SL理論
・1977年にハーシィ(P.Hersey)とブランチャード(K.H.Blanchard) が提唱したリーダーシップ条件適応理論。
・マネジメントする人間がどのようなリーダシップを取るのが望ましいかというのは部下の成熟度によって有効なリーダシップスタイルが異なるという考え方。
・フィドラーのコンティンジェンシー・モデルの状況要因を掘り下げて、部下の成熟度に着目して提唱された。
・縦軸を仕事志向、横軸を人間志向の強さとして4象限(参加的・委任的・説得的・教示的)に分け、それぞれの状況でリーダーシップの有効性を高めていくにはどうすれば良いかを示している。
・SL理論では部下の成熟度によって有効なリーダシップが下記の4つのリーダーシップに規定される。
①教示(指導)型リーダーシップ(成熟度の低い部下の場合)
→具体的に指示し、行動を促す。
→タスク志向が高く、人間関係志向の低いリーダーシップ
→部下の成熟度:未成熟
②説得(コーチ)型リーダーシップ(部下が成熟度を高めてきた場合)
→こちらの考えを説明し、疑問に応える。
→タスク志向・人間関係ともに高いリーダーシップ
→部下の成熟度:やや未成熟
③参加(カウンセリング)型リーダーシップ(部下がさらに成熟度を高めてきた場)
→自立性を促すため激励したり、考えを合わせ環境を整備する。
→タスク志向が低く、人間関係志向の高いリーダーシップ
→部下の成熟度:やや成熟
④委任(エンパワーメント)型リーダーシップ(部下が完全に自立性を高めてきた場合)
→権限や責任を委譲する。
→タスク志向・人間関係志向ともに最小限のリーダーシップ
→委任型リーダーシップ
→部下の成熟度:成熟
シチュエーションリーダーシップ
(SL理論 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/28 07:11 UTC 版)
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シチュエーション・リーダーシップ理論,または 状況対応型リーダーシップ理論, または SL理論, は、ポール・ハーシーとケン・ブランチャードによって作成された理論で、組織が機能的に行動するための管理方法に取り組んでいる際開発された。この理論は1969年、彼らによって「リーダーシップのライフサイクル理論」"life cycle theory of leadership"として初めて導入された後、1970年代半ばに「状況対応型リーダーシップ理論」"Situational Leadership Theory"に改名された。国内ではSL理論としての呼称が多い。
このSL理論は、1960年代のオハイオ州立大学で行われた研究に端を発し、ハーズバーグの二要因理論に関連するグループの1つとして開発された。1967年、フレッド・フィードラー(Fred Fiedler)は、実際の調査データを基にリーダーシップの有効性を示すモデルとして「業務への関心度」と「人間への関心度」の2軸からリーダーシップを評価する条件適合理論を明らかにした。ハーシーとブランチャードはこの条件適合理論を受け、二要因理論と条件適合理論の2つの概念を説明するためにSL理論を打ち出した。 またSL理論には、ロバート・R・ブレイクとジェーン・ムートンの管理グリッド理論(en:Managerial Grid)とビル・レッディンの3D Theoryが関連する理論として含まれている。
シチュエーション・リーダーシップ理論の模式図
組織の成熟度(開発レベル)の高まりに合わせて、リーダーシップのスタイルを指示型(ディレクト) →コーチ型(コーチ) →支援型(サポート) →委任型(デレゲイツ)とリーダーシップのスタイルを変えながらが行動を管理する。
リーダーシップのスタイル
ハーシーとブランチャードは、リーダーがフォロワーに与える「業務への関心度」と「人間への関心度」の量の観点からリーダーシップスタイルの特徴付けを行った。彼らは、すべてのリーダーシップスタイルを4つの行動スタイルに分類し、S1からS4と命名した。なお、これらのスタイルのうち3つのスタイルのタイトルは理論のバージョンによって異なる。
S1 | S2 | S3 | S4 |
---|---|---|---|
指示型(ディレクト) | コーチ型(コーチ) | 支援型(サポート) | 委任型(デレゲイツ) |
個人の習熟度が低い、手元の仕事に必要なスキルをすべて満たしていない、手元の仕事には熱心に向き合って取り組む初心者。 | 個人の習熟度が上がり、より多くの手元の仕事をこなし、仕事には意欲的。 | 個人の経験を積んでおり、さらに多くの仕事を実行できるが、自信や責任を負う意思がない。 | 個人は自立できる、自分の能力を十分に発揮することに満足している。仕事に対して責任を負うことに喜びを感じる。 |
なお、すべてのリーダーが常に使用するのに最適と考えられるスタイルはない。効果的なリーダーは柔軟かつ状況に応じて適応する必要がある。
開発レベル(旧成熟度レベル)
適切なリーダーシップのスタイルは、導かれる個人またはグループによって異なる。ブランチャードの状況対応型リーダーシップ理論は、M1からM4までの4つのレベルの成熟度を特定した。成熟度レベルもタスク固有のものであり、人は一般にスキルがあり、自信があり、仕事にやる気があるかもしれないが、持っていないスキルを必要とするタスクを実行するように求められた場合、成熟度レベルはまだM1の状態であるとしている。
その後ブランチャードは、状況対応型リーダーシップ理論 IIで、未熟という考え方は不名誉にあたるため、開発レベルとしてラベルを付け直し、旧来のバージョンをM1からM4とし、後継のD1からD4を示している。
D1 | D2 | D3 | D4 |
---|---|---|---|
熱狂的な初心者 | 幻滅した学習者 | 有能だが慎重な貢献者 | 自立した達成者 |
新しいタスクまたは課題があり、それを解決したい(コミットメントが高い)が、経験が浅い(能力が低い)。自分自身が知らないことを知らない。自分が学びたいと思っており、興奮し、好奇心が強く、学ぶことは難しくないと確信している。 | 自分が程度の能力を獲得したが、期待したほどの進歩を遂げていない。自分自身のコミットメントは思ったよりも難しいか、自分の努力と進歩が認められていないと感じたために落ちこんでいるかもしれない。イライラする可能性があり、タスクや目標を放棄する準備ができている場合もある(コミットメントが低い)。 | 自分はある程度の能力を発揮したが、自分でタスクを実行する自信がない。自己批判的かもしれない。または、特定の目標やタスクに飽きていてコミットメントを失う可能性がある。 | 自分は高い能力とコミットメントの両方を持ち、自信と自発性がある。貢献に対して評価される必要があります。成長と影響力を発揮する機会が必要(多くの指示やサポートは必要ありません)。 |
脚注
「SL理論」の例文・使い方・用例・文例
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