2011年世界陸上競技選手権大会・男子400mとは? わかりやすく解説

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2011年世界陸上競技選手権大会・男子400m

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 02:56 UTC 版)

2011年世界陸上競技選手権大会・男子400m(2011ねんせかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい・だんし400メートル)は、2011年世界陸上競技選手権大会の種目の一つ。大邱スタジアムで8月28日に予選、29日に準決勝、30日に決勝が行なわれた。グレナダキラニ・ジェームスが44秒60の記録で優勝した。

アテネ大会以降、世界選手権の前回大会優勝者は次回大会の出場権を自動的に得る。前回大会優勝者のラショーン・メリットはドーピング違反による1年9ヶ月の出場停止処分が7月に明けてレースに復帰。全米陸上競技連盟は選手に対して選考会となる全米選手権出場を義務付けているが、メリットは6月の全米選手権に出場できなかった。その後メリットは全米陸上競技連盟の特例措置により世界選手権に出場した[1]。メリットは予選3組で2011年世界最高記録となる44秒35を記録した。2010年のIAAFダイヤモンドリーグ400m年間王者のジェレミー・ウォリナーは、左足爪先靭帯断裂のために欠場した[2]

北京パラリンピック男子短距離3種目の金メダリストで両足義足のオスカー・ピストリウスは四肢を失った選手として初めて世界選手権に出場し[3]、5組3位で予選通過、準決勝で組8位46秒19の成績を残した。ピストリウスは2004年アテネパラリンピックで200m金メダリストとなった後に北京オリンピック出場を熱望していたが、IAAFは彼の出場を認めない方針を2007年に決定した。IAAFは彼のカーボン製義足が競技に与える影響についてドイツ体育大学ケルンに分析を依頼、その結果を受けてカーボン製義足が競技会の禁止行為を定めたIAAF競技規約144項の2(機械的助力の使用)に抵触するとした[4][5]。ピストリウスはスポーツ仲裁裁判所に提訴、2008年5月にスポーツ仲裁裁判所の「IAAFの競技規則に抵触しない」との裁定を勝ち取って大会参加に道が開かれていた[6]。この2011年大会にはピストリウス以外に、視覚障害を持つジェイソン・スミスが男子100mに出場した。

メダリスト

キラニ・ジェームス
 グレナダ
ラショーン・メリット
 アメリカ合衆国
ケビン・ボルリー
 ベルギー

各種記録

世界記録 マイケル・ジョンソン 43.18 セビリア 1999年8月26日
大会記録
2011年世界最高 キラニ・ジェームス 44.61 ロンドン 2011年8月5日
アフリカ記録 ゲーリー・キカヤ 44.10 シュトゥットガルト 2006年9月9日
アジア記録 モハメド・アル=マルキー 44.56 ブダペスト 1988年8月12日
カリブ海北中米記録 マイケル・ジョンソン 43.18 セビリア 1999年8月26日
南米記録 Sanderlei Parrela 44.29 セビリア 1999年8月26日
ヨーロッパ記録 トーマス・シェーンレーベ 44.33 ローマ 1987年9月3日
オセアニア記録 ダレン・クラーク 44.38 ソウル 1988年9月26日

