ICD-10における臨床記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 00:07 UTC 版)
「解離性同一性障害」の記事における「ICD-10における臨床記述」の解説
世界保健機関 (WHO) によって 1992年に公表された「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems第10版、略称ICD-10)」の定義では、「解離性障害」に相当するのが「F44 解離性(転換性)障害」であり、その下に「F44.0 解離性健忘」や「F44.7 混合性解離性(転換性)障害」など9つに分かれる。 DIDに該当するものはその8番目「F44.8 他の解離性(転換性)障害」のさらに下の「F44.81 多重人格障害(Multiple Personality Disorder)」である。つまりDSM-IV-TRよりも1段下がった、ガンザー症候群と同レベルの位置づけである。そしてその記述の冒頭には「この障害はまれであり、どの程度医原性であるか、あるいは文化特異的であるかについては議論が分かれる」とある。医原性とは治療者の催眠術や暗示によって作り出されたものではないかということである(後述)。これはICD-10がリリースされた1992年以前にはその事例が北米に集中し、他国ではあまり報告がなく、多くの国の精神科医が懐疑的であったことをあらわしている。記述自体はDSMはIII-Rに近く以下の通りである。 主な症像は、2つ以上の別個の人格が同一個人にはっきりと存在し、そのうち1つだけがある時点で明らかであるというものである。おのおのは独立した記憶、行動、好みをもった完全な人格である。それらは病前の単一な人格と著しく対照的なこともある。
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