ボディコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 21:34 UTC 版)
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ボディコンとはニットなど体に密着する素材を使って体線(ボディ・ライン)を隠さずに目立たせるために着られる服(商業・広告用のミニのワンピースなど)または服を着ることでボディ・ラインが目立つ体形である。
このボディコンという語は ボディ・コンシャス(body-conscious:「体を意識している」)の略語[1]であり、特にボディラインに密着するものはクロース・トゥ・ザ・ボディ(close to the body)と形容され、これはボディラインを隠すオフ・ボディの対極に当たる[2]。英語圏ではファッション以外にも使われている。
ボディコン・ファッションで踊る女性はボディコン・ギャルと呼ばれている[3]。
歴史
前史
1970年代後半のオイルショック後より始まる健康ブームの中で、1981年頃よりはレオタードなどを着用したエアロビクスのブームが始まり[4][5]、それに伴ってフィットネスクラブも増え、ボディへの注目が高まっていった[3]。
また1982年には既に東洋紡よりボディ・コンシャスを意識した水着「Sexy Sun」が発表されていた[6]。
流行期
1985年開催のパリ・コレクション 1986年春夏においてストラクチュア・シェープ・デザインが多い中でアラブ系デザイナー「アズディン・アライア」のボディ・コンシャス・デザインのドレスが注目され[7][8][3]、1986年より世界でボディ・コンシャス・スタイルが浸透していった。日本では略してボディコンとも呼ばれていった。
ピンキー&ダイアン(Pinky&Dianne、「ピンダイ」とも)などの DCブランドからも、さらにシルエットをシェイプしたスタイルのボディコンファッションが生まれた。元々は女性の自己主張、解放を目指すファッションの動きの一つでもあった[要出典]が、日本では主に遊び着として広まり、特に1980年代のバブル期以降にブームとなった。
1990年代前半に一世を風靡した東京・芝浦のディスコ、ジュリアナ東京 (1991年-1994年)にはワンレン・ボディコン・爪長・トサカ前髪、といったファッションの女性が多く集まり、マスコミでも話題になった。ボディコンファッションでディスコのお立ち台に立つ女性はお立ち台ギャルと呼ばれていた[9]。荒木師匠こと荒木久美子に代表される、ジュリアナ扇子(通称「ジュリ扇」)を合わせたファッションのタレントもこの時期のメディアにしばしば登場した。
批評・批判
フェミニストの上野千鶴子は1989年出版の著書『スカートの下の劇場』の中で、ボディコン・ギャルの意識を見て「女がどのくらい自分の身体にとらわれ、身体に封じこめられているかがわかる」「女の身体像が予め奪われている」と批評した[10]。
関連作品
- アニメ及びアニメ化された作品
- その他の漫画作品
脚注
- ^ コラム09 律の憧れ!? ワンレンボディコンとディスコ - NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
- ^ 『新ニットアパレル入門』 p.316 センイ・ジヤァナル 1985年7月 [1]
- ^ a b c 柳澤元子、斉藤秀子『日本におけるボディコンシャスの流行と身体表現』 山梨県立大学 2006年
- ^ 張巧鳳『日本におけるエアロビックダンスの導入過程 (1980‒1982年)に関する研究 ―エアロビックダンスのイメージに注目して―』 日本運動・スポーツ科学学会 2013年
- ^ 西島建男『カラ元気の時代 : 八〇年代文化論』 pp.80-84 朝日新聞社 1991年2月 ISBN 978-4022562517 [2]
- ^ 川木淳「'82水着情報、今年のテーマは“Sexy Sun"(4)COLOR EYE」『商店界 63(4)(778)』 p.16 誠文堂新光社 1982年4月
- ^ 船井総合研究所ニュートレンド研究会『現代女性ウォッチング : 「流行」を解く24のカギ』 p.82 PHP研究所 1986年7月 ISBN 978-4569218014 [3]
- ^ 『東京経大学会誌 第146号』 東京経済大学 1986年
- ^ お立ち台ギャル コトバンク
- ^ 西島建男『カラ元気の時代 : 八〇年代文化論』 p.144 朝日新聞社 1991年2月 ISBN 978-4022562517 [4]
- ^ a b 『YAIBA』『うる星やつら』だけじゃない! 再アニメ化で人気爆発しそうな『週刊少年サンデー』で「かつてアニメ化された」人気作品たち 双葉社 2024年5月15日
- ^ a b ボディコン刑事(漫画)- マンガペディア DIGITALIO
関連項目
「ボディコン」の例文・使い方・用例・文例
- ボディコンのページへのリンク