TAKANAWA GATEWAY CITY
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 13:33 UTC 版)
TAKANAWA GATEWAY CITY | |
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泉岳寺境内から見たTAKANAWA GATEWAY CITY(THE LINKPILLAR 1 南北両棟)(2025年7月)
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情報 | |
開発用地 | 田町車両センター跡地 |
住所 | |
座標 | 北緯35度38分8.8秒 東経139度44分22.7秒 / 北緯35.635778度 東経139.739639度座標: 北緯35度38分8.8秒 東経139度44分22.7秒 / 北緯35.635778度 東経139.739639度 |
現状 | 一部完成 |
起工 | |
竣工 | |
開業 | 2025年(令和7年)3月27日(第1期区画) |
用途 | |
関係者 | |
建設業者 | 品川開発プロジェクト(第I期)設計共同企業体 |
デベロッパー | 東日本旅客鉄道 |
所有者 | 東日本旅客鉄道 |
技術的詳細 | |
建築物 |
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開発面積 | 9.5万m2 |
ウェブサイト | |
www |
TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ、たかなわゲートウェイシティ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主導し、東京都港区港南2丁目、芝浦4丁目、高輪2丁目、三田3丁目にまたがる再開発計画である。田町車両センターの跡地を利用し、開発区域面積は約9.5 haである。
概要・経緯


別名はTokyoYard PROJECT[1]。TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE(芝浦4丁目、三田3丁目)、文化創造棟(芝浦4丁目)、THE LINKPILLAR 2(港南2丁目)、THE LINKPILLAR(リンクピラー) 1 NORTH/SOUTH(港南2丁目、高輪2丁目)の4つの地区、5つの建築物からなる[2]。再開発にさきがけ、JR東日本は2020年3月14日に、品川駅と田町駅の間に山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅を暫定開業した[3]。
しかし、2019年4月に、品川駅周辺の工事で石垣が見つかり、翌年に高輪築堤跡であることが確認された[4]。JR東日本と高輪築堤調査・保存等検討委員会が議論した結果、高輪築堤跡の二箇所を現地保存し、一箇所を移築保存する方針を決めた。そのため、高輪築堤跡の橋梁部がある3街区に建築計画が変更された[5]。さらに2020年にはコロナショックで利用者が激減、2020年東京オリンピックも延期かつ無観客となり、遺跡発見・コロナショック・五輪需要消滅という三つの想定外の出来事に見舞われた[6]。
2022年4月21日に公表されたまちづくりプランによると、2025年3月に高輪ゲートウェイ駅周辺エリア(THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH)を開業し、2025年度中にほかのエリアを開業する。THE LINKPILLAR 1は高輪ゲートウェイ駅前の4街区に立地するツインタワーで、KDDIが本社の移転を予定している。その23階から30階にマリオット・インターナショナルの最高峰ブランド「JWマリオット」が入居し、首都圏初開業となる。THE LINKPILLAR 2は街区3に立地し、泉岳寺駅に隣接する地上31階の超高層ビルである。文化創造棟(仮称)は街区2に立地する。TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCEは街区1に立地し、地上44階、地下2階の高層高級賃貸住宅である[7][2]。
2023年5月16日に、この街の名称を『TAKANAWA GATEWAY CITY』にすると正式に発表された[8]。
2024年3月15・16日に高輪ゲートウェイ駅において、「TAKANAWA GATEWAY CITYまちびらき前年祭」を開催。
同年10月27日、港区三田の三田台公園で開催された高輪地区祭りにJR東日本が「TAKANAWA GATEWAY CITYまちづくりPRブース」を出展し、概要などを明らかにした。さらに、12月8・9日に開催されたTAKANAWA GATEWAY CITY5・6街区で確認された高輪築堤の現地見学会では、TAKANAWA GATEWAY CITYにおける高輪築堤の具体的な活用法の紹介も行われた[9]。
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TAKANAWA GATEWAY CITY完成予想パース
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まちびらき前年祭の様子
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高輪地区祭り with TAKANAWA GATEWAY CITY
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遺跡説明会でのTAKANAWA GATEWAY CITY内高輪築堤活用法案内
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田町駅に期間限定で設置されたPRブース
MoN Takanawa:The Museum of Narratives | |
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MoN Takanawa:The Museum of Narratives(模型)
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情報 | |
用途 | 文化施設 |
設計者 | 隈研吾建築都市設計事務所 |
建築主 | 鹿島建設 |
構造形式 | 鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造、及び鉄骨造 |
敷地面積 | 7,977.31 m² |
