CEAとCASの選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 06:07 UTC 版)
「頸動脈狭窄症」の記事における「CEAとCASの選択」の解説
各種治療法の特徴をまとめる。 BMTCEACASメリット 無侵襲 血行再建可能、プラーク摘出 血行再建可能、低浸襲 デメリット 血行再建不能、プラーク残存 全身麻酔、頸部への侵襲、過灌流 プラーク残存、過灌流、徐脈低血圧 プラークの性質が治療に与える影響 あり なし あり BMTは血行再建ができないため血流低下により発症した例では無効であり、不安定プラークに対する再発予防としては不十分な可能性がある。CEAの最大のメリットはプラークの摘出し血行を再建することができるためその効果はプラークの性質と関係ない。しかし全身麻酔が必要であり、頸部に対する外科処置であり、過灌流症候群が生じることがある。CASは全身麻酔が不要で外科的侵襲なく血行再建ができるメリットがあるが周術期の徐脈低血圧、過灌流の可能性がある。CEAに関してはCEA高危険群が知られておりこれらを回避することで治療成績は向上する。またCASに関しては高齢者の治療成績が悪いことが報告されつつある。しかしCASの高危険群は明らかになっていない。不安定プラークではCAS周術期の脳卒中が高いという結果があるが知られている。このデータでは低エコープラークでは周術期梗塞が7.1%でその他のプラークでは1.4%であった。症候性病変の多くは部分的にはT1強調画像で高信号を示し、低エコーを示すためこれらをすべて高危険として回避するとCASの適応はなくなってしまう。不安定プラークは決してCASの禁忌ではない。現状としてプラーク診断のみでCEAとCASの適応を決定するのは困難である。 高度狭窄、長い病変、総頸動脈病変はプラークが多く、低エコー、T1強調画像での高信号、TOFでの高信号と線維性被膜の断裂は不安定プラークでありCASのリスクが高いプラークと思われる。プラーク診断を参考に、プラーク量や病変の屈曲度、アプローチルートの状態、CEAの難度を考慮し治療法を決定する。
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