アセトイン
3-ヒドロキシ-2-ブタノン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 07:20 UTC 版)
3-ヒドロキシ-2-ブタノン | |
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3-Hydroxybutan-2-one
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別称
3-Hydroxybutanone
Acetyl methyl carbinol |
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識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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ChEBI |
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ChemSpider | |
ECHA InfoCard | 100.007.432 |
EC番号 |
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KEGG | |
PubChem CID
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RTECS number |
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UNII | |
CompTox Dashboard (EPA)
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特性 | |
化学式 | C4H8O2 |
モル質量 | 88.11 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
匂い | ヨーグルトのような |
密度 | 1.012 g/cm3 |
融点 | 15 °C, 288 K, 59 °F |
沸点 | 148 °C, 421 K, 298 °F |
水への溶解度 | 1000 g/L (20 °C) |
その他溶媒への溶解度 | エタノールに溶ける。 ジエチルエーテル、石油エーテルにわずかに溶ける。 プロピレングリコールと混和する。 植物油に溶けない。 |
log POW | −0.36 |
酸解離定数 pKa | 13.72 |
比旋光度 [α]D | −39.4 |
屈折率 (nD) | 1.4171 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | MSDS |
引火点 | 41 °C (106 °F; 314 K) |
半数致死量 LD50 | > 5000 mg/kg (ラット, 経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
3-ヒドロキシ-2-ブタノン (3-hydroxy-2-butanone) は分子式 C4H8O2 で表されるα-ヒドロキシケトン (アシロイン) である。 アセトイン (acetoin) の慣用名がよく使用されている。
性質
ヨーグルト、バター様の香りを持つ化合物であり、主に発酵食品に香気成分として含まれるが、野菜や果物にも少量含有される。
室温で放置すると、二分子でそれぞれのカルボニル基にヒドロキシ基が付加してヘミアセタール化した二量体である2,5-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオールを徐々に形成する。これは融点 90 °Cの結晶性物質であるが、融点以上に加熱すると単量体に戻る。
水、エタノール、プロピレングリコール、ジクロロメタンなどに可溶。溶液の状態では単量体のまま保存できる[1]。
合成
アセトアルデヒドのチアゾリウム塩触媒を用いたベンゾイン縮合によって合成される。その他、酢酸エステルのアシロイン縮合や2,3-ブタンジオールの微生物酸化、2,3-ブタンジオンの部分還元によっても合成できる。糖から3-ヒドロキシ-2-ブタノンを生成する発酵法も知られている。
生合成
ピルビン酸の二量化によって生成するアセト乳酸の脱炭酸で生成する。
用途
乳製品やそれを利用した菓子、マーガリン、キャラメル、コーヒー、タバコなどに香料として使用される[1]。
法的規制
消防法により第四類危険物の第二石油類に指定されている[2]。
出典
- ^ a b 『15710の化学商品』 化学工業日報社、2010年、1479頁。
- ^ 職場のあんぜんサイト 3-ヒドロキシ-2-ブタノン 厚生労働省、2010年3月31日(2017年8月1日閲覧)。
3-ヒドロキシ-2-ブタノンと同じ種類の言葉
アルコールに関連する言葉 | Β-ヒドロキシエチルクロリド ヒドロキシ酸(ヒドロキシさん) 3-ヒドロキシ-2-ブタノン ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド ピナコール |
ケトンに関連する言葉 | バレロフェノン 4-ヒドロキシフェニルピルビン酸 3-ヒドロキシ-2-ブタノン ピナコロン ヒノキチオール |
固有名詞の分類
アルコール |
2-アダマンタノール Tert-ブチルアルコール 3-ヒドロキシ-2-ブタノン ジアシルグリセロール ジアセトンアルコール |
ケトン |
ムスコン アロキサン 3-ヒドロキシ-2-ブタノン クロロアセトフェノン ケチル |
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