音響モードと光学モード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 05:24 UTC 版)
N個の原子からなる結晶では、振動モードは3N個だけある。そのうち3個は音響モードであり、残りの3(N-1)個は光学モードである。波数ベクトルkが0の極限で固有振動数ωが0になるようなモードを音響モードという。一方0にならないモードを光学モードという。 音響モードでは単位胞内の原子は同じ方向に変位する。波数が0の音響モードは、すべての構成原子が一斉に同じ方向に同じ振幅だけ動くようなモードであり、またその振動数は0である。長波長の音響モードの格子振動は弾性波として表すことができる。 一方、光学モードでは単位胞内の隣りあう原子が反対向きに運動する。波数が0のときの光学モードでは、多原子系の重心は不変である。光学モードは双極子モーメントの変化を伴うため光学的に活性である。光学モードでは結晶の属する点群、モードの対称性を表す既約表現の種類によって、ラマン活性や赤外活性を評価できる。赤外活性であるならば赤外吸収によって、ラマン活性ならばラマン散乱によって、その振動数を知ることができる。
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