CCR5-Δ32
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:14 UTC 版)
抗HIV薬のターゲットとしてCCR5共役受容体に注目が集まったのは、1996年にCCR5コーディング遺伝子の変異型であるCCR5-Δ32(CCR5 delta-32)が発見されてからである。この遺伝子の32塩基対が欠失するとCCR5受容体が機能しなくなる。白人集団におけるこの突然変異の頻度は0.0808であるが、アフリカ系やアジア系集団はこの変異を持たないようである。Δ32変異体を2コピー有する(Δ32ホモ接合体)場合は機能的なCCR5受容体を持たないため、HIV感染に対して高い抵抗性を示す。一方、Δ32変異体を1コピーと正常なCCR5遺伝子を1コピー有する(Δ32ヘテロ接合体)場合は依然としてHIV-1に感染しやすいが、正常なコピーを2つ持つ場合に比べ病気の進行が著しく遅れる。CCR5アンタゴニストはCCR5受容体を変形させるという同様の原理で、HIV gp120タンパク質との結合を防ぐ。
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