11月のギムナジウム
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「トーマの心臓」の記事における「11月のギムナジウム」の解説
『トーマの心臓』の姉妹編。漫画雑誌『別冊少女コミック』1971年11月号に掲載された。ごく短編であるためか、キャラクターの心理描写よりストーリー性がまさった作品になっている。この作品は『トーマの心臓』の原型であると長い間多くの読者に信じられていた。『11月のギムナジウム』が雑誌に掲載されてから約3年後に『トーマの心臓』の連載が始まったとき、そのキャラクターや舞台設定が前者に酷似していたことから、読者の多くが、『トーマの心臓』は『11月のギムナジウム』をもとに生まれたものと解釈していた。しかし、1981年7月に雑誌『grape fruit(グレープフルーツ)』(新書館)に掲載された「しなやかに、したたかに」というエッセイの中で作者自身が明らかにしたところによると、『トーマの心臓』は連載開始より3年前の当時すでに構想が生まれており、趣味で描き進めていたところ、同じキャラクターだけ集合させて別のストーリーにする着想を得て描いたのが『11月のギムナジウム』だった。しかし、このエッセイは一部の読者にしか知られていなかったため、2007年に出版された作品集の中で作者から改めてエピソードを紹介されたことにより初めて知ったという読者が多い。制作着手の順番と発表の順番が逆になったのは、本作品が短編であることから雑誌掲載の機会が得やすかったためである。
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