DUCO HOUSEHOLD CEMENT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 03:01 UTC 版)
「万能接着剤」の記事における「DUCO HOUSEHOLD CEMENT」の解説
デュポン (Du Pont)のDU PONT HOUSEHOLD CEMENT(「家庭用セメント」)はニトロセルロース系の接着剤。成分の"pyroxylin"(「パイロキシリン」「ピロキシリン」)とは、ニトロセルロースの一種で硝化度11.5% - 12.3%のもの。特徴的なのは、耐水性と透明性に加えて「衛生的(本品は膠と違い、動物の死骸が入っておりません)」であることを利点として挙げている点である。商品名も"glue"(膠)ではなく"cement"にしている。においは「心地よい熟成バナナのにおい」と形容している。 チューブ入り品は1916-1917年から販売。原型となる工業用接着剤製品"Belt Cement"は1914年以前から販売していたが、チューブ入り品発売の発端は、ある化学博覧会で来客へのノベルティとして"Belt Cement"を小さなチューブに小分けした試供品を配布したこと。これが想定外の人気で、博覧会終了後も要望が相次いだため、家庭用に改良したうえで金属製チューブ入り品を"HOUSEHOLD CEMENT"という商品名で発売した。大した宣伝もしていないのに、客の口コミで普及したとのこと。 日本では三越が販売していた。日本でデューコはメンダインよりも更に高価だった。 1929年にデュポンは本品のブランドを"DU PONT"から"DUCO"(「デューコ」)に切り替えて商品名をDUCO HOUSEHOLD CEMENTに変更。2020年現在も"DUCO"の接着剤用登録商標はデュポンが保有しているが、イリノイ・ツール・ワークス (ITW)に使用許諾を与えており、ITWが"DEVCON"ブランドで"DUCO CEMENT"というニトロセルロース系接着剤を販売している。
※この「DUCO HOUSEHOLD CEMENT」の解説は、「万能接着剤」の解説の一部です。
「DUCO HOUSEHOLD CEMENT」を含む「万能接着剤」の記事については、「万能接着剤」の概要を参照ください。
- DUCO HOUSEHOLD CEMENTのページへのリンク