RLCによる分圧回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/05 21:06 UTC 版)
分圧回路は一般に2つの抵抗器で構成されるが、何らかの周波数を持った信号については、コンデンサやコイルなどの任意のインピーダンスを組み合わせて分圧回路を構成可能である。一般に Z1 と Z2 というインピーダンスがあるとき、電圧は次のようになる。 V o u t = Z 2 Z 1 + Z 2 ⋅ V i n {\displaystyle V_{\mathrm {out} }={\frac {Z_{2}}{Z_{1}+Z_{2}}}\cdot V_{\mathrm {in} }} 実際、分圧回路を抵抗器とコンデンサで構成できる。 抵抗器のインピーダンスは単にその抵抗値である。 Z R = R {\displaystyle Z_{\mathrm {R} }=R} コンデンサのインピーダンスは、周波数が低ければ大きく、周波数が高ければ小さくなる。式で表すと次の通りである。 Z C = 1 j ω C {\displaystyle Z_{\mathrm {C} }={1 \over j\omega C}} ここで C はコンデンサの静電容量、j は虚数単位、ω は入力電圧の周波数(秒当たりのラジアン)である。この分圧回路での電圧は次のようになる。 V o u t V i n = Z C Z C + Z R = 1 j ω C 1 j ω C + R = 1 1 + R j ω C {\displaystyle {V_{\mathrm {out} } \over V_{\mathrm {in} }}={Z_{\mathrm {C} } \over Z_{\mathrm {C} }+Z_{\mathrm {R} }}={{1 \over j\omega C} \over {1 \over j\omega C}+R}={1 \over 1+Rj\omega C}} このように、電圧比は周波数に依存し、周波数が高くなるにつれて比率は小さくなる。この回路は単純なローパスフィルタとなっている。またこの式には、虚数が出てきており、振幅だけでなく位相の変化も含まれている。純粋に振幅の比率だけを計算することもできるが、インピーダンスの代わりにコンデンサのリアクタンスを使って計算してもよい。
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