RL10の将来の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 03:22 UTC 版)
2005年、NASAはオリオン宇宙船にアポロのような宇宙船の仕様の提案を採用する事を決めたと発表した。当時、NASAは降下部分として新しい月面連絡モジュール(LSAM)に液体水素と液体酸素を動力として使用する予定だった。当初の計画では上昇段には液化メタンと液体酸素の使用が求められたが、上昇段には現在と同様の液体水素/液体酸素の使用に変更された。液化メタンの使用が検討された背景には将来の火星探査において火星の大気から製造したメタンを使用する為の事前演習の意図があった。 推進剤の選定の条件として赤道軌道から月の極域に宇宙船を着陸する必要があり、NASAはRL10を下降段の主要な動力として使用することを決めた。 現在の仕様では4基のRL10が下降段への使用と1基のRL10が上昇段に使用する事が求められる。現在、デルタIIIとデルタIVで使用されるRL10B-2エンジンは最大出力の20%まで出力を調整できる。月面からLSAMが浮上、円滑に軟着陸する為には新しいRL10は出力を10%まで調整できる必要がある。RL10を使用する事でNASAは既存の機器を使用する事により、有人飛行の為の性能向上の改良にも拘らず経費を低く抑える事を目論む。
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