2変量の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/19 11:25 UTC 版)
2次元で非退化の場合(k = rank(Σ) = 2)、ベクトル [X Y]′(右肩のダッシュは転置を表す)の確率密度関数は、 f ( x , y ) = 1 2 π σ X σ Y 1 − ρ 2 exp ( − 1 2 ( 1 − ρ 2 ) [ ( x − μ X ) 2 σ X 2 + ( y − μ Y ) 2 σ Y 2 − 2 ρ ( x − μ X ) ( y − μ Y ) σ X σ Y ] ) {\displaystyle f(x,y)={\frac {1}{2\pi \sigma _{X}\sigma _{Y}{\sqrt {1-\rho ^{2}}}}}\exp \left(-{\frac {1}{2(1-\rho ^{2})}}\left[{\frac {(x-\mu _{X})^{2}}{\sigma _{X}^{2}}}+{\frac {(y-\mu _{Y})^{2}}{\sigma _{Y}^{2}}}-{\frac {2\rho (x-\mu _{X})(y-\mu _{Y})}{\sigma _{X}\sigma _{Y}}}\right]\right)} となる。ここで ρ は X と Y の相関係数であり、 σ X > 0 {\displaystyle \sigma _{X}>0} かつ σ Y > 0 {\displaystyle \sigma _{Y}>0} である。このとき、 μ = ( μ X μ Y ) , Σ = ( σ X 2 ρ σ X σ Y ρ σ X σ Y σ Y 2 ) {\displaystyle {\boldsymbol {\mu }}={\begin{pmatrix}\mu _{X}\\\mu _{Y}\end{pmatrix}},\quad {\boldsymbol {\Sigma }}={\begin{pmatrix}\sigma _{X}^{2}&\rho \sigma _{X}\sigma _{Y}\\\rho \sigma _{X}\sigma _{Y}&\sigma _{Y}^{2}\end{pmatrix}}} 2次元のときは、多変量正規分布であるための同値な条件として挙げた最初の方は、やや緩められる: 可算無限通りの X と Y の線型結合がどれも正規分布に従うならば、ベクトル [X Y]′ は2変量正規分布に従う。 2変数の場合の等高線を x,y-平面にプロットすると楕円になる。相関係数 ρ が大きくなっていくとき、楕円は次の直線: y ( x ) = sgn ( ρ ) σ Y σ X ( x − μ X ) + μ Y . {\displaystyle y(x)=\operatorname {sgn}(\rho ){\frac {\sigma _{Y}}{\sigma _{X}}}(x-\mu _{X})+\mu _{Y}.} の方向に向かって押しつぶされていく。この背景として、この式の sgn(ρ) ("sgn" は符号関数)を ρ に取り換えたものは、X の値が与えられたときの Y の最良線形不偏予測量(英語版)(best linear unbiased prediction)になっているという性質がある。
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