Olive (金融サービス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/29 17:39 UTC 版)
Olive(オリーブ)は、株式会社三井住友銀行(SMBC)が提供する個人用の金融サービスである。
概要
オリーブは三井住友銀行の口座、三井住友カードのクレジットカード、ネット証券口座(SBI証券)、保険サービスを一つのアプリでまとめて管理できるサービスを提供するサービスである[1]。さらに、一枚のカードでキャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、ポイント払い(プリペイドカード)の機能を集約し、世界のVisaカードでは初めてフレキシブルペイ機能を搭載した[2][3]。
2023年3月1日から申込受付を開始し[4]、100万アカウントを突破した事が2023年9月8日[5]、200万アカウントを突破した事が2024年2月29日[6]、300万アカウントを突破した事が同年7月26日[7]、500万アカウントを突破した事が2025年3月28日にそれぞれ発表された[8]。同年4月17日に500万アカウント突破感謝イベントが開催された。イベントでは津田篤宏(ダイアン)及び渋谷凪咲も登壇し[9]、マスメディア、ウェブメディア、ジャーナリストのみならず、動画配信者(YouTuber)、ブロガー、インフルエンサーらも取材に訪れた[10][11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21]。
5年で1200万アカウントを目標としているが、SMBCの親会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)社長の中島達は、前倒し達成を目指す考えを明らかにしている[22]。
特徴
キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード(Vポイント支払い)の4機能を1枚のカードに持つ。また、クレジットカード番号は表記されない「ナンバーレスカード」となる。銀行口座番号の表記は任意。
口座
SMBCの既存口座からOliveアカウントへの切替、またはOliveアカウントとして新規口座開設が必要。Olive契約を締結すると下記内容になる。
- 無通帳口座(通帳不発行)[23][24]
- SMBCポイントパックは解約[25][26]
- 他行宛振込が3回まで無料(無制限無料は2023/11/30を持って終了)[26]
- 「未利用口座管理手数料」が適用される[27][28]
- Oliveアカウント契約口座は、1人につき1口座[29]
キャッシュカード
ICチップのみを搭載し、磁気ストライプを持たない仕様。IC対応のATM専用であると共に、J-DebitやPay-easy口座振替受付サービス等、磁気ストライプを用いた取引・手続きは利用できない[30][31]。
口座番号のカードへの表記要否を選択可能。指静脈認証の登録可能(支店窓口へ来店し登録が必要)[24]。
従来のキャッシュカードで設定されていた、「ミドすけ」デザインのカードはOliveでは選ぶことが出来ない。
フレキシブルペイ
番号を一切表記しない、完全ナンバーレスカード[32]。サインパネル(署名欄)無し[33]。アプリによって支払いモードを任意選択する「フレキシブルペイ」を世界で初めて採用[2]。表面上は、4708から始まるデビットモード番号帯が用いられ、アプリで選択した方法(クレジットモード、デビットモード、ポイント払いモード以外に、三井住友カードが発行する一部のVisaカードを追加することも可能である[34])によって決済される。その中で、下記の制約・仕様が存在する。
- 月額利用料等の定期払い(リカーリング取引)は、必ずクレジットモードでの決済となる(クレジット審査が承認された者のみ)[35]
- ガソリンスタンド、一部ホテル等では、デビットモード・ポイント払いモードは不可[35]
- プリペイドカードへのチャージ、乗車券・貴金属など換金性の高い取引については、ポイント払いモードは不可[35]
- iDによる支払いは、必ずデビットモードでの決済となる[36]
- レシート等に表記されるAPL名(アプリケーションラベル)は、必ず「Visa Debit(もしくは VISA DEBIT)」の表記になる(実際の決済は選択したモードに依る)[37][38]
- ウィキペディアなど、海外からの決済について一部が強制的にデビットモードとなる[35]
- クレジットモード専用のカード番号が別途で付与されており、Oliveの通常のカード番号では「デビットカード」と判定されて登録不可となる場合、またiDや上述の一部海外決済元などでクレジットモードを使用したい場合に利用が可能である。ただし、インターネット予約したチケットをカード挿入で受け取る場合など、物理カードが必要な場面ではこの番号は利用できない[39]
- キャッシュカードと異なり、クレジット(またはデビット、プリペイド)の磁気ストライプは有り、カードスワイプでの取引も可能[38]
- クレジットモード請求およびデビットモード利用の引き落とし口座は、当該Olive契約をした口座に限る
- カードの国際ブランドはVisaのみ
Oliveに関連する店舗
デジタル支店
SMBCは、Oliveの開始に合わせてデジタル支店を設置している。SMBCのウェブサイトやアプリケーションソフトウェア(モバイルアプリケーション)から手続した場合にこれらの支店の口座を開設する事が出来る。他の支店とは異なり、窓口営業していない。
- オリーブASH支店 (店番号: 874)
- オリーブBLUE支店 (店番号: 783)
- オリーブCORK支店 (店番号: 668)
- オリーブDILL支店 (店番号: 864)
- オリーブECRU支店 (店番号: 871)
- オリーブFAWN支店 (店番号: 796)
Olive LOUNGE
Olive LOUNGEは、SMBCの店舗である。
- Olive LOUNGE 渋谷店 (東京都渋谷区)[40][41]
- Olive LOUNGE 下高井戸店 (東京都世田谷区)[42]
- Olive LOUNGE 高円寺店 (東京都杉並区)[43]
- Olive LOUNGE 船場 (大阪府大阪市中央区)[44] - 船場支店・御堂筋支店を併設
- Olive LOUNGE 成増店 (東京都板橋区)[45]
- Olive LOUNGE 鶴見店 (神奈川県横浜市鶴見区)[46]
トラブル
2025年4月29日1時20分頃から同日23時16分頃に掛けて、SMBCのシステムに障害が発生し、オリーブASH支店を含む複数の支店・出張所に於いて取引が出来なくなった[47]。
脚注
- ^ “銀行よりカードが主役、「三井住友経済圏」の成否”. 東洋経済オンライン (2023年2月13日). 2023年3月28日閲覧。
- ^ a b “世界初、Visaの新決済機能を使用した「フレキシブルペイ」サービスの提供開始”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年2月3日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “世界初! Visaの「フレキシブルペイ」提供開始へ - 1枚のカード・アカウントに複数のカード・ポイントを集約する新決済機能”. マイナビニュース (2023年2月7日). 2023年3月28日閲覧。
- ^ 『個人のお客さま向けの総合金融サービス「Olive」2023年3月1日より申込受付開始』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『三井住友銀行「Oliveアカウント」開設100万件突破!』(プレスリリース) 。