建築面積 | 5,209.17 m² |
延床面積 | 28,952.55 m² |
階数 | 地上6階、地下3階 |
高さ | 44.98m |
竣工 | 2026年3月(予定) |
所在地 | 東京都港区三田三丁目16番 |
同10月30日、前述の高輪地区祭りにおいて概要を公開したことをうけ、TAKANAWA GATEWAY CITY第1期(THE LINKPILLAR 1 南北両棟)の開業=街びらきを2025年3月27日とする旨を公表した[10]。また、JR東日本文化創造財団が運営する文化創造棟の正式名称を「MoN Takanawa:The Museum of Narratives(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」とし(MoNは門のことで高輪ゲートを表す)、2026年春にオープンすることも明らかとなった[11]。THE LINKPILLAR 1 南北両棟とTHE LINKPILLAR 2に跨る商業施設はルミネが展開するファッションビル「NEWoMan高輪」となり、約200の店舗が入居する。建物間の公開空地はパブリックスペースの「ゲートウェイパーク」や「高輪辻広場」「泉岳寺辻広場」となり、東海道五十三次をインスパイアした「53 Playable Park」をコンセプトとした「高輪リンクライン」で結ぶ。TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE脇にはビオトープも設けられる[12]。
2025年3月25日、関係者向けの内見会と報道陣公開が開かれ、駅前広場となるゲートウェイパーク(二階部分)やNEWoMan Takanawa、高輪ゲートウェイ駅の南改札が公開された[13]。
同27日、TAKANAWA GATEWAY CITY第1期区画(4街区)が街びらきした[14]。
7月15日、JR東日本は26年に開業するMoN Takanawa:The Museum of Narrativesに隣接して、若手クリエーターやアーティストの交流施設を設けると発表した。賃貸住居やアトリエを併設し、2027年の開業を予定する[15]。
9月12日、第2期区画(4街区)開業予定。THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH両棟の1~5階に跨るNEWoMan高輪に入居するコスメブランドのシャネルやファッションブランドのアニエス・ベーなどの海外ブランド、セレクトショップのビームスやユナイテッドアローズ、雑貨の中川政七商店、食品スーパーの明治屋、カフェを併設する書店・文喫の旗艦店BUNKITSU TOKYO(ブンキツ トーキョー)など全ての店舗が一斉オープンする。この他、サウナの高輪サウナス、NORTH棟の28~29階には約10店舗が彩る飲食ゾーン「ルフトバウム」、同屋上(29階上)には庭園のボタニカル・ルーフトップも展開[16]。また、10月2日にはSOUTH棟の23~30階にJWマリオット・ホテル東京も開業する[17]。
2026年春、5街区のTHE LINKPILLAR 2、6街区のMoN Takanawa:The Museum of NarrativesとマンションのTAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCEが開業予定。レジデンス棟の低層階にはインターナショナルスクールが入居する(開校は同年8月予定)[18]。
MoN Takanawa:The Museum of Narratives
「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」は建屋全体がスパイラル状を成し緑に覆われ、植栽のほとんどを日本の在来種で構成する[19]。
1・2階がエントランスで、2階はデッキを通りTHE LINKPILLAR 2~THE LINKPILLAR 1 NORTHを介して高輪ゲートウェイ駅と直結。4階は「TATAMI」と銘打ち、100畳の畳が敷かれ和の文化とテクノロジーを掛け合わせたイベントプログラムを展開。5階は「BOX1500」、季節をテーマとした大規模展示空間。6階には月見テラスや足湯が、屋上には庭園が設けられる。地下1階は開催中のプログラムや参加クリエーターに関連する書籍やグッズを公開するアーカーブスの「シェルフ」、地下2階はライブシアターの「BOX1000」。
工法


4街区地下階層の躯体工事は逆打ち工法が用いられている。
この工法は、工期の短縮を目指して、先ずは1階の床を先行で造り、引き続き上部階の工事を進めると同時に地下階を掘り進め順次地下1階、地下2階と下へと工事を進めていく工法である[20]。
また、地下は山留壁として遮水性及び剛性の高いソイルセメント壁(SMW)及び地中連続壁(RC 連壁)で固めている。これは下位に広く分布する難透水層(上総層群)まで根入れすることで、地下水の流入を防止するとともに、周辺地盤の変形および地盤沈下が生じないようにするためである。掘削中は、地盤アンカー等の補強を施すなど周辺への影響を及ぼすことないよう配慮された[21]。
ギャラリー
- 主要施設
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THE LINKPILLAR 1 SOUTH
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THE LINKPILLAR 1 NORTH
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高輪辻広場(LINKPILLAR 1 SOUTH脇)
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泉岳寺辻広場(LINKPILLAR 1 NORTH脇)
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駅前広場のGateway Park
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交通広場(Gateway Park下)
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LINK LINE
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NEWoMan Takanawa
- 関連施設・テナント、その他の設備
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インフォメーション
