離的と仮定していたことを思い出そう。この仮定から、r が大きくなると、(最初の式に出てくる)核は縮小していき となる。 に対しては、フィルトレーションは覆い尽くしている(exhaustive)と仮定していたことを思い出そう。この仮定から、r が大きくなると、(2番目の式に出てくる)像は大きくなっていき に到達する。以上をまとめて
が分かり、これからスペクトル系列の収束先(abutment)は C の (p+q) 番目のホモロジーの次数が p の部分になっていることが分かる。このスペクトル系列が収束するなら、
となることがわかった。
長完全系列
フィルターつき複体のスペクトル系列を使って、長完全系列の存在を導くことができる。双対鎖複体の短完全系列 0 → A• → B• → C• → 0 を一つとり、最初の写像を f• : A• → B• とする。この系列のホモロジーを取って、自然な写像 Hn(A•) → Hn(B•) → Hn(C•) が得られ、これは真ん中の部分で完全であることは知っている。フィルターつき複体のスペクトル系列を使ってこれの連結準同型を見つけ、そうやってできる列が完全であることを証明しよう。まず、B• のフィルターを
で定義する。定義から、
となる。微分は2重次数 (1, 0) を持つので、d0,q : Hq(C•) → Hq+1(A•) である。この写像は蛇の補題による連結準同型で、写像 A• → B• → C• とあわせて列
を得る。あとはこの列が A と C のところで完全であることを示せばよい。さきのスペクトル系列は、微分の2重次数は (2, −1) であるから、E2 項で退化することに注意する。したがって、E2 項は E∞ 項と一致するので、
が成り立つ。E2 項は、これに加えて E1 項のホモロジーとしての直接的な記述を持つ。この2つの記述の記述を比べて、同型
を得る。1番目の式から C のところでの完全性が従い、2番目の式から A のところでの完全性が従う。
2重複体のスペクトル系列(続き)
フィルターつき複体についての収束先(abutment)を使うと、
が分かる。一般には、Hp+q(T(C•,•)) 上の2つの次数付けは異なる。にもかかわらず、この2つのスペクトル系列から有益な情報を得ることが可能である。
Tor の可換性
R を環、M を右 R 加群、N を左 R 加群とする。テンソル積の導来関手を Tor と表していたことを思い出そう。これは最初の引数の射影分解を使って定義されていたが、実は が成り立つ。スペクトル系列を使わずにこのことを確かめることもできるが、スペクトル系列を使うと非常に簡単に確かめられる。
M と N の射影分解を一つとり、それぞれ と と表す。これらを負の次数で消えている複体と捉え、微分はそれぞれ d と e とする。2重複体を、項は 、微分は と と定義して作る。(−1 の項は微分を反可換にするため。)射影加群は平坦なので、射影加群をテンソルする操作とホモロジーを取る操作は交換可能である。したがって、
が成り立つ。2つの複体は分解になっているので、そのホモロジーは次数0部分を除き消える。次数0部分には
が残っている。特に、 項は、I スペクトル系列については q = 0 の直線部分を除き消え、II スペクトル系列については p = 0 の直線部分を除き消える。これから2番目シートでスペクトル系列は退化していることが分かり、したがって E∞ 項は E2 項と同型である:
p と q が等しければ両式の右辺は等しいので、これで Tor の可換性が示せた。
その他の例
有名なスペクトル系列を以下に列挙する。
位相幾何学と幾何学
- 超常(extraordinary)コホモロジー論のアティヤ・ヒルツェブルフ・スペクトル系列
- 群の分類空間のホモロジーに対するバー・スペクトル系列
- mod p 係数ホモロジーと mod p 還元したホモロジーを関係付けるボックシュテイン・スペクトル系列
- 商空間のホモロジーに収束するカルタン・ルレイ・スペクトル系列
- ファイブレーションの引き戻しの特異コホモロジーに対するアイレンベルグ・ムーア・スペクトル系列
- ファイブレーションのセール・スペクトル系列
ホモトピー論
- 安定ホモトピー理論のアダムズ・スペクトル系列
- 超常(extraordinary)コホモロジー論の一般化のアダムズ・ノヴィコフ・スペクトル系列
- コファイブレーションの初期空間のホモトピーに収束するバラット(Barratt)・スペクトル系列
- 関手のホモトピー余極限に収束するバウスフィールド・カン・スペクトル系列
- アダムズ・ノヴィコフ・スペクトル系列の初項を計算するクロマティック・スペクトル系列
- コバー(cobar)・スペクトル系列
- 球面の安定ホモトピー群に収束するEHPスペクトル系列
- 関数空間のホモトピー群に収束するフェデラー・スペクトル系列
- ホモトピー固定点スペクトル系列[12]
- 空間のホモロジーをホモトピーから計算するフレヴィッツ・スペクトル系列
- 空間の mod p 安定ホモロジーに収束するミラー・スペクトル系列
- バー・スペクトル系列の別名であるミルナー・スペクトル系列
- バー・スペクトル系列の別名であるムーア・スペクトル系列
- 単体的群(simplicial group)のホモトピー計算のためのキレン・スペクトル系列
- バー・スペクトル系列の別名であるローゼンバーグ・スティーンロッド・スペクトル系列
- ウェッジ空間のホモトピー計算のためのファン・カンペン・スペクトル系列
代数学
- チェック・コホモロジーから層係数コホモロジーへ向かうチェックから導来関手へのスペクトル系列
- 加群の Tor 群や Ext 群を計算するための係数環変更スペクトル系列
- 代数の巡回ホモロジーに収束するコンヌ・スペクトル系列
- ガーステン(Gersten)・ヴィット・スペクトル系列
- コズュール・コホモロジーに対するグリーンのスペクトル系列
- 導来関手の合成に対するグロタンディーク・スペクトル系列
- 超ホモロジー計算のための超ホモロジー・スペクトル系列
- 微分環のテンソル積のホモロジーを計算するためのキュンネス(Künneth)・スペクトル系列
- 層のコホモロジーに収束するルレイ・スペクトル系列
- 局所から大域へのExtスペクトル系列
- 群の(コ)ホモロジーのリンドン・ホッホシルト・セール・スペクトル系列
- 代数の Tor 群や Ext 群を計算するためのメイ・スペクトル系列
- 微分フィルターつき群のスペクトル系列(この記事で説明)
- 2重複体のスペクトル系列(この記事で説明)
- 完全対のスペクトル系列(この記事で説明)
