7『閉ざされた部屋』
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「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の記事における「7『閉ざされた部屋』」の解説
『閉ざされた部屋』(とざされたへや、原題:英: The Shuttered Room)。1959年にアーカムハウスから出版された短編集の表題作である。邦訳はクト7「閉ざされた部屋」東谷真知子訳、真ク2&新ク4「開かずの部屋」波津博明訳。 ダーレスが手掛けたインスマス物語群の1つでもあり、『ダニッチの怪』『インスマスの影』の2作品の後日談で、ダニッチ村における深きものどもの血をテーマとしている。本作は『ダニッチの怪』とは同じ舞台であり、同様の演出が用いられている。たとえば、『ダニッチの怪』では不可視の怪物を演出するために夜鷹の鳴き声を利用したが、本作では夜鷹に加えて蛙がうるさく鳴くという表現法が用いられている。 東雅夫は「『ダニッチの怪』のインスマス・バージョンといった趣の作品だが、結末で「ママ、ママァ」と悲痛な叫びをあげる化物の忌まわしさはなかなかのもの」と解説している。那智史郎は「ダーレスお得意のインズマス、ダンウィッチ後日譚。マーシュ一族とウェイトリー一族の男女が結婚してしまうという、ラヴクラフトというよりもダーレス神話の典型的作品である」と解説する。 また1959年版単行本には、リン・カーターの『クトゥルー神話の神神』『クトゥルー神話の魔道書』が収録されており、クトゥルフ神話の体系化が意図されている。 1966年に『太陽の爪あと』の邦題で映画化されている。こちらを東は「肝心かなめの化物はどこへやらの演出で、怪物派のファンを失望させた」と解説している。
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