小菅一夫とは? わかりやすく解説

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小菅一夫

(高村龍平 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 23:59 UTC 版)

小菅 一夫(こすげ かずお、1901年10月23日 - 1984年11月10日)は、日本浪曲作家[1]、演芸評論家[2]

概要

1923年6代目林屋正蔵が自費で行なった新作落語の懸賞に応募し、応募作「夢そば」が一等なしの二等に選ばれた[3]。その後、伊井蓉峰一座の文芸部に身を置いて高村龍平名義でラジオ・ドラマの脚本などを書き[4]、さらに新派文芸部の所属となった[3]

第二次世界大戦中は、浪曲作家として活動しており、1942年には浪曲による「大東亜戦史」の企画の中で、春日井おかめに新作の台本を提供した[3]

戦後も浪曲作家としての活動を続け、富田常雄の小説『姿三四郎』を浪曲にして、2代目広沢菊春の得意演目のひとつとして当たりをとった[5]1953年には、ラジオ東京(後の東京放送→TBSラジオの前身)の企画で、村松梢風の評伝集『近世名勝負物語』から脚色した「二人の王将」を梅中軒鶯童に提供した[6]。また、1958年には、講談3代目神田伯山で知られた『祐天吉松』を浪曲化し、2代目広沢虎造に提供した[7]。小菅は特に虎造とは懇意であり、虎造の未亡人から、浪曲の権利の管理を任されていたとされる[8]

一方で小菅は、朝日放送東京支社嘱託という立場で、全盛期のラジオの浪曲番組の制作に関わっており、ラジオ放送用の脚色を数多く手がけていた[8]。また、自ら演芸評論家としてメディアに出演することもあり、TBSラジオの番組浪曲天狗道場』で審査員を務めた[要出典]後、1966年から始まったフジテレビの『しろうと寄席』では、8代目桂文楽一龍斎貞丈初代相模太郎アダチ龍光とともに、審査員となった[2]

後年には、おもに浪曲音源の復刻盤の解説などの執筆活動を行った[9]

澤田隆治は、ラジオ番組の制作で一緒に働いた経験から、小菅を「僕の東京の師匠」としている[8]。澤田は、小菅の17回忌に際し、『小菅一夫が見た明治大正の浅草と劇場』という遺稿集をまとめているが、一般には発売されていない[10]

著書

  • 浪曲名家選、日本放送協会、1949年

脚注

  1. ^ 小菅一夫”. JLogos. 2014年3月20日閲覧。
  2. ^ a b “なかなか達者です しろうと寄席 落語・漫才が圧倒的”. 読売新聞・夕刊: p. 10. (1966年6月6日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  3. ^ a b c “[続々寄席物語]高座余談(連載)”. 読売新聞・朝刊: p. 7. (1930年12月17日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  4. ^ “[よみうりラジオ版]一年を二時間に片付けるラヂオ風景”. 読売新聞・朝刊: p. 5. (1928年10月12日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  5. ^ 世界大百科事典 第2版『姿三四郎』 - コトバンク
  6. ^ “浪曲化される近世名勝負物語 KR 雲月、鶯童、三門、梅鶯が競演”. 読売新聞・夕刊: p. 4. (1953年5月3日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  7. ^ “先代広沢虎造の「祐天吉松」が全集盤に”. 読売新聞・夕刊: p. 4. (1976年8月3日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  8. ^ a b c 澤田隆治; 高平哲郎 (2004年). “江戸開府四百年・エノケン生誕百年記念 対談・東京芸能舞台裏”. APP Company. 2014年3月20日閲覧。
  9. ^ “浪曲の集大成 LPを発売”. 読売新聞・夕刊: p. 9. (1973年11月26日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  10. ^ 大島幹雄 (2001年). “今月の一冊 2001年3月 サーカス&大衆芸能関係本 8冊”. 大島幹雄. 2014年3月20日閲覧。



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