参加標準記録

A B
45.25 45.70

日程

開始時刻
2011年8月28日 11:15 予選
2011年8月29日 20:00 準決勝
2011年8月30日 21:45 決勝

結果

q 記録による通過 Q 順位による通過 WL 2011年世界最高記録 NR 国内記録 PB 自己記録 SB シーズンベスト DSQ 失格 DNS 棄権

予選

各組上位4名(Q)と記録上位4名(q) が予選通過、準決勝へ進む。

順位 氏名 国籍 記録 備考
1 3 ラショーン・メリット  アメリカ 44.35 Q, WL
2 3 ケビン・ボルリー  ベルギー 44.77 Q
3 1 ロンデル・バーソロミュー  グレナダ 44.82 Q
4 1 レニー・クオ  トリニダード・トバゴ 44.84 Q, SB
5 2 ジャーメイン・ゴンザレス  ジャマイカ 45.12 Q
5 4 キラニ・ジェームス  グレナダ 45.12 Q
7 1 グレッグ・ニクソン  アメリカ 45.16 Q
7 4 ジョナサン・ボルリー  ベルギー 45.16 Q
9 3 Rabah Yousif  スーダン 45.20 Q
10 1 タバリー・ヘンリー  アメリカ領ヴァージン諸島 45.22 Q
11 5 クリストファー・ブラウン  バハマ 45.29 Q
12 5 マーティン・ルーニー  イギリス 45.30 Q, SB
13 4 ラモン・ミラー  バハマ 45.31 Q, SB
14 5 オスカー・ピストリウス  南アフリカ 45.39 Q
15 5 フェミ・セウン・オグノデ  カタール 45.42 Q, SB
16 2 ジャマール・トランス  アメリカ 45.44 Q
17 5 ネリー・ブレネス  コスタリカ 45.47 q
18 2 Marcin Marciniszyn  ポーランド 45.51 Q
19 3 金丸祐三  日本 45.51 Q
20 2 デメトリウス・ピンダー  バハマ 45.53 Q
21 1 Riker Hylton  ジャマイカ 45.54 q
22 3 Pavel Trenikhin  ロシア 45.55 q, PB
23 4 ウィリアム・コラーゾ  キューバ 45.89 Q
24 2 Erison Hurtault  ドミニカ国 46.10 q
25 4 Park Bong-Go  韓国 46.42 SB
26 5 トニー・マッケイ  アメリカ 46.76
27 4 Pako Seribe  ボツワナ 46.97
28 1 Mathieu Gnanligo  ベナン 47.01
29 4 Augusto Stanley  パラグアイ 47.31
30 1 Nelson Stone  パプアニューギニア 47.86
31 5 Ahmed Mohamed Al-Merjabi  オマーン 47.99
32 3 Arnold Sorina  バヌアツ 48.76 SB
33 4 Bahaa Al Farra  パレスチナ 49.04 PB
34 2 Nicolau Palanca  アンゴラ 49.37 SB
35 1 Kerfalla Camara  ギニア 49.74 PB
36 2 Ak Hafiy Tajuddin Rositi  ブルネイ 50.12
5 Abdou Razack Rabo Samma  ニジェール DSQ
3 アリスメンディ・ペゲロ  ドミニカ共和国 DNS
3 ゲーリー・キカヤ  コンゴ民主共和国 DNS

準決勝

各組上位2名(Q)と記録上位2名(q) が準決勝通過、決勝へ進む。

順位 氏名 国籍 記録 備考
1 1 ラショーン・メリット  アメリカ 44.76 Q
2 3 ジャーメイン・ゴンザレス  ジャマイカ 44.99 Q
3 1 ケビン・ボルリー  ベルギー 45.02 Q
4 3 ジョナサン・ボルリー  ベルギー 45.14 Q
5 3 ロンデル・バーソロミュー  グレナダ 45.17 q
6 2 キラニ・ジェームス  グレナダ 45.20 Q
7 3 フェミ・セウン・オグノデ  カタール 45.41 q, SB
8 1 Rabah Yousif  スーダン 45.43
9 3 グレッグ・ニクソン  アメリカ 45.51
10 2 タバリー・ヘンリー  アメリカ領ヴァージン諸島 45.53 Q
11 2 クリストファー・ブラウン  バハマ 45.54
12 3 Pavel Trenikhin  ロシア 45.68
13 1 レニー・クオ  トリニダード・トバゴ 45.72
14 2 ジャマール・トランス  アメリカ 45.73
15 3 デメトリウス・ピンダー  バハマ 45.87
16 1 ラモン・ミラー  バハマ 45.88
17 2 ネリー・ブレネス  コスタリカ 45.93
18 2 Marcin Marciniszyn  ポーランド 45.94
19 2 マーティン・ルーニー  イギリス 46.09
20 1 金丸祐三  日本 46.11
21 1 ウィリアム・コラーゾ  キューバ 46.13
22 3 オスカー・ピストリウス  南アフリカ 46.19
23 1 Erison Hurtault  ドミニカ国 46.41
24 2 Riker Hylton  ジャマイカ 46.99

決勝

順位 レーン 氏名 国籍 記録 反応時間 備考
5 キラニ・ジェームス  グレナダ 44.60 0.137 PB
4 ラショーン・メリット  アメリカ 44.63 0.263
6 ケビン・ボルリー  ベルギー 44.90 0.182
4 3 ジャーメイン・ゴンザレス  ジャマイカ 44.99 0.138
5 8 ジョナサン・ボルリー  ベルギー 45.07 0.160
6 2 ロンデル・バーソロミュー  グレナダ 45.45 0.314
7 7 タバリー・ヘンリー  アメリカ領ヴァージン諸島 45.55 0.167
8 1 フェミ・セウン・オグノデ  カタール 45.55 0.170

脚注・出典




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