HD 4628
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 08:00 UTC 版)
HD 4628 | ||
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星座 | うお座 | |
見かけの等級 (mv) | 5.74[1] | |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 00h 48m 22.9763438736s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | +05° 16′ 50.209562003″[2] | |
視線速度 (Rv) | -10.165 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 755.561 ± 0.212 ミリ秒/年[2] 赤緯: -1,141.745 ± 0.104 ミリ秒/年[2] |
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年周視差 (π) | 134.4990 ± 0.0890ミリ秒[2] (誤差0.1%) |
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距離 | 24.25 ± 0.02 光年[注 1] (7.435 ± 0.005 パーセク[注 1]) |
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絶対等級 (MV) | 6.4[注 2] | |
HD 4628の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 0.76 +0.1 −0.3 R☉[3] |
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質量 | 0.793 M☉[4] | |
表面重力 | 44 G[4][注 3] | |
自転速度 | 2.0 km/s[3] | |
自転周期 | 42.8 +0.4 −0.9 km/s[3] |
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スペクトル分類 | K2.5 V[5] | |
光度 | 0.294 ± 0.011 L☉[3] | |
表面温度 | 4,998.2 K[4] | |
色指数 (B-V) | 0.890[1] | |
色指数 (V-I) | 0.97[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.20[4] | |
年齢 | 4.334 +0.162 −0.308 ×109 年[3] |
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他のカタログでの名称 | ||
BD+04 123, HIP 3765, HR 222, LHS 121, SAO 109471[2] | ||
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HD 4628あるいはグリーゼ33は、うお座にある主系列星である。年周視差を基に計算した太陽からの距離は、約24光年である[2]。見かけの等級は5.74と、辛うじて肉眼でみえる明るさである[1]。
特徴
太陽 | HD 4628 |
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HD 4628は、スペクトル型がK2.5 Vと分類される、橙色主系列星である[5]。有効温度は5,000 K程度で、質量、半径は太陽の8割に満たない太陽よりやや小ぶりの恒星である[4][3]。カルシウムイオンのH線・K線の強度から推定したHD 4628の活動性は、低調とみられる[6]。紫外線天文衛星EUVEによって検出された極端紫外線と、X線天文衛星ROSATによる観測結果とから、HD 4628の周囲には、典型的な温度である100万Kよりも低温のコロナが広がっていると考えられ、その温度は理論にもよるがおよそ60万Kと推定される[6]。
ファン・マーネンは、HD 4628を観測している時に、太陽から最も近い既知の白色矮星であるファン・マーネン星を発見した[7]。
伴星
HD 4628は、ハインツによって伴星の発見が報告されたことがある。ハインツは、2回その伴星を検出し、その2回で明るさが変化したことから、伴星は変光星(閃光星)ではないかとした。しかし、ハインツ自身伴星を検出できたのはその2回だけで、他の観測では検出されず、別の追観測でも検出されたことがない。補償光学やスペックル干渉法を用いたより詳細な観測でも発見できておらず、視線速度にも伴星の存在を示唆する変化はみられないことから、伴星が実在する可能性は低いとみられている[8]。
なお、ワシントン重星カタログには、ハインツが報告したB星の他に別のC星が収録されているが、こちらは見かけだけの関係であることがわかっている[8]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
00h 48m 22.9763438736s, +05° 16′ 50.209562003″
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