- ^ 『個人のお客さま向け総合金融サービス「Olive」 200万アカウントを突破』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『個人のお客さま向け総合金融サービス「Olive」300万アカウントを突破』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『個人のお客さま向け総合金融サービス「Olive」サービス開始から2年で500万アカウントを突破』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 「渋谷凪咲、ダイアン・津田篤宏の薄情ぶりを暴露「思い出の曲を一切…」」『ORICON NEWS』2025年4月17日。
- ^ Shinpoi_OTOKUのツイート(1912716634487419380)
- ^ InoueJunitiのツイート(1912730648894423431)
- ^ chibiusachiのツイート(1912739247146299702)
- ^ Rabbidayonnのツイート(1912757271412498621)
- ^ makun_msのツイート(1912755294746165414)
- ^ STARS_STRIPES_5のツイート(1912757001102455180)
- ^ lisa166cmのツイート(1912757235274375577)
- ^ muukootokuのツイート(1912764120996409491)
- ^ POIKATSU_OTAKEのツイート(1912844895842419192)
- ^ mini_poiのツイート(1912850175577792557)
- ^ setsuyaku_fufuのツイート(1912902631460155427)
- ^ mikko_kakeiのツイート(1913021061354176573)
- ^ 「個人向けサービス「オリーブ」登録者数目標前倒しも 三井住友FGの中島達社長」『産経新聞』2024年2月26日。
- ^ “Oliveアカウント”. 三井住友銀行. 2023年5月26日閲覧。
- ^ a b “Oliveアカウントはじめてガイド”. 三井住友銀行. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “Oliveアカウント/SMBCポイントパックの契約があるか確認したい | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月26日閲覧。
- ^ a b “比較するとこんなにお得!OliveアカウントとSMBCポイントパック: 三井住友銀行”. 三井住友銀行. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “未利用口座管理手数料”. 三井住友銀行. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “未利用口座管理手数料についてのご説明” (pdf). www.smbc.co.jp. 三井住友銀行. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “【Olive】Oliveアカウントの契約口座を追加で開設したい | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “【Olive】ジェイデビットカードサービスの利用はできますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “【Olive】キャッシュカードを使って口座振替契約の申込みはできますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “三井住友カード - Olive|キャッシュレスが見える、まとまる、使い分ける。”. 三井住友カード - Olive|キャッシュレスが見える、まとまる、使い分ける。. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “Visaで世界初!フレキシブルペイ機能搭載のカード「Oliveフレキシブルペイ」 | 【ヒトトキ】三井住友カード”. クレジットカードの三井住友VISAカード (2023年5月22日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “支払いモードを追加する|Olive フレキシブルペイ|三井住友VISAカード”. 三井住友カード. 2024年12月6日閲覧。
- ^ a b c d “ご利用上の注意|Olive フレキシブルペイ|三井住友VISAカード”. 三井住友カード. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “FAQ詳細 -OliveフレキシブルペイでiDを利用するとデビットモードでの利用になるのはなぜですか? | 三井住友カード株式会社”. qa.smbc-card.com. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “【実際に使ってみた】Oliveフレキシブルペイのカード番号は全部同じ。完全クラウドで切り替わる仕組みだった | 電子決済マガジン” (2023年3月11日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ a b “SMBCグループの「Oliveフレキシブルペイ」 変幻自在な「マルチナンバーレスカード」は“なに”カード?”. ITmedia Mobile. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “Oliveフレキシブルペイでネットショッピングをする際に、カード番号が登録できません。なぜですか?”. 三井住友カード. 2024年12月6日閲覧。
- ^ 『「Olive LOUNGE 渋谷店」開設のお知らせ』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『「Olive LOUNGE 渋谷店」開設のお知らせ』(プレスリリース) 。
- ^ 『銀行・カフェ・オフィスが一体になった新店舗「Olive LOUNGE 下高井戸店」が10月7日オープン』(プレスリリース) 。
- ^ 『銀行・カフェ・オフィスが一体になった新店舗 「Olive LOUNGE 高円寺店」2025年3月3日オープン』(プレスリリース) 。
- ^ 『銀行・カフェ・オフィスが一体になった新店舗 関西初となる「Olive LOUNGE 船場」が4月7日オープン』(プレスリリース) 。
- ^ 『銀行・カフェ・オフィスが一体になった新店舗「Olive LOUNGE 成増」2025年4月14日オープン』(プレスリリース) 。
- ^ 『銀行・カフェ・オフィスが一体になった新店舗「Olive LOUNGE 鶴見」2025年4月28日オープン』(プレスリリース) 。
- ^ 「三井住友銀のATM、関西などでシステム障害 ほぼ1日かけ復旧」『朝日新聞』2025年4月29日。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- Olive|Fit For Your Cashless Living. - 三井住友カード
- Olive_(金融サービス)のページへのリンク