- 普遍係数スペクトル系列
- 相対リー環コホモロジーへ収束するファン・エスト(van Est)・スペクトル系列
複素幾何学と代数幾何学
- 特異点論のアーノルドのスペクトル系列
- 体の代数的K理論に収束するブロック・リヒテンバウム・スペクトル系列
- 多様体のドルボーコホモロジーから始まり代数的ド・ラーム・コホモロジーへ収束するフローリッヒ・スペクトル系列
- 多様体の代数的ド・ラーム・コホモロジーに収束するホッジ・ド・ラーム・スペクトル系列
- モチヴィックからK理論へのスペクトル系列
脚注
- ^ Jean Leray (1946a, 1946b)
- ^ Weibel 1994, Exercise 5.2.1.; there are typos in the exact sequence, at least in the 1994 edition.
- ^ Weibel 1994, Exercise 5.2.2.
- ^ Weibel 1994, Application 5.3.5.
- ^ May, § 1.
- ^ Hatcher, pp. 540, 564.
- ^ McCleary 2001, p. [要ページ番号].
- ^ Hatcher, Example 1.17.
- ^ Hatcher, Example 1.18.
- ^ May.
- ^ Elzein, Fouad; Trang, Lê Dung (23 February 2013). "Mixed Hodge Structures". pp. 40, 4.0.2. arXiv:1302.5811 [math.AG]。
- ^ Bruner, Robert R.; Rognes, John (2005). “Differentials in the homological homotopy fixed point spectral sequence”. Algebr. Geom. Topol. 5 (2): 653-690. arXiv:math/0406081. doi:10.2140/agt.2005.5.653.
参考文献
入門書
- Fomenko, Anatoly; Fuchs, Dmitry, Homotopical Topology
- Hatcher, Allen. “Spectral Sequences in Algebraic Topology”. 2021年9月24日閲覧。
参考文献
- Leray, Jean (1946a), “L'anneau d'homologie d'une représentation”, Les Comptes rendus de l'Académie des sciences 222: 1366–1368
- Leray, Jean (1946b), “Structure de l'anneau d'homologie d'une représentation”, Les Comptes rendus de l'Académie des sciences 222: 1419–1422
- Koszul, Jean-Louis (1947). “Sur les opérateurs de dérivation dans un anneau”. Comptes rendus de l'Académie des Sciences 225: 217–219.
- Massey, William S. (1952). “Exact couples in algebraic topology. I, II”. Annals of Mathematics. Second Series (Annals of Mathematics) 56 (2): 363–396. doi:10.2307/1969805. JSTOR 1969805.
- Massey, William S. (1953). “Exact couples in algebraic topology. III, IV, V”. Annals of Mathematics. Second Series (Annals of Mathematics) 57 (2): 248–286. doi:10.2307/1969858. JSTOR 1969858.
- May, J. Peter. “A primer on spectral sequences”. 2020年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
- McCleary, John (2001). A User's Guide to Spectral Sequences. Cambridge Studies in Advanced Mathematics. 58 (2nd ed.). Cambridge University Press. doi:10.2277/0521567599. ISBN 978-0-521-56759-6. MR1793722
- Mosher, Robert; Tangora, Martin (1968), Cohomology Operations and Applications in Homotopy Theory, Harper and Row, ISBN 978-0-06-044627-7
- Weibel, Charles A. (1994), An introduction to homological algebra, Cambridge Studies in Advanced Mathematics, 38, Cambridge University Press, ISBN 978-0-521-55987-4, OCLC 36131259, MR1269324
発展資料
- Chow, Timothy Y. (2006). “You Could Have Invented Spectral Sequences”. Notices of the American Mathematical Society 53: 15–19 .
外部リンク
- “What is so "spectral" about spectral sequences?”. MathOverflow. 2021年9月24日閲覧。
- “SpectralSequences — a package for working with filtered complexes and spectral sequences”. Macaulay2. 2021年9月24日閲覧。
- Spectral sequenceのページへのリンク