S-67の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 02:15 UTC 版)
「シコルスキー S-67」の記事における「S-67の開発」の解説
AAFSS計画の進捗が遅れると、シコルスキー社は当初シコルスキー S-61の武装型を提案したが、計画に更なる遅れが生じると1970年に「S-67 ブラックホーク」と命名した中型の高速攻撃ヘリコプターを開発した。S-67の開発作業は1969年11月に、製作は翌1970年2月に始まり、同年8月20日に初飛行を行った。 S-67のメインローターとテールローターは5枚ブレードで、メインローターはS-61からの流用であったが、ハブフェアリングと後退角を持つブレード先端を持ち、メインローターにはコレクティブピッチの応答性の向上と作動範囲の増加を図った特製の「アルファ1」(alpha-1)リンク機構を備えるように改良されている。20°の後退角を持つメインローターブレードの先端は、先端マッハ数が高い場合に先端の旋回軌跡での変位を生じさせる(Sub-Multiple Oscillating Track:SMOT)と呼ばれる現象を克服することに貢献している。こららの技術により、S-67は高い最高速度と巡航速度での飛行が可能であった。高速域での抗力減少のために主車輪は完全に小翼内のスポンソンに引き込まれ、減速と機動性向上のために小翼後縁にスピードブレーキを備えている。 S-67はムービングマップ・ディスプレイ、ハンズオン無線周波数選択装置(hands-on-collective radio tune control)、暗視装置を備えている。武装は、30mm機関砲を搭載した戦術兵装ターレット(TAT-140)と16発のBGM-71 TOW対戦車ミサイル、2.75インチ(70mm)ロケット弾またはAIM-9 サイドワインダー空対空ミサイルを搭載することができる。エンジンは、2基のゼネラル・エレクトリック T58-GE5 ターボシャフトエンジンを搭載している。
※この「S-67の開発」の解説は、「シコルスキー S-67」の解説の一部です。
「S-67の開発」を含む「シコルスキー S-67」の記事については、「シコルスキー S-67」の概要を参照ください。
- S-67の開発のページへのリンク