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ゲートウェイスタジオ
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トラベルサービスセンター(LINKPILLAR 1 SOUTH内)
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コンベンションセンター(LINKPILLAR 1 SOUTH内)
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未来体験シアター(コンベンションセンター内)
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カンファレンスホールのロビー(LINKPILLAR 1 SOUTH内)
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ブルーボトルコーヒー(LINKPILLAR 1 SOUTH内)
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Gateway Park内を移動できる立ち乗り型自動走行車iino
隣接地開発との接続

都営浅草線泉岳寺駅の地上部分を京浜急行などが事業主体となり、泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業が進められている。LINKPILLAR 1 NORTHの公開空地である泉岳寺辻広場に、泉岳寺駅から地上へ出る既存のA1出口(2021年1月から閉鎖中)を改修するかたちで設けるほか、TAKANAWA GATEWAY CITYの3街区となるTHE LINKPILLAR 2では泉岳寺駅ビル(仮称)と隣り合い、ペデストリアンデッキで連結する計画である[22]。
脚注
- ^ “TokyoYard PROJECT”. 2021年11月5日閲覧。
- ^ a b “TAKANAWA GATEWAY CITY、建物名決定 商業棟は「THE LINKPILLAR」”. Impress Watch (2024年3月6日). 2024年3月9日閲覧。
- ^ “品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について”. 2021年11月5日閲覧。
- ^ “高輪築堤跡の史跡指定について”. 2021年11月5日閲覧。
- ^ “品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)における高輪築堤の調査・保存について”. 2021年11月5日閲覧。
- ^ “開業から1年「高輪ゲートウェイ駅」に3つの苦難 開発予定エリアに文化遺産発見でJR東日本も困惑|FNNプライムオンライン”. 2022年11月29日閲覧。
- ^ “高輪ゲートウェイシティ 25年3月開業。JR東日本最大のまちづくり”. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “未来への実験場「TAKANAWA GATEWAY CITY」~100年先の心豊かなくらしに向けて多様なパートナーとつくりあげる環境先導のまちづくり~” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2023年5月16日). 2023年5月17日閲覧。
- ^ “「高輪築堤跡現地見学会」開催”. 鉄道ファン (2024年12月9日). 2024年12月10日閲覧。
- ^ “JR東日本 NEWoMan Takanawa 高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発 来年3月一部開業へ”. NHK (2024年10月30日). 2024年10月31日閲覧。
- ^ “高輪ゲートウェイ駅前に「文化創造棟」が誕生、どんなところになる?”. ITmedia ビジネスONLiNE (2024年10月31日). 2025年3月27日閲覧。
- ^ “「高輪ゲートウェイシティ」高輪ゲートウェイ駅周辺に新しい街、商業施設「ニュウマン高輪」やホテル”. ファッションプレス (2024年10月31日). 2024年11月1日閲覧。
- ^ “公開された高輪ゲートウェイシティ”. 時事通信. (2025年3月25日) 2025年3月25日閲覧。
- ^ “高輪ゲートウェイシティ開業 3月27日ビジネス主な予定”. 日本経済新聞. (2025年3月27日) 2025年3月27日閲覧。
- ^ “JR東日本、高輪に若手芸術家の交流施設 27年開業”. 日本経済新聞. (2025年5月15日) 2025年5月16日閲覧。
- ^ “ルミネ、ニュウマン高輪の第2期を9月12日開業 全体の9割、約180店が出店”. 繊研新聞. (2025年5月20日) 2025年7月12日閲覧。
- ^ “JWマリオット・ホテル東京が2025年10月に開業!新総支配人にクラーク氏”. ベストカレンダー. (2025年3月12日) 2025年7月12日閲覧。
- ^ “THE LINKPILLAR 2(ザ リンクピラー ツー)”. 日本の超高層ビル. 2025年7月12日閲覧。
“高輪ゲートウェイシティ レジデンス”. 日本の超高層ビル. 2025年7月12日閲覧。 - ^ “高輪ゲートウェイシティの複合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」が2026年春に開館予定 約1500㎡の展示空間、日本の四季を感じる「月見テラス」や足湯も”. 美術展ナビ (2024年12月3日). 2025年7月8日閲覧。
- ^ “TOPICS | Global Gateway”. www.jred.co.jp. 2025年2月19日閲覧。
- ^ 東京都市計画事業より (PDF)
- ^ “泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業”. 東京都都市整備局. 2025年4月5日閲覧。
外部リンク
- TAKANAWA GATEWAY CITY - 公式ウェブサイト
- TAKANAWA GATEWAY CITY (takanawagatewaycity) - Facebook
- TAKANAWA GATEWAY CITY(JR東日本) (@takanawa_gateway_city) - Instagram
- TAKANAWA GATEWAY CITY - YouTubeチャンネル
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