IS-LM分析
(IS曲線 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/17 04:18 UTC 版)
IS–LM分析(アイエスエルエムぶんせき)または IS–LMモデル (IS–LM model) とは、国民所得と利子率を用いて財市場と貨幣市場の同時均衡を分析することである。また、短期における価格硬直性を仮定している。ハンセン=ヒックスモデルとも呼ばれる。
注釈
- ^ 人々が政策問題に目を向けたときに、過去を参考に考えるのではなく未来を予測したうえで考えるのであれば、このような均衡モデルの手法の信頼性はより一層疑わしくなる。(When one turns to questions of policy, looking towards the future instead of the past, the use of equilibrium methods is still more suspect.)
- ^ 期待(expectations)が不確定でなければ、流動性に意味がなくなってしまうからである。
- ^ 財市場とはモノやサービスを売買する市場である。
- ^ 貨幣の供給とは経済に流通する貨幣のことである。
文献
- ^ Hicks 1937.
- ^ a b Hicks 1980.
- ^ Mankiw, N.G., "The Macroeconomist as Scientist and Engineer" (2006), p. 19.
- ^ a b N. G. Mankiw
- ^ IS-LMentary The conscience of a liberal 2011年10月9日
IS 曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 02:26 UTC 版)
IS 曲線(アイエスきょくせん、IS curve)は、財市場 の均衡を達成する国民所得 Y と利子率 r の組み合わせが描く曲線である。財市場の均衡とは、財市場における有効需要と供給が一致することを指す。 有効需要は以下の形で与えられる。 Y d = C + I {\displaystyle Y^{\mathrm {d} }=C+I} :有効需要 = 消費 + 投資 三面等価の原則により、総供給 Y s は国民所得 Y に等しい。 Y s = Y {\displaystyle Y^{\mathrm {s} }=Y} :総供給 = 国民所得 消費 C は国民所得 Y と貯蓄 S の差 Y - S として定義される。 C ≡ Y − S . {\displaystyle C\equiv Y-S.} 従って国民所得は消費と貯蓄の和に等しく、 Y = C + S {\displaystyle Y=C+S} 財市場の均衡条件 Y d = Y s {\displaystyle Y^{\mathrm {d} }=Y^{\mathrm {s} }} より C + I = C + S , {\displaystyle C+I=C+S,} すなわち投資額と貯蓄額が均衡する。 I = S . {\displaystyle I=S.} 利子率が下がれば、貯蓄するより投資するほうが収益性が高くなるので投資が増える。他方で投資の増加分による乗数効果によって有効需要が増加する。これにより新しい財市場の均衡点では、国民所得が増加することとなる。 ここで、財市場が均衡している点では必然的に貯蓄が投資と一致しているので、利子率の低下による投資の増加分が、貯蓄の増加分に等しいとき、財市場は均衡している。 この貯蓄と投資が等しくなる利子率と国民所得の組み合わせを示す曲線を IS 曲線という。この曲線は、縦軸に利子率 r、横軸に国民所得 Y をとれば、特別な場合を除いて右下がりの曲線になる。言い換えると、財市場が均衡する場合の利子率 r (Y) は国民所得 Y の減少関数になる。 仮に経済が IS 曲線の左側にあるならば、利子率の下落により投資が増加している、もしくは、国民所得の減少により貯蓄が減少し S < I の状態になっていることから、財の超過需要の状態にある。反対に IS 曲線より右側の領域では、財の超過供給が発生している。つまり、経済が IS 曲線上にない場合、財市場は不均衡となっていると考えられる。 なお投資の利子弾力性が大きいほど、IS 曲線の傾きはより水平に近づく。また同一の利子率における投資 I の増大(あるいは乗数値の増大)、あるいは消費 C、政府支出 G や純輸出 NX の増大による総需要 I + C + G + NX の増大は IS 曲線を右方シフトさせる。
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