パリ条約(ぱりじょうやく)Paris convention
”パリ条約”とは、特許などの工業所有権の国際的保護のために、1883年にパリで締結された条約をいう。現在100カ国以上の国が加盟国となっている。日本は、1899年に加盟国となった。
パリ条約では、3つの原則が定められている。1つ目は、内外人平等の原則である。つまり、加盟国は、外国人(加盟国のみ)に対し、自国の国民と同じように、工業所有権についての保護を与えなければならない(内国民待遇)。
2つ目は、優先権を互いに認め合うことである。つまり、いずれかの加盟国で最初に出願した後、1年以内(意匠、商標は6箇月以内)に他の加盟国に出願すれば、出願日を最初の加盟国への出願日と同等に扱うというものである。
3つ目は、各国特許の独立である。つまり、各国の特許は独立しており、他国の特許に従属されないとするものである。
実務的には、2番目の優先権がよく出てくる(1番目の内国民待遇は重要であるが、表には現れにくい)。「パリ優先」などの略語によって話がなされることが多い。
(執筆:弁理士 古谷栄男)
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