鯖大師に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 13:06 UTC 版)
鯖大師は民俗学や口承文芸の研究テーマとなっており、多くの研究者が言及している。柳田國男は『昔話覚書』の中で、鯖大師伝説と全国に分布する昔話「牛方山姥」との共通点を指摘し、弘法大師伝説の中心地である四国地方で、鯖大師伝説の主役が行基であり続けた謎や、日本の交通史の一端を示している可能性について提起した。五来重は検討の余地はあるとしつつ、元々先にあった「牛方山姥」の物語を基に鯖大師伝説は作られたと推測し、僧が鯖を要求した理由について、伝説でいうサバとは本来「鯖」ではなく、山に浮遊する霊に手向ける「散飯(さば)」が転じたものであると主張している。なお、柳田も五来も聖が魚食を忌まなかった例を引いて、僧が生臭物である鯖を請求することは今日の感覚で思うほど奇妙なことでは無かったとしている。 花部英雄は文献上の呪歌の初出を室町時代とした上で、伝説は伝えられていないが呪歌だけが馬の病気を治す呪いとして伝えられている地域があることから、独立して存在していた呪歌に沿って、後から伝説が作られたという説を示した。
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