L-カルニチンの生合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 14:06 UTC 版)
「カルニチン」の記事における「L-カルニチンの生合成」の解説
「カルニチンの生合成(英語版) 」も参照 L-カルニチンはヒトの体内で生合成されるため、ビタミンではない。L-カルニチンは、ヒトにとっての必須アミノ酸であるリジンとメチオニンの2つのアミノ酸から、肝臓や腎臓において生合成される生体成分である。このため、カルニチンは「アミノ酸の誘導体」などと説明される場合もあるものの、カルニチンは、構造的に広義のアミノ酸の定義にすら該当しない物質である。 ヒトの体内においては、L-カルニチンの生合成の開始物質は、リジンである。まず、メチオニンはS-アデノシルメチオニンに変換され、メチル基転移酵素の力を借りて、リジンの側鎖のアミノ基へと、S-アデノシルメチオニンが持つメチル基を転移させる。この部分が、カルニチンの4級アンモニウムの部分である。さらに続く反応で、今度は別な酵素の力を借りて、リジンの側鎖に水酸基が、立体選択的に付与される。つまり、ここでL体になる事が運命付けられる。この後も複数の段階で、別な酵素の力を借りて加工されてゆく事から明らかなように、要するに、カルニチンはリジンの側鎖の誘導体と説明できる。 ヒト体内でのL-カルニチンの生合成のためには、原料のリジンと、メチル基供与体のS-アデノシルメチオニン以外に、ビタミンC、鉄、ビタミンB6、ナイアシンが体内に不足すると、酵素の反応に支障を来たす場合がある。
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