OCHAによる健康被害報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 11:04 UTC 版)
「チェルノブイリ原発事故の影響」の記事における「OCHAによる健康被害報告」の解説
1991年、国連はチェルノブイリ信託基金 (Chernobyl Trust Fund) を創設し、管理運営は国際連合人道問題調整事務所 (OCHA) が担うことになった。OCHAは、2000年に「Chernobyl A Continuing Catastrophe」を発表し、被害の概観を報告している。事故から20年を経た2006年には、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの国家レポートが、それぞれの国ごとに寄せられている。 OCHAの立ち上げた「The United Nations and Chernobyl」によると、核分裂生成物、大気中に放出された放射性核種は約520種類にも及び、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの三カ国で、840万人近くの人達が放射線に曝されたとの見積りがなされている。 「The United Nations and Chernobyl」によると、ウクライナでは350万人以上が事故の影響を受けており、その内の150万人が子供であった。癌の症例数は19.5倍に増加し、甲状腺癌で54倍、甲状腺腫は44倍、甲状腺機能低下症は5.7倍、結節は55倍となった。 ベラルーシでは放射性降下物の70%が国土の4分の1に降り、50万人の子供を含む220万人が放射性降下物の影響を受けた。ベラルーシ政府は15歳未満の子供の甲状腺癌の発生率が2001年には1990年の2000例から8,000-10,000例に急激に上昇したと推定している。 ロシアでは270万人が事故の影響を受け、1985年から2000年に汚染地域のカルーガで行われた検診では癌の症例が著しく増加しており、それぞれ、乳癌が121%、肺癌が58%、食道癌が112%、子宮癌が88%、リンパ腺と造血組織で59%の増加を示した。
※この「OCHAによる健康被害報告」の解説は、「チェルノブイリ原発事故の影響」の解説の一部です。
「OCHAによる健康被害報告」を含む「チェルノブイリ原発事故の影響」の記事については、「チェルノブイリ原発事故の影響」の概要を参照ください。
- OCHAによる健康被害報告のページへのリンク