CTGの所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 22:26 UTC 版)
CTGにおいて確認すべき項目としては、基線の高さ、基線細変動の有無、一過性変動の有無及び波形である。 胎児心拍数基線とその細変動 正常では胎児の心拍数は110~160bpmであるのが正常である。180bpm以上では高度頻脈、100bpm以下では高度徐脈と判定する。頻脈では母体、胎児の感染や胎児の不整脈を疑う。徐脈では胎児不整脈が多い。正常では6~25bpmの細変動を伴う。細変動の減少、消失は胎児ジストレスの可能性がある。他の細変動の異常としてはサイナイゾルパターンというものが知られており、胎児の心不全を示唆する。貧血、低酸素状態を疑う2~5cpmの正弦波を示す。 一過性変動 一過性頻脈、早発一過性徐脈、遅発一過性徐脈、変動一過性徐脈の4種類が有名である。一過性頻脈は基線よりも15bpm以上の心拍数増加が15秒以上持続するものである。32週未満では基線よりも10bpm以上の心拍数増加が10秒以上持続するものとする。これは胎児が良好である徴候である。早発一過性徐脈は子宮収縮に伴ってほぼ同時に胎児心拍数が減少し、収縮終了とともに回復するものである。児頭圧迫による正常反応である。子宮収縮の波形と心拍数減少の波形が対象形となる。通常、心拍数減少の開始から最下点まで30秒以上でゆるやかに下降する。遅発一過性徐脈は子宮収縮よりも少し遅れて胎児心拍数が減少し、子宮収縮の修了より遅れて心拍数が回復するものである。これは胎盤機能不全を示す徴候である。基線細変動の減少、消失を伴う場合は急速遂娩の必要がある。通常、心拍数減少の開始から最下点まで30秒以上でゆるやかに下降する。変動一過性徐脈は臍帯圧迫を示す所見であり羊水過少症でよく出現する。徐脈の出現と子宮収縮の関係が徐脈ごとに異なる。15bpm以上の心拍数減少が30秒未満の経過で急速におこる。そのた、遷延性一過性徐脈というものもある。これは15bpm以上の心拍数減少が2分以上10分未満持続することである。10分以上の変化は基線の変化とみなす。これは様々な病態で出現するため評価が難しい。
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