五葉松類発疹さび病
和名:五葉松類発疹さび病 |
学名:(病原菌)Cronartium ribicola Fischer |
分布:北海道,本州中部以北 |
写真(上):ストローブマツの樹幹に発生したさび胞子堆 |
写真(下):ハイマツに発生したさび胞子堆 |
説明 世界3大樹木病害の一つに数えられる有名な病害であり,北米では五葉松産地で脅威となっている。しかし日本では,過去に北海道のストローブマツ造林地で大発生した以外には被害としては問題になっていない。それは,本菌は東アジア原産で,日本の五葉松類が本病に対して抵抗性を持っているためであり,菌の発生は本州中部山岳地帯,北海道のハイマツでかなり普通に見ることができ,ハイマツの枝枯れを起こす。病原菌は中間宿主を必要とし,マツの枝・幹にはさび胞子世代が,中間宿主のスグリ,シオガマギク類には夏胞子・冬胞子世代が形成される。遺伝的に中間宿主を必要としない特殊な系統も,東北地方,北海道には存在し,異なった属であるEndocronartium属菌として扱われている。 |
五葉マツ類発疹さび病
(Cronartium ribicola から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/13 02:28 UTC 版)
五葉マツ類発疹さび病(ごようマツるいほっしんさびびょう、英名:white pine blister rust)は、マツ属(学名:Pinus)の樹木に発生する感染症である。病原菌はシベリアなどのアジア地域原産と見られ、抵抗性のないアメリカ大陸の五針葉マツ類に対して枯死を伴う激害をもたらしている。同じくアメリカで猛威をふるうクリ胴枯病、ニレ立枯病と共に世界の三大樹木病害に数えられている。
- ^ a b 佐保春芳(1965)米国西北部のストローブマツ発疹さび病について(特別講演). 日本林学会北海道支部講演集14, 1-5.
- ^ Maloy, O.C.. 2003. White pine blister rust. The Plant Health Instructor
- ^ ニコラス・マネー著・小川眞訳(2008)チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話 植物病理学入門. 築地書館
- ^ Cronartium orientale(マツこぶ病菌)、筑波大学植物寄生菌学研究室
- ^ 金子繁(1992)ハイマツ発疹さび病菌Endocronartium sahoanum の生活史と人工培養.日本植物病理學會報 58(4), 544-545
- ^ 松崎清一 (1977) 五葉マツ発疹さび病罹病木の病態解剖(II) : ストローブマツ幹・枝に形成された銹子のうの形態と病患部の組織学的反応. 日本林学会誌59(3)89-93.
- ^ J. T. Blodgett and K. F. Sullivan (2004) First Report of White Pine Blister Rust on Rocky Mountain Bristlecone Pine. plant disease 88(3), 311.
- ^ 千葉修(1975)改訂樹病学. 地球社, 東京.
- 1 五葉マツ類発疹さび病とは
- 2 五葉マツ類発疹さび病の概要
- 3 発病要因
- 4 脚注
- Cronartium ribicolaのページへのリンク