メンデルスゾーン:「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調 | Fantasie über 'The last rose of summer' E-Dur Op.15 U 74 | 作曲年: 1827年 出版年: 1833年 初版出版地/出版社: Mechetti, Vienne |
作品解説
1827年に作曲された。アイルランドの国民的詩人、兼作曲家のトーマス・ムーア(1779-1852)の詩によるアイルランド民謡《夏の名残りの薔薇》が基になっている。 この民謡は、世界中の人々に親しまれている名曲であるが、メンデルスゾーンによってさらに身近なものになった。《「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調》は、サロンでも流行し、しばしば演奏されたようだ。
曲の冒頭から、ホ短調の分散和音により、静かで幻想的な響きがつくられる。その後ホ長調で優しく歌われるのが、《夏の名残りのバラ》の主題である。中間部は、ホ短調、プレスト・アジタートではじまり、徐々に動きを増していく。ここでは16分音符が左右の手で交互に奏されるが、主要な音の動きを明確にきかせる必要がある。また、アダージョで挿入される主題の断片や、ゆっくりと歌われるレチタティーヴが登場し、プレスト・アジタートのリズムと対照を成して幻想的な効果をあげている。再びアンダンテで主題が優美に歌われ、最後は消えるように曲を閉じる。
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