L3計画の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:39 UTC 版)
ソユーズL3計画の概要は以下の通りである。 有人月面着陸の1ヶ月前、生命維持装置および酸素タンク付の無人月面車「ルノホート3号」「ルノホート4号」がプロトンロケットによって打ち上げられる。ルノホート3・4号は、有人月面着陸候補地点に軟着陸し、周囲を走行・調査して、有人月面着陸に対して安全な、平坦な場所で停止する。ルノホート3・4号は、LKを誘導する位置電波信号を発する。 有人月面着陸の数日前、無人の「ソユーズL3複合体」(ソユーズLOK月周回母船・LK月面着陸船・ブロックD燃料および推進部から構成される)が、N-1ロケットによって打ち上げられる。それらは無人自動操縦によって、ソユーズLOKを月周回軌道に、LKを月面のルノホート3・4号の近傍に、それぞれバックアップとして配置する。 無人のソユーズLOKおよびLKが問題なく作動していることが確認されると、二人の人間が乗ったソユーズL3複合体がN-1ロケットによって打ち上げられ、月へと向かう。ソユーズLOKもLKも、基本的には自動操縦で、人間が操縦桿を握るのは緊急時のみとされていた。月周回軌道到着の翌日、一人の宇宙飛行士が、ソユーズLOKから宇宙遊泳によってLKへと乗り移る。有人のLKは、既に有人月面着陸予定地点で待機しているルノホート3・4号からの位置電波信号を頼りに、ルノホート3・4号の近傍に全自動で着陸する。月面での滞在は6~24時間を予定していた。 万が一、有人のLKに故障が起こった場合には、月着陸飛行士はルノホートに乗車・運転し、近傍のバックアップLKに乗り移る予定だった。月面調査終了後、飛行士を乗せたLKは月周回軌道へと上昇し、ソユーズLOKとドッキングする。LKからソユーズLOKへの宇宙飛行士の移乗は、宇宙遊泳によって行われる。ソ連初の月面着陸宇宙飛行士に内定していたのは、人類初の宇宙遊泳を遂げたアレクセイ・レオーノフだった。月面着陸は合計3回を予定していた。
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