HIV感染との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 15:42 UTC 版)
ヒトにおいて、CCR5はHIV感染の機序に強く関与している。多くのHIV株が、宿主細胞に入り感染するための最初の段階でCCR5を利用している。CCR5の遺伝子にCCR5-Δ32として知られている変異を持つ集団がいる。この突然変異のホモ接合体のキャリアである人々は、マクロファージ指向性(M-tropic)のHIV-1感染に耐性を持つ。 このCCR5の変異体であるCCR5Δ(- デルタ)遺伝子が大量発生したのは今から700年前とみられ、ヨーロッパにおいて天然痘による自然選択・淘汰によって残った説が今のところは有力で、ヴァイキングの移動にともなって広がったものとみられる(この変異体の遺伝子の東アジア人における保有率はゼロである)。この遺伝子は、HIVに対する耐性が高い一方で、西ナイルウイルスに感染しやすく、HIV治療に応用するには課題が残されている。
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