CHIPSとFedwireの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/23 05:19 UTC 版)
「CHIPS」の記事における「CHIPSとFedwireの違い」の解説
CHIPS は三つの重要な点で Fedwire と異なっている。第一に、CHIPS が民間所有であるのに対し Fedwire は監督官庁の一部である。第二に、CHIPS の加盟行は(合併した銀行が重複加入しているものを含め)47行なのに対し、Fedwire を通じて資金移動が可能な金融機関は 2009年3月19日現在 9,289行存在する。第三に、CHIPS はネッティング機関である(従ってリアルタイムではない)。 ネッティング機関は仕掛かり中の支払い全てを取りまとめて、より少ないトランザクションに整理する。例えば、もし A 銀行が B 銀行に 120万ドルを支払おうとしており、同時に B 銀行が A 銀行に 80万ドルを支払うとする場合、CHIPS システムはこれらを清算(相殺)して A 銀行から B 銀行への単一の支払い 40万ドルに整理する。この例で言えば、都合 200万ドル中で実際に移動するのは 20%となる(ネット決済)。Fedwire の場合は二つの別々の支払いを相殺せず、敢えてそのまま実行することが求められる(A から B に 120万ドルを支払い、B から A に80万ドルを支払う(グロス決済))。従って CHIPS ではネット金額の 40万ドルがあれば決済できるが、Fedwire ではグロス金額の 200万ドルが必要になる。このようにネット決済の方が必要資金は少なくて済むが、反面、システミックリスクを回避する上ではグロス決済の方が優れている。 ドル取引を行う中でも最も大規模な銀行のみが CHIPS に加盟している。うち 70%は諸外国の銀行である。より小規模な銀行は CHIPS に参加した場合の費用対効果が見合わないため加盟していないが[要出典]、それらの多くは CHIPS 加盟行に口座を開設して支払いを送受している。
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